〈年金30万円〉〈退職金3,000万円〉穏やかな老後を送るはずの「60代夫婦」に急展開。老後崩壊の原因は63歳夫の「不用意すぎるひと言」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月26日 5時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
近年、共働き夫婦は増加の一途を辿り、2023年1,278万世帯に達しました。これは全世帯の約68.8%を占めます。ともに仕事に頑張る夫婦、「定年後はどうする?」という会話もあるのでは? 「仕事を辞めたら夫婦水入らず、ゆっくり過ごそう」と語り合うその先に、思わぬ出来事が待っていることもあるようです。
定年夫婦に突如勃発した「親の介護問題」
おしどり夫婦として評判の中村浩一さん(仮名・63歳)、恵子さん(仮名・61歳)夫婦。ただ最近は暗雲が立ち込め、離婚も考えているといいます。
きっかけとなったのは、90歳になる義母の介護。恵子さん、義母とは、良くもなく悪くもなくという関係を35年近くも続けてきました。
――義実家は車で1時間半ほど。頻繁に会うには遠く、正月やお盆のタイミングで帰省するには近すぎるという距離感だったことが、良い意味でよかったのかもしれません
もともと看護師だった恵子さん。子どもが生まれるタイミングで一度、仕事を辞めますが、2人の子どもがともに中学生になったタイミングで再び看護職に復帰。15年ほどのブランクがありましたが、以前働いていた職場で看護師が足りず、声がかかったのです。家族からの後押しもあってのことだったといいます。
夫婦ともに60歳の定年で仕事から引退。退職金は夫2,000万円、妻1,000万円の計3,000万円。65歳から受け取る予定の年金は、夫婦で30万円強。贅沢三昧できるわけではありませんが、穏やかな老後が送れるはず……そんな算段がついたため、仕事から離れて一度ゆっくりしようと夫婦で決めたのでした。
しかし、そこで90歳になる義母が認知症で要介護3に。きょうだいで介護施設への入居も検討ましたが、義母は終活を進めるなか、万一の際には自宅で看取ってほしいという話をしていたのだとか。そのため浩一さんたちは、何とか自宅で介護を続けられないかと考えたところ名案が――「看護師経験があるから、お母さんのこと介護できるんじゃない?」と、恵子さんに白羽の矢がたったのです。長男の嫁という立場も大きかったようです。
――看護師だったからって、なんで私がお義母さんの介護をしなきゃいけないの?
――私はお義母さんを介護するために看護師に復帰したわけじゃないのよ
4~5組に1組は熟年離婚…介護問題も要因のひとつ
あまりに図々しい考えに、何ともいえない感情を抱いたという恵子さん。まったく納得ができません。そこへ浩一さんが不用意なひと言。
――別にいいじゃないか、仕事を辞めて暇なんだし
――はぁ!?
仕事を辞めたとはいえ、家事全般はすべて恵子さんがやっています。何よりも定年後に仕事を続けるか、それとも辞めるかを夫婦で話し合ったとき「仕事から離れて一度ゆっくりしよう」と決めたはず。しかし義母の介護を前に、このことがすっかり抜け落ちている浩一さんに腹が立って仕方がなかったといいます。さらに長男の嫁に介護してもらったら、費用を浮かせるんじゃないか――そんな考えも透けてみえてきました。そうなると、中村家の一員でいることに嫌悪感を覚え、「離婚」という選択肢が急浮上してきたといいます。
――心が狭いと思いつつ、穏やかに過ごしたいという夢を軽く考えてほしくないんです。定年後の生活だって限られているわけですし
熟年離婚は、結婚生活が20年以上続いた夫婦の離婚を指し、特に50代以上の夫婦に多く見られます。2023年のデータによると、離婚した夫婦のうち、熟年離婚の割合は23.5%に達し、過去最高を記録しました。これは、全体の離婚件数が減少している中で、熟年離婚が高止まりしていることを示しています。
熟年離婚の原因としては、長年の結婚生活のなかで浮き彫りとなった「価値観の不一致」や、女性の社会進出が進んだことによる「経済的自立」のほか、中村さん夫婦のように「介護問題」もそのひとつ。親の介護はもちろん、夫婦それぞれが介護に直面したときに、離婚の引き金になることも。
結婚生活が長いからこそ、複数の要因が絡み合って引き起こされる「熟年離婚」。その予兆は、きっとどこかにあるはず。積み上げてきたものが一気に崩れることを防ぐためにも、いまいちど夫婦関係を見直してみたらどうでしょうか。
[参考資料]
この記事に関連するニュース
-
「退職金2,500万円」「年金月35万円」老後は〈市民農園で野菜作り〉を楽しむ60代夫婦、老後崩壊の危機。きっかけは35歳ひとり娘の「怖いひと言」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月20日 7時15分
-
「通帳見てみて」義妹に財産をむしり取られた義母、壮絶な最期を看取った嫁が見つけた「老後の正解」
Finasee / 2024年12月1日 11時0分
-
〈退職金3,000万円〉〈最高月収100万円〉〈貯蓄5,000万円〉60歳の元エリートサラリーマン、余裕の老後のはずが「まさかの夜逃げ」。自宅ドアの向こうに広がっていた衝撃光景
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月1日 8時15分
-
年金月31万円・65歳大企業元部長、退職金3,000万円で「軽井沢の別荘」を妻にプレゼント。二拠点生活を始めるも…一人ぼっちであわや老後破産!衝撃の5年後の姿【一級建築士が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月30日 10時45分
-
「あなたが助ければ?」貯金ゼロ、年金は"施設費"で消える義実家…生活保護担当者の捨て台詞に長男嫁の胸の内
プレジデントオンライン / 2024年11月30日 10時16分
ランキング
-
112月末まで!今年の「ふるさと納税」注意したい点 定額減税の影響は? 申し込む前に要チェック
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 13時0分
-
2「プライドが高い日産」に手を焼くホンダの未来が見える…深刻な経営危機に陥った「国内2位メーカー」の根深い問題
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 10時15分
-
312月に大掃除をする人は「なぜお金が貯まらないのか」を片付けのプロが丁寧解説
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 9時15分
-
4焦点:日産との統合、ホンダから漏れる本音 幾重のハードル
ロイター / 2024年12月26日 14時46分
-
5日本郵便とヤマト「120億円訴訟」に至った言い分 物流サービスの「大同団結」が危うい事態に
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください