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住宅ローンなんて借りなきゃよかった…年収700万円・40歳サラリーマン、通勤片道1時間20分「埼玉の新築戸建て」にポツンとひとりきり「何かの間違いでは?」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月26日 5時15分

住宅ローンなんて借りなきゃよかった…年収700万円・40歳サラリーマン、通勤片道1時間20分「埼玉の新築戸建て」にポツンとひとりきり「何かの間違いでは?」

(※写真はイメージです/PIXTA)

日本の持ち家率は60%ほど。平均40歳前後でマイホームを実現しています。現金一括で払える金額ではないので、多くが住宅ローンを活用しますが、そこに思わぬ落とし穴が潜んでいました。

5,000万円以内で新築戸建て!理想の家を追い求めた結果…

高橋大祐さん(仮名・45歳)。マイホームを実現したのは今からさかのぼること5年前。長男が小学校に進学する前に戸建てを買いたいと検討していたといいます。

当時の年収は700万円ほど。無理なローン返済は避けたいので、身の丈に合った家を建てたい……そう考えていたといいます。

住宅購入の際の指標となるのは、年収に対する物件価格の割合である年収倍率と、ローン返済に対する年収の割合である返済負担率。年収倍率は5~7倍、返済負担率は20%前後が適正といわれています。これらから逆算し、物件は3,500万円~4,900万円、ローンは年140万円(月11.6万円)の返済になるようなイメージで物件探しをスタート。通勤の便を考えると、都内またはその周辺でしたが、予算内で買えるのはいわゆる都会の狭小住宅。

――子どもが遊べる広い庭がないと

――将来の子ども部屋のことも考えると、5LDK

――生活の利便性を考えると、駅徒歩圏

譲れない要望を挙げていくと、どんどん東京からは離れていき……見つけたのは、高橋さんが働く会社から片道1時間20分の場所にある、埼玉県のとある街の土地。面積は広々200平米。ただ建てられる家は有名メーカー指定で、土地+建物等で6,000万円。明らかに予算オーバーでした。

高橋が想定していた頭金は800万円。そこから算出した返済プランでは、月々の返済額13万4,984円で、35年返済。しかも完済するのは75歳。不動産会社からは、ローン審査はおそらく大丈夫とお墨付き。「理想通りだけど、無理だな……」と考えていると、妻からひと言。

*借入金額:5,200万円、返済方式:元利均等、想定金利:0.5%、返済期間:35年と仮定した月返済金額

――子どもたちのために、頑張りましょうよ

そういわれたら頑張るしかありません。高橋さん、思い切った決断をしました。

マイホーム実現が元凶…夫婦仲が険悪に

このような決断から5年。高橋さん家族は、幸せな日々を送って――おかしなことに、自慢の広々とした家には高橋さん、ひとりだけ。実は、妻と2人の子どもはこの家を出ていき、先日、離婚が成立したというのです。

無理してでも幸せな家族を夢見たはずなのに……なぜ?

――無理して家を買ったからでしょう。返済負担が大きくて常に妻はイライラしていました。喧嘩も多くなって……

年収700万円だった高橋さん、月収は45万円。手取りにすると35万円ほどでした。そこから毎月のローン返済額を引くと残り22万円。家族4人、節約を心掛ければ十分生活できる金額ですが、元妻が思い描いた生活とは少々違ったようです。また通勤に往復3時間弱かかる高橋さんとは平日はほとんど会話がなく、土日の休みも疲れを取ることで精いっぱい。育児がワンオペ状態になっていたこともまた、今さらながらよくなかったといいます。

離婚原因はいわゆる「性格の不一致」。男女ともに最も多い理由で、約33%から37%の申立てがこの理由に該当します。そのきっかけとなったのが、家族の幸せを願って無理して実現したマイホームとは、何とも皮肉な話です。

――無理して住宅ローンなんて借りなければ、こんなことにならなかったのに……

――5年前の自分がこの状況をみたら驚くでしょうね。「離婚なんて、何かの間違いでは」と

自虐して力なく笑う高橋さん。通勤時間も長いので、マイホームは手放すことを検討しているとか。

離婚時に住宅ローンが残っている場合の対処法は、状況に応じていくつかの選択肢があります。売却を決断した際、売却価格がローン残債を上回るなら、売却益を使ってローンを完済できます。この場合、売却後の利益は財産分与の対象となります。一方で、売却価格がローン残債を下回る場合、売却してもローンを完済できないため、残ったローンは引き続き支払う必要があります。この場合、任意売却を検討することもできます。任意売却とは、金融機関の同意を得て、通常の市場価格よりも低い価格で物件を売却する方法です。

マイホームを実現してから5年。昨今の不動産市況を考えると、売却価格がローン残債を上回る可能性が高いでしょう。そうなると、前述の通り、財産分与を考慮しなければなりません。

――まったく納得できないのですが……仕方がないんですかね

[参考資料]

厚生労働省『令和5年人口動態統計』

法テラス『ローンが残っている住宅も、財産分与の対象とすることができるのですか。』

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