損しない「投資信託」の選び方…新NISA・iDeCo活用術【20代〜50代・年代別ポートフォリオ例】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月23日 14時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
投資で損をしたくないなら、自分に合った投資信託を選ぶことが重要です。本稿では、山中伸枝氏が監修を務めた『いちからわかる!新NISA&iDeCo 2025年最新版』(インプレス)から一部を抜粋・再編集し、新NISAとiDeCoを活用し、年代やリスク許容度に応じた最適なポートフォリオを構築する方法を、具体的な例とともに紹介していきます。
損しないためには、どんな投資信託を選べばいいのか
「全世界株式型」を優先して経済成長の波に乗る
投資デビューをするなら、税制優遇の手厚い新NISAのつみたて投資枠やiDeCoを利用するのが賢いことは皆さんおわかりいただけたでしょう。「でも、具体的にどんな投資信託を選べばいい?」という疑問も湧いてくるはずです。
誰でも損はしたくないし、失敗はしたくありません。だからこそ、投資信託での積み立てが効力を発揮します。ただ、その際の投資信託選びは年代や投資期間によって、やや変える必要があります。
一般的な投資の場合、投資期間が10年以上か10年以下かで選ぶべき商品が違ってきます。投資期間10年以上、例えば20~40代の人は、経済の成長に乗ることを1番に考え、「株式」に投資する商品を主軸に選ぶのがセオリーです。図表1を見ると、株式の場合、上がったり下がったりを繰り返しながら、右肩上がりに成長しているのがわかります。その波に長期で乗るというわけです。
ただし、成長カーブが高いのは、長期で見ると明らかに国内株式より米国株式です。そのため米国株式や先進国株式を組み入れることが必須となります。
新NISAのつみたて投資枠もiDeCoも長期投資が基本なので、全世界株式型を心にポートフォリオを組み、長期運用でのリターンを狙いましょう。例えば、iDeCoの場合、先進国株式40%、国内株式25%、新興国株式15%と全体の8割を株式に投資し、残り20%は不動産に投資するREITを組み込むというような方法がおすすめ。100%株式でもOKです。また、先進国、新興国、国内の株式が1本にまとまった全世界株式型を選ぶと簡単です。全世界株式型の米国比率は6割程度です。
一方、年代が上がるにつれ、少し保守的な運用姿勢が必要になります。株式市場が大きく崩れると、値が戻るのに4~5年かかることもあり、ライフステージの面で、大きな損失に耐えられないこともあり得ます。そのため、徐々に値動きが緩やかな債券の比率を増やしていくといいでしょう。そこで、50代など投資期限が短くなったら、全体の40%を債券に、残りの60%は、以前から組み入れている株式の比率を下げて運用を続けます。
保守的な投資をするならバランス型中心に
一方で、自営業で収入が安定しないなどの理由で投資リスクを取りたくない人は、バランス型を中心とした保守的な投資をおすすめします。バランス型にもさまざまな種類があり、商品によって株式比率が異なるため、自分のリスク許容度に合った商品を選びましょう。
年代やライフステージに合わせて臨機応変に金額や商品を決定
新NISAはフレキシブルで使いやすい制度ですが、iDeCoには所得控除という新NISAにはない税制優遇があります。お得なので家計に負担のない範囲で積み立てるのがおすすめ。運用姿勢も先ほど紹介したような組み合わせを実践するのが基本です。
そして、年代やライフステージによって、積立金額や商品の組み合わせを変えることも大切。「年代が上がるにつれ保守的な運用姿勢で」と紹介しましたが、これは、リスク許容度の変化を意識する必要があるからです。年代が上がると運用期間が短くなり、解約したいときにちょうど市場が値下がりしていることもあるので、債券中心の保守的な運用にシフトすべきなのです。
また、ライフステージごとに優先順位も考える必要があります。手持ち資金や収入が少ない20代は、解約可能な新NISAのつみたて投資枠の比率を上げるのがベターです。結婚・出産・住宅購入などライフイベントの多い30代も、教育用、住宅購入用など目的別に新NISAを利用するのを優先に。iDeCoは30〜40代から少しずつ始めればOKです。臨機応変に積立額や組入比率も変えましょう。
山中 伸枝
株式会社アセット・アドバンテージ
代表取締役
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