事前に話し合っておきたい…親亡き後、実家はどう片づければいい?避けては通れない「遺品整理」をスムーズに進める方法
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月1日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
親が亡くなったあと、家を売るにも貸すにも遺品の片づけや清掃が必要になります。今回は弘中純一氏・小谷みどり氏・横尾将臣氏監修の『いざというときに困らないために 今から考える 実家じまい・墓じまい』(ナツメ社)から、親族と早めに話し合っておきたいテーマでもある「遺品整理」についてご紹介します。
家を売る前・貸す前には片づけが必要
親が亡くなる前の片づけは、「生前整理」ですが、亡くなってからの片づけは「遺品整理」といいます。親が賃貸に住んでいた場合は、そのままにしておくと家賃が発生するので、できるだけ早めに家財を整理する必要があります。
持ち家なら急いで片づける必要はありませんが、売却する、もしくは賃貸に出すと決まった場合には、やはり早めに遺品整理をしたほうがいいでしょう。
買い手や借主が決まるまで、家具などを置いたままにしている人もいますが、片づけたほうが内覧(物件の購入や賃貸契約の前に、内部を見学すること)の印象はよくなります。とくに賃貸に出す場合には、引き渡し前に室内のクリーニングが必要になるので、早めの片づけが求められます。
片づけに時間がかかる理由
一般的に高齢になるほど、また広い家ほど物がたまりがちなので、実家の片づけは大変です。家一軒分に大量に残された物を一つ一つ見て、「いる」「いらない」を決めていき、さらに自治体のルールに従って分別し、梱包し、正しい方法で処分しなければなりませんから、思った以上に時間と手間がかかります。
時間がかかる理由の一つは、持ち主の意向を聞けないので、捨てていいのかどうか迷うという点にもあります。それに思い出の詰まった物ばかりなので、手に取っているうちに、懐かしくてつい手が止まる人も多いようです。とくに写真や手紙類、親が大事にしていた物などは、簡単に「捨てる」という決断ができず、時間がかかってしまいがちです。
ですから、全部自分でやろうとせずに、できる部分だけを片づけましょう。一部だけでも整理するとグリーフワーク(死別などの深い悲しみから立ち直るプロセス)になるかもしれません。その後、自分では難しい片づけや物の処分を、業者に依頼するのがおすすめです。
遺品整理は業者に頼むのがスムーズ
「処分する物」と「取っておく物」を選別するのも難しいのですが、さらに難しいのは、「正しい方法で処分する」ということです。燃えるごみ、プラスチックごみ、燃やせないごみ、資源ごみ、リサイクル家電、リサイクルショップにもっていく物などに、分別しなければいけません。
それも、自分が住んでいる自治体と違う場所であれば、分別ルールを調べる必要があります。例えば3DKの家にある物をすべて正しく分別しようと思ったら、プロに頼めば数時間で済むことが、素人だと何カ月もかかる可能性があります。
「時は金なり」という言葉がありますが、片づけにかかった期間の労力や経費、無駄にした家賃などを考えれば、業者に頼んだほうが安かった、というケースもよくあるものです。
自分たちだけでやろうと無理をせず、プロに頼ることも検討してみましょう。
業者がやってくれること
業者にもよりますが、一般的な遺品整理では、下のようなサービスを依頼することができます。
遺品整理業者に頼めるサービス内容 • 遺品の片づけ、整理 • 家財道具の買い取り • 家財の移動、配送 • 家財、残置物の処分 • 消臭・簡易清掃ちゃんとした業者であれば、不用な家財を法律や自治体のルールに従って分別し、処分(廃棄やリサイクル)してくれます。
頼めば、仏壇など粗末にできない遺品の供養をしてくれるところもあります。整理しているときに出てきた、価値がありそうな家財をプロが査定して、その場で買い取り(査定額を料金から値引き)をしてくれるところもあり、自分たちでリサイクルショップに持ち込む手間が省けます。
実際に作業をしてもらうときには、2DKなら5人程度のスタッフで、3時間前後かかるのが目安です。どこかにあるはずの貴重品や現金を探しながらやるときには、もっと時間がかかることもあります。
家財を運び出した後の簡単な清掃は含まれていることが多いですが、さらにオプションで水回りなどのハウスクリーニングを頼めるところもあります。
そのほか、貴重品の捜索(現金や書類、遺言書など)、汚れや臭いがひどい場合の「特殊清掃」、害虫駆除、パソコンの中の写真などデジタル遺産の整理、不動産手続きや廃車手続きの代行、解体工事などを行ってくれる業者もあります。
監修 横尾 将臣(メモリーズ株式会社 代表取締役) イラスト あさと ひわ
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