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商業登記に特化した司法書士が教える「事業成功のための資金調達術」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月16日 8時10分

商業登記に特化した司法書士が教える「事業成功のための資金調達術」

(※写真はイメージです/PIXTA)

資金調達は、事業運営における社長の重要な仕事です。適切な資金調達方法を選び、リスクを分散しながら事業の基盤を築くことが、成功への第一歩となります。ただ闇雲に資金を集めるのではなく、それぞれの方法の特徴を理解し、自社のニーズに最適な手段を選びましょう。設立支援実績1,000社以上の加陽麻里布氏(司法書士法人永田町事務所 代表)が、主な資金調達の方法や、資金調達を成功させるためのポイント、注意点を解説します。

主な資金調達の方法、5つ

(1)自己資金

経営者自身の貯蓄や資産を資本金として投入する方法です。

〈メリット〉

・他者への返済義務がなく、自由に資金を運用できる。

・財務的な自由度が高く、迅速な意思決定が可能となる。

〈デメリット〉

・資金が限定的で、大規模な初期投資には向かない。

・個人の生活資金が逼迫するリスクがある。

〈活用のポイント〉

必要最低限の初期費用を自己資金で賄い、不足分は融資や補助金で補完しましょう。

(2)銀行融資(デットファイナンス)

銀行や公的金融機関から借り入れる方法です。

〈メリット〉

・比較的大規模な資金を安定的に調達できる。

・株式を譲渡する必要がなく、経営権を維持できる。

〈デメリット〉

・返済義務と利息負担があり、キャッシュフローへの影響が大きい。

・融資審査には事業計画や担保が必要。

〈活用のポイント〉

日本政策金融公庫の創業融資や自治体の融資制度を活用し、金利負担を軽減しましょう。設備投資や運転資金に利用するとよいでしょう。

(3)出資(エクイティファイナンス)

投資家やベンチャーキャピタル(VC)から資金を受ける方法です。

〈メリット〉

・返済義務がなく、成長資金を自由に運用できる。

・出資者のネットワークやノウハウを活用可能。

〈デメリット〉

・株式を譲渡するため、経営権の一部を失うリスクがある。

・出資者の期待に応える責任が発生する。

〈活用のポイント〉

将来の成長が見込まれるスケーラブルな事業に活用するとよいでしょう。信頼できる出資者を選び、長期的な協力関係を築くことが重要です。

(4)補助金・助成金

国や自治体が提供する支援金のことです。

〈メリット〉

・返済不要なので、事業のコストを大幅に削減できる。

・採択されることで事業の信用力が向上する。

〈デメリット〉

・申請手続きが煩雑で、審査結果が出るまでに時間がかかる。

・使途が限定される場合がある。

〈活用のポイント〉

小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金など、業種に適したものを活用しましょう。書類作成や申請を専門家に依頼すると、成功率を向上させることができます。

(5)クラウドファンディング

インターネットを通じて不特定多数の支援者から資金を募る方法です。

〈メリット〉

・プロジェクトの宣伝効果や市場テストを同時に行える。

・製品やサービスの潜在的なファンを獲得可能。

〈デメリット〉

・魅力的なプロジェクトでなければ資金が集まらない。

・サービス手数料が発生する。

〈活用のポイント〉

社会性の高いプロジェクトや新しいサービスの立ち上げに効果的な方法です。

資金調達計画の立て方

(1)必要な資金の明確化

初期費用(物件取得費、設備費、人件費など)と運転資金(日常的な経費)の試算を行い、必要金額を具体的に設定します。

(2)調達方法を組み合わせる

自己資金で基盤を作り、融資や補助金を補完的に活用します。

例)設備投資には補助金を活用し、運転資金は融資で確保。

(3)事業計画書を整備

銀行融資や出資を受ける際、説得力のある事業計画書が不可欠です。

例)売上予測、収支計画、成長戦略を明確化。

適切なデータを基にした計画書は、資金調達の成功率を大きく高めます。

資金調達における注意点

●無理のない返済計画を立てる

融資を受ける場合、返済額が売上やキャッシュフローに見合っているか確認しましょう。

●資金使途を具体化する

調達した資金をどう使うかを明確にし、事業の成長に直結する用途に限定します。

●長期的な視点を持つ

初期調達だけでなく、成長期や拡大期に必要な追加調達を視野に入れて計画を立てましょう。

自己資金から出資までを使いこなし、経営基盤を確立

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〈資金調達を成功させるための3つのポイント〉

1.必要資金の正確な試算

2.複数の調達手段を組み合わせてリスク分散

3.適切なタイミングで追加調達を計画

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これらを意識することで、資金調達の失敗リスクを最小限に抑えられます。

資金調達は、事業をスタートさせるだけでなく、成長の土台を築くための重要なプロセスです。自己資金、融資、出資、補助金、クラウドファンディングといった調達方法を理解し、自社の事業フェーズや目標に最適な手段を選択することが成功への近道です。綿密な計画とリスク管理を行いながら、健全で強固な経営基盤を構築しましょう。

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所 代表司法書士

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