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慶應卒の元大手金融機関勤務・団塊ジュニア世代の男性…インターネットバブル全盛期のペンシルベニア大留学中に教授から会うことをすすめられた「ハーバード大在籍中の大物」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月24日 9時15分

慶應卒の元大手金融機関勤務・団塊ジュニア世代の男性…インターネットバブル全盛期のペンシルベニア大留学中に教授から会うことをすすめられた「ハーバード大在籍中の大物」

インターネットバブルの時代にペンシルベニア大学へ留学し、デジタル化の未来を目の当たりにした筆者。留学経験を通して見えてきた教育界の「不易と流行」とは? 本記事では、SAPIX YOZEMI GROUP共同代表・高宮敏郎氏の著書『「考える力」を育てるためにSAPIXが大切にしていること』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集し、これからの教育のあり方について解説する。

ペンシルベニア大学留学中に…

私自身は、1974年生まれの団塊ジュニア世代です。中学受験を経て、慶應義塾普通部に入学し、慶應義塾大学まで内部進学しました。大学卒業後は、三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)に入社した後、2000年に代々木ゼミナールに入職。同年9月にペンシルベニア大学へ留学しました。

留学したころは、インターネットバブル全盛期でした。そこで衝撃を受けたのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ創設者である、ニコラス・ネグロポンテの言説です。

彼は、『ビーイング・デジタル―ビットの時代』(アスキー)という本の中で、“fromatomstobits”(物理的制約からの解放)という未来を予測しました。つまり、「これから物事がデジタル化することによって、人々は物理的な制約から解き放たれていくのではないか」と予見していたのです。その一方で、当時は“bricks-and-clicks”(実店舗+オンラインのハイブリッド)という考えが流行していました。物理的な制約がなくなるとしても、やはり従来の対面式のやり方は残っていくだろうといわれていました。

2004年ごろ、私が教育学の博士論文を書いているときに、指導教授に「ハーバード大学に、面白いことをやっている学生がいるから会ってきたら」とすすめられました。その学生がFacebook創業当初のマーク・ザッカーバーグだったことは後になって分かりましたが、正直なところ、当時の私は、彼の取り組みについてあまりピンときていなかったので会いに行きませんでした。もし、あのとき出会っていれば、今頃Metaジャパンの責任者になっていたかもしれないぞ、なんてことを考えたりもします(笑)。

その当時から、この国が少子化になることは分かっていました。ITの視点から何かアイデアが出せないかとずっと考えていたのですが、結果的には見つけられずに、今に至っています。

一朝一夕には築けない学校の伝統と実績

留学中、もう一つ、大学経営学の授業で興味深かったのは、教育機関のランキングは、そう簡単に変わるものではないという教授の話です。教授が言うには、この100年の間に、大学ランキングの算出手法はさまざまな変遷を経ていますが、ハーバードやイエールといったトップ大学の序列は、昔も今も変わっていないそうです。例外はスタンフォード大学とニューヨーク大学くらいで、その他の顔ぶれはほぼ変わっていないとのことでした。

この点については、日本の大学や私立中学・高校でも同じことが言えます。40〜50年前と比べると、上智大学と国際基キリスト督教大学は、ぐんとランクアップしましたが、東京大学、京都大学をはじめとするトップ層に大きな変動はありません。また、私立中学・高校では、この十数年で西大和学園、渋谷教育学園幕張、渋谷教育学園渋谷などが躍進を見せていますが、それも非常に限られた例であると言ってよいでしょう。

これは先代からの教えでもありますが、弊グループに「一条校」(学校教育法第一条に定められた小学校、中学校、高等学校、大学など)を運営する考えはありません。その理由は二つです。

一つは、先に申し上げたように、伝統と実績のある学校のランキングを新興校がひっくり返すことは非常に難しいということです。また、その学校の特色や文化が、長い年月をかけてじっくり醸成されてきたことを考えると、「良い学校」を急ごしらえしようとすること自体、おこがましいことだと考えているからです。

もう一つは、塾・予備校の立場で学校をつくると、公平性・中立性を失ってしまうからです。自分が学校を運営していると、そこに塾生を送りたくなるのが人情というものです。そうなると、「生徒の希望進路を実現する」という本来の目的を見失いかねません。あくまで予備校・進学塾というスタンスを守りながら、できることを探るべきで、学校運営は軽々しく立ち入ってはいけない領域だと考えています。

新しい学校をつくるよりも、今ある学校のお手伝いをすること。あるいは、今ある学校に子どもたちをマッチングさせることに力を入れたい。

「校風や伝統はそう簡単に醸成できるものではない」とは、裏を返せば、校風や伝統を抜きにして、その学校を語ることはできないということです。

学校の校風や伝統というものは、一朝一夕でつくれるものではないからこそ、「そこをもっと大切にしたほうがいいのではないか」というのが、メッセージの一つです。

高宮 敏郎 SAPIX YOZEMI GROUP共同代表

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