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在宅診療それとも施設診療?クリニック開業構想…何に重きを置いたコンセプトを手がけるべきか

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月4日 8時15分

在宅診療それとも施設診療?クリニック開業構想…何に重きを置いたコンセプトを手がけるべきか

(画像はイメージです/PIXTA)

開業を考え始めた際の初期の構想段階において重要となるのがコンセプトづくりです。どこに重きを置いてクリニックの開業を考えるべきでしょうか。開業前に決めておきたいクリニック運営のポイントについて解説します。

5人の医師で1,000人の患者を診る

クリニックを開業することを考えるにあたり、何人ぐらいの医師がいればスムーズなクリニックの運営が可能でしょうか。

筆者自身の経験則としては、5人程度が最も能率的かつ内部のコミュニケーションが取りやすい体制だと考えます。5人の医師で個人宅・施設患者含めて1,000人の患者さんを診るのが、最適なバランスではないかと考えています。

もし、各地で訪問診療を展開するのであれば、上記のような診療体制を1つのユニットとして考えるのがよいでしょう。大人数のスタッフで専門性のある医療を持続的に提供するという形は、これからの在宅医療を考えるうえでとても重要です。

私の場合、自身にゆかりのある地で開業していきました。現在は群馬県太田市を中心に7カ所でクリニックを展開しています。今後もこの形でクリニックを各地に広げていこうと考えています。

訪問診療のクリニックを開業する際、医師が自分1人で行うのか、あるいは複数人で行うのかで運営スタイルは大きく異なります。

首都圏のクリニックの場合

昨今の訪問診療を語るうえでは避けては通れないのが、東京など大都市圏でのクリニック運営です。資本をたくさん持っているグループが全国各地にクリニックを展開しているケースが該当します。

ホームページをのぞくと常勤医師は1~2名にとどまり、あとは非常勤医師で運営されていると推察されます。現在は急速に数を増やしています。

とあるグループは全国に60~70カ所ものクリニックを展開しており、こうしたグループは現在、全国的な広がりを見せています。

医師の人数が多ければいいわけではない

クリニックのコンセプトは3つに大別されます。

1つ目は医師1人体制で1人ひとりの患者さんとの絆を大切に、身を粉にして働くのか。2つ目は資本のあるグループのオーナーが運営する医院で「雇われ院長」になるのか。3つ目は一般の外来診療で開業し、プラスアルファで在宅患者さんを10~20人と診ていくのか。

複数人の医師で開業するのであれば、医師もどんどん増やすことで、きちんと休みを取りつつ、患者さんを診ることができるわけです。しかし、あまりに大人数になってくると、やはり多くの人たちをまとめていく難しさが出てきます。

もちろん、人数が多いとまとめる難しさはあるものの、楽しみもあります。これは私が日々チームで訪問診療を行うことで感じている点です。ある程度の人数で、そこで共通の理念や価値観、あるいはミッションなどを共有し、みんなで協力しながら仕事をするということは、自分たちの生活にも張り合いが出て、生き生きと働くことができます。

それが患者さんの療養生活の充実にもつながっているのではないかと考えています。

個人宅か施設かでコンセプトが変わってくる

個人宅の患者さんを中心とするのか、あるいは施設の患者さんを主体にするのか、という点でもコンセプトは異なってきます。

個人宅も施設もそれぞれメリット・デメリットがありますので、どちらを主体にするのか、ということを計画段階からきちんと固めておく必要があります。

もし、1人で訪問診療をしている方が病に倒れた場合や医師を引退するということになった場合、引き継げるような体制をあらかじめ作っておくべきでしょう。

1人で開業する場合は、ほとんどの方が個人事業として開業することを選ばれるかと思います。個人事業の場合は、事業主である医師が亡くなる、または引退すると、そのまま事業は解散となり、引き継ぐことはできません。

また、事業規模が大きくなるにつれて、医療法人や一般社団法人に法人化することを選ぶかたもいらっしゃいます。その際には、開業した医師が理事長になることがほとんどかと思います。しかし、その方がもし引退したり、もしものことがあったりした場合は、違う人に理事長を引き継いでもらうことができれば、クリニックとしては存続していくことになります。

そう考えると、法人化した方が事業承継するのが容易なように思えますが、デメリットもあります。もし後継者が見つからず、法人が解散ということになると、法人の持ち物はすべて国庫に帰属、つまり国のものとなってしまいます。

そのため、もし自身の持っているクリニックの土地や建物を個人の持ち物として維持したい、お子さんが医師ではないため、後継者にはなれないというような方の場合は、個人事業として継続していくことをおすすめします。

野末 睦 医師、医療法人 あい友会  理事長

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