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人生、終わったよ…「退職金2,400万円」「貯金3,000万円」60歳定年退職のおひとり様男性、第2の人生を謳歌するつもりが突然の終焉。きっかけは「SNSのダイレクトメッセージ」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月3日 8時15分

人生、終わったよ…「退職金2,400万円」「貯金3,000万円」60歳定年退職のおひとり様男性、第2の人生を謳歌するつもりが突然の終焉。きっかけは「SNSのダイレクトメッセージ」

(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの企業で60歳で定年を迎えますが、そこで仕事を辞められるのは、金銭的な不安がないから。定年退職は、もはや、それだけで勝ち組といえるでしょう。さらに新たな出会いで「人生最高潮!」と浮かれ気分の人もいるようです。

定年を迎えたおひとり様男性が、仕事を辞める決断ができたワケ

厚生労働省『令和4年就労条件総合調査結果の概況』によると、定年制を定めている企業は94.4%。定年制のある企業のうち一律に定年制を定めている企業は96.9%で、そのうち定年を60歳とする企業は72.3%、65歳とする企業は21.1%。昨今は法改正により、60歳以降も働きやすい環境が整備されていますが、働き続けるか、それとも仕事を辞めるか……60歳を前に人生の大きな選択を迫られているサラリーマンが7割弱にもなるということになります。

大学を卒業して以来勤めていた会社で定年を迎えた山本壮介さん(仮名・60歳)は、会社を辞める選択をしたひとり。「もしかしたら、新たに仕事を始めるかも」といいますが、40年弱勤めた会社、いったんはリセットして、第2の人生を謳歌したい、という気持ちが強かったといいます。

このような決断ができた理由は2つ。まずは将来に対して金銭的な不安がなかったこと。山本さんが定年時にもらえる退職金は、2,400万円。厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、退職給付制度がある企業の割合は74.9%。また大卒で勤続35年以上の定年退職者の平均退職給付額は2,037万円。山本さん、平均以上の退職金を手にすることができました。

さらに貯蓄は預貯金や株式などを合わせて3,000万円ほど。老後は年金のほか2,000万円が必要とよく耳にしますが、それは夫婦の場合。山本さんは独身であり、いわれている以上の蓄えがあるわけです。しかも住まいのマンションは持ち家。ローンの返済も終えています。老後に向けては完璧といえるほど万全なのです。

もうひとつの理由が、前述のとおり独身であること。仕事を続けるか続けないかは自分次第。すべての選択を自分で決められるのは独身者の強みだといいます。

――別に1人がよかったというわけではないんですが、中学校から男子校で、大学は理工系、職場は男性が多い研究職……積極的に相手を求めなければ、結婚は難しい環境だったんです

一生独身を覚悟していたが…突然、春が来た!

結婚願望がなかったわけではありませんが、ひとりで生きていく準備を完璧にこなしていた山本さん。定年を迎え、今までにない解放感を味わっていたようですが、それ以上に「人生最高潮!」と浮かれ気分だったといいます。実は定年前によい出会いがあったのだとか。きっかけはSNSのダイレクトメッセージ。外国人女性からのメッセージで、少したどたどしい日本語だったといいます。

今度、日本に来ることになったという30代女性。その前に日本のことを知りたくて、気になった日本人にメッセージを送った……というものでした。可愛らしい女性で好印象だったといいます。その後、数週間にわたり、彼女とのメッセージのやり取りが続き、山本さんは彼女に対して強い感情を抱くようになります。彼女は「あなたは特別な人」といい、ネット上の関係ではありますがどんどん親密になっていったといいます。

その後、ウェブで顔を合わせて話をすることに。写真と同じく可愛らしい外国人女性が目の前にいました。山本さん、自身の気持ちを抑えることはできず、告白をしたそう。返事はOK。直接会ったことはありませんが、久々の女性との交際。テンションは爆上がりです。

ある日、彼女から「家族が重い病気にかかっているため、治療費が必要だ」との連絡が入ります。彼女は金銭的な支援を求め、山本さんは最初は少額を送金します。その後、彼女は「送金したお金が必要な手続きに使われたが、さらに追加の費用が必要だ」といい、再度金銭を要求します。山本さんは彼女の言葉に心を動かされ、再び送金します。

――彼女は自分(山本さん)に信頼を寄せているからこそ、お金の支援を求めてきた

そう考えていたそうです。そんなやり取りが幾度となく行われたあと、ある日突然、彼女からの連絡が途絶えます。山本さんは彼女に連絡を試みますが応答がなくなり……詐欺に遭ったことを理解し始めたといいます。

――まだ詐欺と決まったわけではありませんが……2,000万円くらいは送金したかな

久々の恋愛が詐欺だとは認めたくない山本さん。警察庁の調査によると、2024年の11ヵ月間で、警察が認知したロマンス詐欺の件数は3,326件件で、被害総額は約346.4億に達しました。ただ、それは氷山の一角。山本さんのように詐欺だと認めないケースや、詐欺とも思っていないケースも相当数いると考えられています。

退職金をほぼ使い果たしてしまった山本さん。貯蓄額から考えるとまだまだ余裕はありますが、「もう人生は終わったよ……」と失恋の痛手は相当なもの。しばらくは立ち直れそうもないといいます。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年就労条件総合調査結果の概況』

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査結果の概況』

警察庁『令和6年11月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について』

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