1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

バカにしているのか!〈年金月18万円〉元教師の79歳父「口コミ評価5つ星」の老人ホームに入居も、わずか2ヵ月で退去を決めたワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月4日 5時15分

バカにしているのか!〈年金月18万円〉元教師の79歳父「口コミ評価5つ星」の老人ホームに入居も、わずか2ヵ月で退去を決めたワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者にとって安心・安全な住まいとして有力な選択肢になる老人ホーム。ひと昔は「姥捨て山」というイメージでしたが、昨今は、特色ある施設が増え、ホテルライクな生活が叶うホームも。なかには「人生最後の贅沢」と、身の丈以上のホームを選択する人もいるとか。ただ全員が「大満足」というわけではないようです。

家事力のない父を心配する子どもたち「老人ホーム」を勧める

50年以上連れ添った妻・紀子さん(享年77歳)を亡くした清水勇さん(仮名・79歳)。お互い教壇に立ち続け、紀子さんが定年を迎えたあとは、静かな郊外で穏やかな生活を送っていました。日中は読書やピアノ演奏、愛犬との散歩を楽しみ、夜は紀子さんの手料理を味わいながら、たまにワインを楽しむ……そんな毎日だったとか。子どもたちも近くに住んでおり、孫を連れて遊びに来てくれることを何よりも心待ちにしていたといいます。

しかし、半年前に紀子さんが他界し、勇さんは深い悲しみに沈みました。子どもたちが心配したのは、家事全般を母(紀子さん)にまかせていた父(勇さん)が、この先、ひとりで生活していけるのか。たびたび家に訪れては、今後の生活について何度も尋ねてきたといいます。勇さんは「一人でやっていく」と答えるばかりでした。子どもからの細かい指摘に対し、感情的になり「構わないでくれ!」と叫んでしまうこともありました。

それでも子どもたちはたびたび家を訪れては、いろいろな提案をしてきます。「同居をしない?」「お手伝いさんを雇ってみたら?」……そして「老人ホームはどうかな?」

今どきの老人ホームはロケーション自慢だったり、料理自慢だったりと、ひと昔のイメージとは違うらしいというのです。勇さん、少し興味が湧き、まずはインターネットでどのような老人ホームがあるのか、子どもたちと検索してみました。そこで気になったのが「ホスピタリティが自慢の老人ホーム」というもの。いくつかの老人ホームが紹介されていましたが、そのなかに自宅から車で1時間もかからない距離のホームがありました。口コミ評価は5つ星。写真をみてみると、リゾートホテルのような設備が整い、入居金もそれなり。月額費用は28万円と、これもまた高額です。「安心して暮らせることが最優先」と、見学予約を申し込み、子どもたちと見学に行くことに。

建物は新しく、緑豊かなロケーションに魅力を感じました。居室も広々としていて、暮らしやすそうです。何よりも、見学時の対応が丁寧で好感をもったといいます。懸念だった費用も、月20万円ほどの年金と貯蓄で何とか払うことはできる……と思い切って入居を決断しました。

さすが「口コミ5つ星」のホスピタリティだったが…

入居後、やはり感じたのはスタッフの丁寧な対応。口コミ5つ星はうそではありませんでした。また食事は3食とも選べるレストランがあり、何よりも常にキレイに整えられた庭を気に入ったといいます。「ここを選んでよかった……」。ホームでの生活は、上々の滑り出しでした。

しかし1週間ほど経つと、丁寧なスタッフの対応が煩わしくなってきました。ことあるごとに声を掛けられ、居室にいるときでさえ、「大丈夫ですか?」「困ったことはありませんか?」と扉を開けられます。監視されている……そんな気もしてきてストレスを覚えるようになったといいます。また要介護の入居者も多いからか、言葉遣いも過剰に丁寧。どこか子ども扱いされている気さえしてきます。勇さん、少々いら立ち、一度「バカにしているのか!」と声を荒らげてしまい、自己嫌悪に陥ったことも。

せめて頻繁な声掛けはやめてもらえないかとお願いしてみたところ、施設長からは「安否確認は必要な業務です」といわれ、要望を聞き入れてもらえず。ストレスは募るばかりです。結局、ホームとの相性が悪かったと諦め、わずか2ヵ月で退去を決めたといいます。

株式会社LIFULL seniorが1年以内に家族または親族が介護施設に入居した方を対象に行った『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』によると、介護施設への入居を検討した時期としては、入居前の半年以内が50%で、また半数以上が2ヵ所以内の見学で入居を決めています。

また施設を検討する際に金額や立地以外で重視したものを聞いたところ、最も多かったのが「入居者、スタッフの雰囲気」で37.1%。「医療サービス体制」36.3%、「空室状況」32.1%、「提供しているサービス内容」30.7%と続きます。

勇さんも検討時に気に入ったのは「入居者、スタッフの雰囲気」でした。しかし実際に住んでみると、当初受けた印象とは違ったということはよくある話で、一度決めた老人ホームを退去することも珍しくありません。その場合、もし戻る自宅がないと、退去期限までに次の転居先を決めなければならず、再び不本意な結果になることも。老人ホーム入居において、自宅の売却タイミングが意外に重要なポイントです。

[参考資料]

株式会社LIFULL senior『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください