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親のお金を「介護費用」に使うのは親不孝なのでは…親の介護がうまくいかない3つの理由【安藤なつが介護ジャーナリストに聞く】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月9日 9時45分

親のお金を「介護費用」に使うのは親不孝なのでは…親の介護がうまくいかない3つの理由【安藤なつが介護ジャーナリストに聞く】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「親の介護にどれくらいお金がかかるのか」「そのお金は誰が負担すべきなのか」といった悩みは、誰しも一度は直面するもの。効率的な介護費用の管理方法や、役立つ制度についてみていきましょう。介護ジャーナリストの太田差惠子氏と芸人の安藤なつ氏による共著『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より、詳しく解説します。

〈登場人物紹介〉

●安藤なつ…介護歴約20年。現場のことはある程度わかるけれど、制度やお金のことについて詳しく知りたい。

●太田差惠子…取材歴30年以上の「介護とお金」に詳しい介護ジャーナリスト。費用を抑えるための介護制度や、プロの手の借り方について解説。

「3つのない」で介護がうまくいかなくなる

CHECK!

□介護のお金は親のお金を使う

□介護に親のお金を使うことに罪悪感を抱く必要はなし

安藤:子どもが親の介護をサポートするためのサービスの利用や、高齢者施設のことなどはわかってきたのですが、実際介護にいくらかかるのか、お金についてもう少し詳しく知りたいです。

太田:そうですね。まず、大前提として「親の介護は親のお金で」と、覚えてください。

安藤:はい。冒頭でもそう理解したので、わかっているのですが、やっぱり援助しないと“親不孝なのでは……”と罪悪感を抱く人が多いと思うのですが……。

太田:もちろん、資金に余裕がある人でしたら援助することに問題はないと思います。

ただ、介護は子育てと違って何年後に終わる、と区切りが決まっていません。1回あたりが少額な負担だとしても、それが何十年も続くとしたらその費用は大きなものになります。

それに、介護サービスは、あくまで支援や介護が必要になった「親」が必要で受けるもの。生活を続けるために必要な生活費の一部と考えれば、親が自分でお金を出すのは当然なことだと思います。

安藤:確かに……。元気なときは、資金援助していなかったのに、介護の費用は子どもが出さないと悪いと感じるのは違和感がありますね。

太田:子どもの役割は、親のお金が正しく使われるように、マネジメントをするということなんですよ。

安藤:親のお金が正しく使われる……。うーーんイメージが。

太田:よく、私がお話ししているのは、「3つのない」ではうまくいかないということです。

まず1つ目は、どの(誰の)お金で介護をするのか計画をしていない。これは先ほどお伝えした通り、介護は親のお金を使うということを基本ルールとしてください。

2つ目は、どんなお金がかかるのかを知らない介護サービスの費用やそれ以外にどんな費用がかかるのか、施設へ入居することになれば、その負担がどのくらいになるのかを知ることです。こういった情報を整理していくのは、子どものほうが得意なのではないでしょうか。

安藤:確かに! 情報収集したり、整理したりは子どものほうが絶対向いていますよね。

太田:3つ目は、介護費用を軽減するための制度を知らない

安藤:軽減するための制度。それは重要ですね

「いくらかかるか」ではなく「いくらまでかけられるか」

CHECK! □介護サービスの利用は予算の範囲内で考えること □一般的な費用はあくまで目安。実際にかかる費用は人それぞれ

安藤:どんなお金がかかるかを知るために、介護にかかる費用の目安などがあれば知りたいのですが、そういった金額ってわかるものですか?

太田:そうですね。よく介護にかかる費用として登場するのは、生命保険文化センターの調査結果です。1ヵ月にかかる費用の平均は8万3,000円で、在宅介護の場合は4万8,000円。施設介護では12万2,000円です。

安藤:施設だと在宅の2倍以上なんですね~。やっぱり施設はお金がかかるということでしょうか?

太田:そう思う方がほとんどだと思います。ですが、この費用はあくまでも参考程度と考えてください。

その理由は、施設の費用は、家賃にあたる費用も含まれているので在宅介護より費用が増えるのは当然です。たとえばという話になりますが、賃貸物件で家賃を支払いながら、在宅介護サービスの利用をしていた親が、施設へ入居したらどうなるでしょう。特養だとすれば入居するほうが安くなるケースもあります。その人が置かれている状況にもよるので、一概に高い安いとはいえません

安藤:なるほど~。なんだか複雑ですね。

太田:そうなんです。介護には100人いれば、100通りのケースがあり、かかる費用も人それぞれのため、一般的にいわれている金額が必ずしも自分の親に当てはまるとは限りません。介護にかかる費用で大切なことは、「いくらかかるのか?」ではなく「いくらまでかけられるのか?」ということ。

安藤:いくらまでかけられる?

太田:つまり、親の収入や資産でまかなえる範囲で利用できるサービスの利用を考えようということです。下記を確認し、「いくらまでかけられるか」をきちんと精査することができれば、その範囲内でのサービス利用を考えることで、「お金が足りなくなった!」という悲劇を避けることができます。

安藤 なつ メイプル超合金 ヘルパー2級(介護職員初任者研修)

太田 差惠子 介護・暮らしジャーナリスト

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