1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

いい加減にしろよ、おっさん…〈年金月21万円〉65歳・元エリートサラリーマン、〈時給1,580円〉の居酒屋で先輩アルバイターから激詰め。プライド捨てても週5勤務を続けるワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月6日 6時45分

いい加減にしろよ、おっさん…〈年金月21万円〉65歳・元エリートサラリーマン、〈時給1,580円〉の居酒屋で先輩アルバイターから激詰め。プライド捨てても週5勤務を続けるワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

「健康寿命」は2022年の推計で女性が75.45歳、男性が72.57歳。いわゆる老後といわれる期間がどんどん長くなっていくなか、定年後は穏やかにゆっくりと過ごすか、それともいつまでも現役時代のようにアグレッシブに生きるか、全サラリーマンの課題かもしれません。

30代の先輩アルバイトに叱責される65歳元エリート

居酒屋で週5のペースで働いている山中誠さん(仮名・65歳)。働いているスタッフは若い人ばかりのなか、少々異彩を放つ存在です。もしや店長かオーナー? 「いえ、アルバイトです」とのこと。「この年になると、未経験者で働けるのは人手不足がヒドイ業界に限られますね」と笑います。

日本銀行『全国企業短期経済観測調査(短観)(2024年12月調査全容)』によると、雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、全産業で-36。最も人手不足感がないのは「電気機械業」で▲10。一方で人手不足感が深刻なのは「宿泊・飲食サービス業」で▲66。確かに、山中さんのいうとおりです。

居酒屋でアルバイトを始めて半年ほどだといいますが、今でもミスをして先輩アルバイターから叱責を受けることも。先日もレジを担当していたものの、レジで不足が発生。原因はわかりませんが、担当していた山中さんの釣銭の渡し間違いが濃厚。ひどく怒られたあと、30代の先輩アルバイターは「いい加減にしろよ、おっさん」と吐き捨てていってしまったといいます。

――この日は特にスタッフが少なくて、忙しかったんですよ。みんなイライラしていて

――普段は仲良くしてくれているんですよ、こんなじじいでも、仕事終わりにカラオケに誘ってくれたり(笑)

時給は1,580円。繁華街の居酒屋だけあり、時給は結構な金額です。山中さんはこの居酒屋バイトを週5でこなし、月19万円。手取りにすると15万円ほどだといいます。

さらに山中さん、月21万円強の年金(基礎年金+厚生年金)ももらっているのだとか。話を聞くと、60歳まで誰もが知る有名企業で働き、部長まで務めた元エリートサラリーマン。最高月収は90万円ほど、退職金は3,800万円ほど手にしたといいます。それでも居酒屋でアルバイトは……借金でも?

――借金はないですよ(笑)

増加するシニア起業。開業職種で人気は「飲食」

山中さんは60歳定年で仕事を辞め、友人とともに起業。始めたのは飲食店でした。

――ちょうどインバウンドで、いい感じだったから。「ザ・居酒屋」みたいな店ならいけるかなと思ったんですよね

ただ開店から間もなくコロナ禍となり、やむなく閉店。そのときの負債はお互い退職金などで清算したといいます。しかしコロナ禍があけ、不完全燃焼だった起業への挑戦にまた火がつきます。ただ最初の起業はあまりに安易だったと反省し、“修業”として居酒屋でアルバイトをしているのだとか。

――息子たちと同じくらいの年齢の子たちに叱責される日々ですから……自信喪失ですよ(笑)

プライドを捨ててでも居酒屋バイトを続けるのは、再度、起業に挑戦したいという思いから。友人も同じように別業態の飲食店でアルバイト中。以前は安易に考えていた飲食店経営ですが、もっと綿密な計画のもと、再度出店を目指しています。

株式会社アントレによると、2023年の新設法人は約15万人。個人・法人の割合では、個人が85.2%を占め、年齢では「50代」が35.0%と最多。続いて「40代」が29.6%、「30代」が16.0%。「60代」も15.9%と、シニア起業は珍しいものではありません。

開業職種としては「飲食」が9.3%と最多。「IT・通信・携帯電話」が8.2%、「移動販売・宅配・テイクアウト」が7.7%、「運送・配送」が7.6%、「リサイクル・リフォーム」が7.3%、「雑貨・インテリア・アパレル」が7.2%と続きます。

――妻は呆れかえっていますが、「やりたいことがあるならやれば」といってくれています。あっちも好きなことができて都合がいいんだと思いますが

内閣府『令和6年版高齢社会白書』によると、「65~69歳」の就業率は53.5%。「70~74歳」で34.5%、「75歳以上」で11.5%です。高齢者の3割が「家計にゆとりがない」というなか「生活のために働いている」という人は多いでしょう。一方で「老後を豊かに過ごすために働いている」という人も一定数います。

年金を受け取る年齢になっても、起業を目指す山中さん。その姿勢を羨ましく思うか、無謀と思うかは人それぞれでしょうか。

[関連職種]

日本銀行『全国企業短期経済観測調査(短観)(2024年12月調査全容)』

内閣府『令和6年版高齢社会白書』

株式会社アントレ『【2024上半期まとめ】23年の新設法人が15万人!シニア層に起業拡大 アントレ独自調査でもシニアが活況、50代の会員率が過去最多を更新』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください