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会社を設立・運営するのであれば知っておきたい「専門家ネットワーク」を持つ重要性【司法書士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月20日 8時10分

会社を設立・運営するのであれば知っておきたい「専門家ネットワーク」を持つ重要性【司法書士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

会社を運営するうえでは、さまざまな課題に直面します。士業やコンサルタントといった各種専門家と関係を築き、いつでも相談できる体制を持つことは、会社の持続的成長を実現する秘訣です。会社を設立・運営するのであれば知っておきたい「専門家ネットワーク」の重要性や構築方法、活用の仕方について、設立支援実績1,000社以上の加陽麻里布氏(司法書士法人永田町事務所 代表)が解説します。

継続的な専門家ネットワークの価値

企業経営は、設立直後の基盤作りから事業拡大、さらには新しい課題への対応まで、多岐にわたる取り組みを必要とします。そのなかで、専門家のネットワークを構築し、経営におけるさまざまな局面で支援を受けられる体制を整えることは、企業の成長において極めて重要です。

まずは継続的な専門家ネットワークを持つことの価値を確認しましょう。

・経営の安定化

トラブルや課題に迅速かつ適切に対応するための体制が整い、経営リスクを大幅に軽減できます。

・成長を支える基盤

専門家からの助言や提案は、事業の拡大や新たな挑戦を後押しします。短期的な解決だけでなく、長期的な視点で経営の質を高めるサポートを受けられます。

・信頼の構築

投資家や取引先に対して専門家との連携を示すことで、企業としての信頼性と安定感をアピールできます。

・コストと時間の最適化

新しい専門家を探す手間が省け、問題解決が迅速化するため、コストパフォーマンスが向上します。

専門家ネットワークを活用すべき場面

●法務関連:安心の土台作り

・司法書士:商業登記や会社設立、株主総会の運営をサポート。役員変更や増資など、会社運営に必要な手続きに対応

・弁護士:契約書の作成・レビュー、取引トラブルの解決、コンプライアンスの強化

●税務と財務:資金管理の効率化

・税理士:法人税、消費税、所得税の申告業務から節税対策、資金繰りの改善

・経営コンサルタント:財務データを基にした経営戦略の立案、事業計画の作成支援

●労務管理:トラブル回避と職場環境改善

・社会保険労務士:就業規則の作成、労働保険・社会保険の手続き。労務トラブル防止策の提案

●知的財産と技術保護:競争力の強化

・弁理士:特許、商標、意匠などの知的財産権の取得と保護。新規技術や製品の権利化を支援

●許認可申請:新規事業の立ち上げをサポート

・行政書士:建設業や飲食業などの許認可手続き。補助金・助成金の申請サポート

●デジタル化:現代経営の必須課題

・ITコンサルタント:業務効率化ツールの導入、ITインフラの整備、セキュリティ対策

専門家ネットワークを構築するステップ

専門家ネットワークを構築する手順は次のとおりです。

(1)自社の課題を明確にする

現在の経営課題や今後の目標を洗い出し、それに対応できる専門家を特定します。

例)新規事業の立ち上げで許認可を取得するなら行政書士。これに伴い、知的財産の保護を進めるなら弁理士。

(2)紹介や実績で信頼できる専門家を選ぶ

他の経営者や取引先からの紹介、または過去の実績を基に信頼できる専門家を探します。

〈チェックポイント〉

・対応の迅速さ

・コミュニケーション能力

・自社の業界や事業内容への理解

(3)定期的な情報共有を行う

一度依頼したあとも定期的にミーティングを設け、会社の状況や課題を共有しましょう。これにより、専門家がより的確なサポートを提供できるようになります。

(4)複数の専門家を連携させる

各分野の専門家が連携することで、より包括的なサポートが可能になります。

例)

・税理士と社労士が連携し、労務費の最適化を提案する

・弁護士と弁理士が協力し、契約書に知的財産権保護条項を追加する

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【継続的なネットワーク構築の成功事例】

事例1)複数の専門家連携でスムーズな事業拡大

⇒新規事業を立ち上げるため、許認可申請や登記変更が必要となった(=課題の洗い出し)。そこで、許認可申請は行政書士に、登記変更は司法書士にそれぞれ担当してもらい、税理士の資金計画サポートを受けることに。成果として、許認可や登記はスムーズに進行し、予定どおりの事業開始が実現した。

事例2)専門家ネットワークの活用でトラブルを未然に防ぐ

⇒取引先との契約内容が曖昧で、トラブルが懸念される(=課題の洗い出し)。そこで弁護士が契約書を精査し、リスクのある条項を修正。これにより、トラブルを事前に防止し、安心して取引を継続できる環境になった。

事例3)デジタル化で業務効率を大幅改善

⇒業務プロセスのデジタル化が遅れており、生産性が低下していた(=課題の洗い出し)。この課題に対応するため、ITコンサルタントが業務フローを分析し、クラウド会計ツールを導入することに。成果として作業時間が30%削減され、業務効率が大幅に向上した。

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専門家ネットワークが経営者にもたらす安心感

・緊急時に頼れる安心感:突発的な問題が発生しても専門家が迅速に対応してくれるため、精神的な負担が軽減されます。

・長期的な成長を支える基盤:事業が拡大しても、常に専門家のサポートを受けられるため、安定的な成長が実現します。

・経営者の負担軽減:難解な問題を専門家にまかせることで、経営者が本来の業務や戦略に集中できます。

継続的な専門家ネットワークは、経営の安定と成長を支える大切な基盤です。単発的な依頼ではなく、長期的に信頼できる専門家との関係を築くことで、リスクの回避、問題解決の迅速化、さらには事業拡大をスムーズに進める環境を整えることができます。未来を見据えた強固なネットワークを構築し、ビジネスを次のステージへ押し上げましょう。

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所 代表司法書士

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