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〈年金月21万円〉〈退職金1,800万円〉の65歳男性、穏やかな老後のはずが波乱の幕開け…原因は「東京で働く娘」の鬼畜すぎる恋人

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 5時15分

〈年金月21万円〉〈退職金1,800万円〉の65歳男性、穏やかな老後のはずが波乱の幕開け…原因は「東京で働く娘」の鬼畜すぎる恋人

(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもが大学を卒業し、長かった子育てもひと段落。底なし沼のようにかかる教育費の心配もなくなり、あとは資産形成のスピードを加速させるだけ……そんな人も多いでしょう。しかしひと段落した「子どものための出費」が思いもしない形で返ってくることもあるようです。

社会人になった長女から1本の電話、衝撃的な内容

斉藤隆さん(仮名・65歳)。30年弱勤めた会社を60歳で定年。その後、再雇用制度で契約社員として働き、年金を受け取る65歳で完全引退を果たしたといいます。

現在、妻とふたり暮らし。3人いる子どもはいずれも大学を卒業。住宅ローンも完済しました。やりくり上手の妻・裕子さんは、コツコツと貯金をしてその額、3,000万円。60歳の定年時に受け取った退職金は1,800万円ほどあります。また65歳から受け取れる年金は基礎年金と合わせて月21.5万円。3歳年下の裕子さんも、月13万円ほどの年金をもらえる予定です。贅沢三昧とはいきませんが、夫婦ふたり、悠々自適に生きていくには十分だと考えていました。

一方、会社の規定が変わり、働いていた会社では70歳まで働けることになったといい、同年代のおよそ3割は、引き続き65歳以降も働いています。老後の生活にお金の不安を残す人もいれば、生きがいのためという人、健康のためという人……働く理由は人それぞれですが、そのようななか斉藤さんは「もう十分頑張った。あとは夫婦でゆっくりと過ごそう」と現役引退を決めました。とりあえず、これまで支えてくれた妻の労いも込めて、ちょっと長めに海外旅行でも行こうかなと計画中。たくさんのパンフレットをもらってきて、思いを膨らませていたといいます。

しかし、穏やかに始まった老後に、一気に波乱に満ちる出来事が勃発します。

ある日、東京で働く長女から電話。長女は、大学を卒業し希望していた会社に就職。毎日忙しく働いているようで、ほかの子どもたちは週に1回ほど連絡をしてくるといいますが、長女は月に1回あるかないか。あまりに連絡がないため、親から電話をすることも多かったとか。「社会人になったばかりで忙しくしているんだろう」と思っていたといいます。

――長女から電話をしてくるなんて……珍しい

そう思いながら電話に出ると、どうも様子がおかしい。泣いている……? なかなか次の言葉が出てこない長女。待っていると、衝撃的なことを言い出したといいます。

――ごめんなさい、お金を貸してほしい。500万円……

すべてはホストの彼のため…500万円貸してほしい

厚生労働省の調査によると、大学新卒の給与は平均月23.7万円。手取りにすると18万円ほどです。何かと物価の高い東京でのひとり暮らし。お金が足りなくなるときもあるでしょう。それにしても「500万円を貸して」となると大問題。正当な理由があっても、すぐに貸せる金額ではありません。

――なぜ500万円もの大金が必要なのか?

理由を聞いても一向に話そうとしません。これ以上は埒が明かないと電話を切ろうとすると、「待って」「お願い」「ちゃんと話すから」と泣き叫ぶ長女。仕方なく、話す気になるまで、電話をつないだまま待っていると、観念したのか、ぽつりぽつり語りだしました。

・ホストと交際している

・彼を一番にしたいと頑張ったら払えないほどの売掛金に

・私が払わないと彼がクビになってしまう

高校では生徒会長に推薦されるほどの優等生だった長女。就職先も、いわゆる一流企業。自慢の娘でした。そんな長女がホストに貢ぎ、しかも交際している(と信じている)。「騙されているんじゃないのか」というと、「付き合っている」と主張するばかり。どうやら自分が利用されているのがわからないくらい、入れ込んでしまっているようです。

昨今、問題視されているホストクラブをはじめとした「売掛」。客の飲食代を店またはホスト等が一時的に立て替え、後日、返済してもらう、ツケ飲み。当然、後で払うといっているわけですから、返済する義務があります。しかし、無理やり売掛や借金をさせられた場合や、売掛の事実や金額を証明するものがない場合、客が未成年者であった場合など、返済不要なケースも。

またホストクラブでの高額な売掛金を返済させるために性風俗や売春などの仕事を紹介したり、恋愛感情などマインドコントロールの手法を用いてこれを紹介したりする事案も多く発生しています。これは職業安定法違反。警察庁の調査によると、近年、悪質ホストクラブに関する相談が急増。2023年は2,675件。2024年は10月末時点で2,362件の相談が寄せられています。また2023年1月から2024年6月に、検挙事件は83件発生。203人が検挙され、そのうち44%がホストでした。このような状況から規制を強化する動き、また業界内からも健全化を目指す動きが出ています。

――純粋な気持ちにつけこんで、500万円も借金をさせるなんて。鬼畜にもほどがある

娘が悪質ホストに利用された(だろう)斉藤さん。穏やかに老後が始まると思いきや、波乱の幕開け。まずは警察や弁護士に相談をすることから始めているといいます。

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

警察庁『ホストクラブ等の売掛金等に起因する事件等について』

警察庁『悪質ホストクラブ対策に関する報告書』

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