“同じ積立額”でも65歳時点で「1,770万円」もの差が…資産運用で差をつける“2つの決め手”【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月28日 8時15分
画像:PIXTA
自由で豊かな人生を実現するには、「一生働く覚悟」が求められる時代になりました。かつての夫が稼ぎ、妻が家庭を守るという「標準世帯」のモデルは過去のものとなり、公的年金の減少や教育費・住宅価格の高騰により、共働きや女性の経済的自立が不可欠となっています。ファイナンシャル・プランナーである中村芳子氏は、年収250万円、貯金ゼロでも、お金をコントロールする力があれば、共働きなら1億円、シングルでも4,500万円以上貯めることができると話します。中村氏の著書『女性が28歳までに知っておきたいお金の貯め方・ふやし方』(三笠書房)より一部抜粋・編集してお届けする本連載。本記事では、未来の目標を実現するための、分散と長期を意識した投資の始め方について解説します。
「長期の運用」でこんなに差がつく
添付のグラフを見てほしい。25歳から65歳までの40年間、毎年50万円積み立てるといくらになるか? 金利0%なら利息はつかないから2,000万円。3%なら3,770万円。約1,770万円の差! 同じ積立額でも結果はこんなに違う。平均6%で運用できれば7,738万円。
見てわかるとおり、運用期間が長くなればなるほど、わずか数%の金利の違いが大きな差になる。利息が利息を生む複利のパワーで、加速度的にお金がふえる。だから10年先、20年先の将来のためのお金は、少しでも高い利回りを目指したい。効率的にお金をふやせば、それだけ将来やりたいことを楽に、たくさん実現できるからだ。
では、高い利回りを得るにはどうすればいいのだろうか?
答えは「投資」。投資とは、「投資信託」や「株式」など、リスクはあるが大きなリターンが期待できる金融商品で運用すること。残念ながら金利の低い預金だけではお金はふえない。インフレ(物価が上がること)でお金が目減りする心配もある。
でも投資をすれば、インフレにも負けない高い利回りをねらえる。今から投資の腕を磨けば、3%や6%は難しくない!
投資のリスクを減らすには「分散」と「長期」が決め手
投資にはリスクがつきものだ。リスクとは、値段が動く幅やタイミングが正確に読めないことをいう。上がるぞ、と見込んで買った株の値段が期待と反対に動けば(値下がりすれば)損になる。期待どおりに動くと(値上がりすると)儲かる。つまり儲け(リターン)とリスクはコインの裏と表だ。
だが、投資はギャンブルとは違う。リスクを小さくする方法がある。「分散」と「長期」のふたつ。分けて買って長く持つ。
分散とは、まず種類を分ける。投資先の分散だ。
性格の違う、違う値動きをする複数の商品に分ければ、ひとつが値下がりしても、ほかが値上がりすれば、マイナスを小さくしたり全体でプラスにもっていける。たとえば「日本の株式」と「海外の債券」を組み合わせる、という具合。
ふたつ目は、買う時期を分ける時間の分散。たとえば、投資信託を一度にまとめて買うと、その後値下がりして損をする恐れがある。少額ずつ何回かに分けて買えば、値下がりしたとしても損が小さくなる。自動積立を使えばいい。NISAでできる。
次のカギは長期。短期間(数週間~数ヵ月)で儲けをねらうと、大損しやすい。安いときに買って高いときに売るというのは、簡単に思えて実は至難のワザ。1回目に10%、2回目に20%儲けても、3回目に30%損をすればトータルではマイナスになる(100万円→110万円→132万円→92万円)。
数年~数十年持ち続けてじっくり値上がりを待つ「長期投資」のスタンスなら、儲けのチャンスはぐんと大きくなる。だから、最低でも3年以上は使う予定のないお金で投資しよう。本格的に投資していいのは、5年以上先に使うお金だ。
そもそも投資の目的は、一時的に儲けることではなく、将来の資産をつくること。
ちょっと遠回りに思えるが、分散投資と長期投資でコンスタントにいい利回りを上げることが、最も効率的に資産をふやす道だ。
中村 芳子
ファイナンシャル・プランナー
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