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国になんて1円も残す気はない、死ぬまでに全部使い切るぞ!…資産8,000万円の60歳会社員、誰もが羨むリタイア生活に満面の笑みも、わずか8年後に老後破産危機へ転落したワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月20日 11時15分

国になんて1円も残す気はない、死ぬまでに全部使い切るぞ!…資産8,000万円の60歳会社員、誰もが羨むリタイア生活に満面の笑みも、わずか8年後に老後破産危機へ転落したワケ

老後資産の準備は多くの人が抱える課題です。一方で、資産は十分あり普通にしていれば一生安泰で暮らせるはずが、なぜか数年後にピンチに陥ってしまう……。こんなケースもあるようです。見ていきましょう。

世間の人はどれぐらい資産を持っている?

老後に向けてお金をしっかり準備しておくことは大切です。しかし、若い時には収入がなかなか上がらず、結婚・出産をすれば生活費や教育費、マイホームのローンを支払うなど、想像以上に貯金をすることは難しいものです。

では、世間の人はどれぐらい資産を保有しているのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、金融資産を保有している世帯の平均資産額は、単身世帯1,492万円、2人以上世帯で1,758万円。一方、中央値は単身世帯500万円、2人以上世帯715万円となっています。ここでいう資産には、預貯金のほか株式や投資信託、保険なども含まれます。

また、これを世帯主の年齢別で見ると、定年が近づく50代では平均値2,588万円、中央値745万円。60代では平均値2,588万円、1,200万円です。なお、著しく大きな数字があると平均値はそれに引っ張られて高くなるため、中央値も併せて見ることが必要です。

思ったより多いと思うか、少ないと思うかは人それぞれです。また、たとえ資産が多くてもローン返済を抱えている人などもいるでしょう。こうしたデータを見ると一喜一憂しがちですが、その意味はあまりないといえます。

また、仮に老後資金があきらかに十分な額であっても、お金の使い方や予期せぬ事態によって、危機に陥る可能性もあります。例えば、こんなケースです。

資産8,000万円「一生安泰だ」と60歳で退職

田中道夫さん(仮名)は、60歳の時に資産8,000万円を保有していました。内訳は退職金と預貯金、そして親からの相続分です。

田中さんはこれといった趣味もなく仕事に打ち込む人生を送ってきました。お金は自然と貯まり、相続も受けたため、気がつけば老後の心配はまずないという金額になっていたのです。

老後資金が足りないことに悩む人が多いところ、田中さんの場合はその逆で「どう使い切るか」ということに悩むようになりました。

独り身であり、ひとりっ子の田中さんは、資産を残す相手がいません。寄付しようという気持ちは一切なく、老人ホーム代として多少用意しておくにしても、今ある資産に加えて65歳になれば年金が入ってきます。

そのため、かなりの金額が余ってしまうのではないか。そう考えました。相続人がいない場合、財産は国庫に入ることになることは知っていました。

「そんなことになるなら、全部使い切らなきゃ損じゃないか」

そう思った田中さんは、60歳ジャストで仕事をきっぱり退職しました。そして、老後を心ゆくまで楽しむため、手始めに古くなり始めたマンションをフルリフォーム。家具も総入れ替えしました。車も「人生最後の買い替えだから」と憧れの高級外車を選びました。

そこでやめておけばよかったものの、これらの支出が田中さんの金銭感覚を狂わせることに。一度大きな金額を使うと、多少の支出は気にならなくなっていきました。

たった一人の入院、ようやく目が覚めた田中さんの後悔

贅沢な海外旅行に度々繰り出し、食料品も「遠慮なく美味しいものを食べよう」と、高級スーパーで買い物をするようになった田中さん。

8,000万円という資産は、田中さんにとって「1人では使っても使ってもなくならない金額」という感覚でした。しかし、実際には使った分、資産はどんどん減っていきます。しかも、60歳から65歳までの間は無収入。減るだけで増えることはありません。

そんな生活をするようになって8年経過し、田中さんが68歳になったころ、気がつけば「老人ホーム費用ぐらいは残しておこう」と思っていた資金まで使い込み、貯金は数百万円まで減っていました。

残高を気にしつつも生活レベルを下げることができず、「年金があるから、なんとかなる」と現実を見ないようにしていたのです。しかし、60歳で退職した田中さんの年金は月あたり12万円程度。カバーできる金額ではありません。

そんな折、体調を崩して入院することになった田中さん。身内がおらず、たった一人で病院で過ごす中で、自分がいつまで健康でいられるかわからない、長生きして医療費もたくさんかかるかもしれない、介護が必要になったらどうするのか? そんな不安に駆られることになりました。

夢のような生活からようやく目が覚めた田中さん。老後破産の危機を感じ、自宅や車の売却も視野に入れながら、老後をどう生きていくか考え直していると言います。

老後資金がいくら必要かは人それぞれ。また、意外と多いのが、田中さんのように十分な資金があるので安心して、危機的状況を迎えるケースです。どんな資産状況であれ、例外なく資金計画をしっかり立てることが大切といえるでしょう。

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