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父さんに似て賢いなあ…年収800万円、都内名門私大卒の46歳サラリーマン“愛するわが子のため”が大惨事に…41歳妻から突きつけられた「まさかの事実」に唖然【FPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月7日 11時15分

父さんに似て賢いなあ…年収800万円、都内名門私大卒の46歳サラリーマン“愛するわが子のため”が大惨事に…41歳妻から突きつけられた「まさかの事実」に唖然【FPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年の私立・国立受験者数は5万2,400名と、少子化傾向の日本においても中学受験する家庭は増え続けています。中学受験は親のサポートが必要なことから“親の受験”ともいわれますが、熱心なあまり行き過ぎてしまった結果“大惨事”を招くことも……。とある家族の事例をみていきましょう。2人の子どもを私立中学に通わせる石川亜希子AFPが解説します。※プライバシー配慮のため、個人情報を含む一部情報は加工しています。

息子を“一流”に…独断で「中学受験」をさせることにしたAさん

都内に暮らすAさん(46歳)は、妻Bさん(41歳)、長男Cくん(11歳)、長女Dちゃん(7歳)の4人家族です。Aさんの年収が800万円、Bさんの年収が200万円あり、世帯年収は約1,000万円あります。

Aさんは、地方の進学校から都内の名門私立大学へ進学し、現在は某メーカーで管理職をしています。子どものころから優秀だといわれ、周囲の期待にもしっかり応えてきた“優等生タイプ”です。そのため、自身にも「俺は学生のときから社会人のいまにいたるまで、努力を重ねて成果を出してきた」という強い自負があり、息子のCくんに対しても「努力して優秀になってほしい」との思いがありました。

必然的に「息子の将来のためには自分と同じような一流の学歴が必要だ」と考えたAさんは、息子を名門のX中に入れたいと、中学受験をさせることに。

「父さんは田舎に住んでいたから中学受験には縁がなかったが、Cは名門の中高一貫校がたくさんある東京に住んでるんだ。努力すれば必ずX中に合格できる。努力は裏切らないからな。X中に入れば、東大を目指せるぞ」

寝耳に水の息子はなにを言われているかわからない様子でしたが、Aさんは構わず、Cくんの肩を叩いてこう言いました。

「小5の夏」で急ブレーキ…思いどおりにいかず焦る父

Cくんは、おとなしくのんびりとした性格で、外で遊ぶよりも家のなかで本や図鑑を読んだり、工作したりすることが好きな少年です。しかし、親の言うことに反抗するタイプでもないため、Cくんはいわれるがまま、中学受験用の学習塾に通い始めました。

Aさんが低学年のころから「先取り学習」をさせていたこともあり、最初は上位の成績をキープできていたCくん。「うちの子は俺に似て賢いなあ」と、Aさんも満足気です。

ところが、小学5年生の夏ごろから、Cくんはテストで思うような成績を出せなくなっていきます。学力別に分けられているクラスも、ジリジリと下がっていきました。小学5年生の夏というのは、算数の内容がグッと難しくなる一方、中だるみしやすい時期でもあります。

クラスが下がったからといって、Cくんに奮起するような様子は見られません。

「まずい、こんなはずでは……」

Aさんがたどり着いた“まさかの結論”

だんだんと焦ってきたAさんは、次第にこう思うようになりました。

「Cはやればできるはずだ。これは、塾の指導に問題があるのではないか? 俺が教えたほうがよさそうだな」

そして、学校のあと塾で3時間の授業を受けて帰ってきたCくんに声をかけ、一緒に1日の復習をするようになったのでした。

しかし、朝から晩まで勉強漬けのCくんは、すでにヘトヘトです。また、Aさんも中学受験の経験がないため、中学入試問題の特殊な算数をうまく教えることができません。

「おいC、やる気あるのか! 努力が足りないんじゃないか!?」

フラストレーションが溜まったAさんは、思わず声を荒らげてしまいます。結局、親子の学習は思うように進みませんでした。

塾を増やした結果…毎月の教育費が恐ろしい金額に

学習塾に加え、自身でも息子の勉強をみるようになったにもかかわらず、Cくんの成績は下がったままです。そんな息子の状況にAさんはますます焦りを募らせました。

「このままじゃX中はおろか、滑り止めにしようと思っていたY中も怪しいかもな……」

そこでAさんは次なる手段として、Cくんが苦手としている算数だけ、別の個別指導塾へ通わせることにしました。A家の教育費は、娘Dちゃんの英会話教室の金額を合わせると、月約12万円に膨れ上がっています。

A家の月々の手取り額は、夫婦合わせて月50万円ほどです。ボーナスも合わせると赤字というわけではありませんが、住まいの住宅ローンの金利も上がり、これから先、私立中学へ進学した場合の教育費や老後資金のことを考えると、決して余裕があるとはいえません。

「このままだとお金が足りなくなるんじゃ……」

Aさんの頭に不安がよぎりましたが、背に腹は代えられないと、自分の小遣いを減らし、教育費を増やすことにしました。

しかし、放課後も休日もなくますます勉強漬けになったCくんは、その後もやる気がなさそうに見え、覇気がありません。成績は一向に上向かず、それと反比例してAさんの言葉による叱責はよりいっそう増えていきました。

「なんでこんな問題も解けないんだ!」「このままじゃ人生負け組だぞ!」「もっと努力しろ!」

Cくんは無表情のまま、なにも言い返しません。

妻のBさんが見かねてAさんをたしなめますが、Aさんは聞く耳を持たず、家庭の雰囲気も悪化する一方でした。

会社帰りのAさんを待ち受けていた「衝撃の事態」

秋めいてきたある金曜日の夜、Aさんが会社から帰ってくると、いつもついているはずの家の明かりがすべて消え、妻と子どもたちがいません。

「おい、どこにいる」

Aさんが大声を出しても、家はしんとしたままです。

ふとダイニングテーブルを見やると、1枚のメモが置いてありました。

――2~3日、子どもたちと出かけてきます。

「なっ……! こんな大事な時期になにをしているんだ!」

怒ったAさんはすぐに妻の携帯に電話をかけますが、何度かけてもまったくつながりません。

悶々とした週末を過ごしていると、2日後の日曜の夜、約束どおり妻のBさんが子どもたちを連れて帰ってきました。

妻の“ド正論”に撃沈

妻が帰ってきたらなんと言ってやろうか……。

あれこれ考えていたAさんでしたが、3人は家に着くなり、Aさんが言葉を発するよりも前にBさんが口を開きました。

Bさん「急に妻と子どもがいなくなって、どう思った? こんな1分1秒無駄にできない時期に、って思った? それとも、いったいなにがあったんだろう、って心配した?」

Aさん「無駄にしていい時間なんてあるわけないだろう」

Bさん「あなたがやってるのは『教育虐待』よ。愛するわが子のためじゃない。これ以上Cを傷つけることは許さないし、私たちがいないことを心配するより勉強の遅れが気になるんだったら、離婚を考えます」

Aさん「おい、なに言ってんだ……? CがX中に入学できなくてもいいのか? 勝ち組になれないぞ!?」

Bさん「ねえ、勝ち組ってなに? あなたみたいに、息子に寄り添えない父親になることなの? X中、X中って、自分の母校でもないくせにうるさいのよ!」

いろいろ言いたいことがあったはずのAさんでしたが、初めて見る妻の剣幕に、なにも言い返すことができませんでした。

中学受験は“撤退”…別人のように明るくなったCくん

その後、妻と息子と話し合った末、Cくんは中学受験を撤退することにしました。入試のためにいくつも掛け持っていた塾も辞め、Bさんが「好きなことをしなさい」と助言した結果、Cくんはプログラミング教室に通うことに。放課後自由に過ごせる時間も増え、無表情だったCくんにも笑顔が見られるようになりました。

ようやくわれに返ったAさんは、BさんとCくんに謝罪しましたが、あのとき以降、蚊帳の外です。

とはいえ、実際、経済的にもラクになったことはたしかです。さらにAさん自身、「CくんをX中に合格させなければ」という思い込みからも解かれ、重荷を下ろしたような、少しホッとしている自分にも気づきました。

親が子どもの成功を願うのは自然なことですが、その気持ちが行き過ぎてエスカレートしてしまうと、想定以上の費用がかかるほか、知らず知らずのうちに「教育虐待」へとつながってしまう可能性があります。

子どもの人生と自分の人生は別のものです。なぜ中学受験をするのか、子どもの気持ちを尊重できているか、常に意識していきたいものです。

石川 亜希子

AFP

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