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母の言うことなんて聞かなきゃよかった。月収68万円・実家暮らしの「47歳・勝ち組サラリーマン」、進学先も就職先も超一流、誰もが羨む人生だが…大後悔の理由

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月23日 5時15分

母の言うことなんて聞かなきゃよかった。月収68万円・実家暮らしの「47歳・勝ち組サラリーマン」、進学先も就職先も超一流、誰もが羨む人生だが…大後悔の理由

(※写真はイメージです/PIXTA)

進学や就職、結婚……きっかけはさまざまですが、ライフステージとあるタイミングで、多くの人は家を出ることを経験します。しかし最近は「実家暮らしの独身」が増加。そこにもさまざまな事情がありますが、なかには、知らず知らずに問題を抱えているケースもあるようです。

進学先を決めるのも、就職先を決めるのも、そこにあるのは「母親の影」

小林克哉さん(仮名・47歳)。勤務先はとある大手企業。小林さんは現在、課長職として忙しい日々を送っています。その経歴を語ると、多くの人が感嘆の声を漏らすでしょう。

中学受験をし、東大合格者ランキングでもお馴染みの中高一貫の男子校に入学。大学も国内トップクラスの一流大学に進学。大学院に進むか、それとも就職か、と悩みましたが、小林さんが選んだのは就職。大手企業でデータサイエンティストとして活躍し、現在はマネージャー職で多くの部下を束ねています。

給与は月収で68万円、年収で1,400万円。大企業の課長職としては平均を優に超える給与を手にしている小林さん。誰もが「エリートコースを歩んできた勝ち組」と羨望の眼差しを送るはずです。しかし、そんな声を聞くたびに違和感を覚えるといいます。

【企業規模別「大卒男性(課長職)」の平均給与】

企業規模別総合…月収53.3万円、年収877.8万円

従業員10~99人企業…月収44.3万円、年収680.4万円

従業員100~999人企業…月収49.8万円、年収791.4万円

従業員1,000人以上企業…月収61.5万円、年収1,055.9万円

出所:厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

小林さんは幼いころから、親の期待に応えるために勉強を重ねてきました。

――母は常に「いい大学に行きなさい」「いい会社に就職しなさい」と言っていました。その言葉に従い、私は超一流といわれる大学に進学したんです。大学院に進みたいという希望がありましたが、「大学院に進学してもお金がかかるだけ。将来、出世したいなら就職しなさい」といわれ就職を選んだんです

就職として選んだのも、誰もが知る大手企業。これも母親の希望だったといいます。

――何社か内定をいただきましたが、そのうち私はあるベンチャー企業に興味があると言ったら、母は「ベンチャー企業なんていつ潰れるかわからない。大企業であれば安心よ」と。私は母の意見に従いました。そのほうが母が喜んでくれるので

親の介護でふと気づく…「親の言われるがままに生きてきた」

現在、小林さんは両親との実家暮らし。ここにも母親の意向が反映されています。

――母は「あなたは自分ひとりで生活なんてできない。私が面倒をみてあげるから、ずっとここ(実家)にいなさい」と。就職したら家を出るものだと思っていましたが、せっかく母が言ってくれることだからと、実家暮らしを続けています

基本的に母親の嫌がることはしたくない……それが小林さんの生き方でした。母親の存在が大きすぎるからか、これまでお付き合いした人もいないといいます。

――中学から男子校ですし、大学もまわりは男子ばかりで。就職してからも、部署では男性が圧倒的に多かったですね。今は部下がいて女性と話す機会もありますが……手汗がスゴイです(笑)

【20代~40代の男性に聞きました】

Q.あなたは女性との会話に対して苦手意識を感じていますか?

とても苦手…21.9%

やや苦手…37.3%

あまり苦手ではない…28.0%

まったく苦手ではない…12.8%

Q.女生徒の会話に苦手意識を感じる理由は?

女性と話す経験が少なく緊張するため…43.3%

自分に自信がないため…43.0%

男女問わず会話自体が苦手なため…42.4%

女性特有の感情や考えを理解するのが難しいと感じるため…34.6%

相手にどう思われているか気にしすぎてしまうため…31.8%

出所:株式会社Bright Management『「女性との会話への苦手意識に関する調査』

そんな小林さんですが、最近、80歳になる父親が要介護2の認定を受けました。その介護は78歳の母親が中心となって行っていますが、小林さん自身もいろいろとサポートすることも多く、仕事と介護を両立する日々を送っています。そんなとき、これまでの人生が母親の言われるがままだったことを、いまさらながら痛感したといいます。

――母が「あなたがいてくれてよかった」と。これだけであればよかったのですが「結婚していたら、そうはいかないものね」といわれて。ふと「これまでの人生、母にコントロールされ、自分の意志なんてなかったな」と強く感じたんです

47歳。世間ではいい大人です。しかし、子どもの親離れも、親の子離れもできていない……そのことに初めて気づかされたといいます。

父親の介護はいずれ終わる。そのあと母親の介護。すべて終わったときには、自分が高齢者。年金を受け取りながら、ひとり寂しく生きていく……そんな老後がくっきりとイメージされ、急に怖くなったといいます。

小林さん、これまでの人生、羨望の眼差しを送られることが多くありましたが、どこか他人事でした。それは、これまで主体的に生きてきたことがないから、というのが、最近の小林さんの自己分析だといいます。親亡き後の人生を考え、ぼんやりと婚活が頭をよぎる今日このごろ。

――今さら婚活といっても遅いでしょうか。それよりも母が許してくれるか……

母親の言いなりになってきた人生を大後悔しつつ、それでも母親を意識せざるを得ない小林さん。これから先、親離れ・子離れを実現するのは難しそうです。

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

株式会社Bright Management『「女性との会話への苦手意識に関する調査』

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