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正直ホッとしています…〈月収22万円〉〈年金月16万円〉のサラリーマン、重すぎる介護負担に崩壊寸前。88歳で亡くなった母の葬儀で漏らした「本音」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月23日 7時15分

正直ホッとしています…〈月収22万円〉〈年金月16万円〉のサラリーマン、重すぎる介護負担に崩壊寸前。88歳で亡くなった母の葬儀で漏らした「本音」

(※写真はイメージです/PIXTA)

いずれ多くの人が抱えるだろう「親の介護」。肉体的な負担、精神的な負担、さらには金銭的な負担に追い込まれるケースも珍しくありません。どんなに大切な親でも、重い介護負担を前に、はたからみれば「人でなし」と思われるような感情を抱いてしまうことも珍しくはありません。

父親に続き、母親の介護に翻弄された3兄弟

山本浩一さん(仮名・65歳)。先日、母親を亡くしました。88歳でした。葬儀は親族だけで済ませたといいますが、そこでポロっと出た本音が「正直、ホッとしている」というもの。

母親が亡くなる10年ほど前のこと、当時80歳だった父親が自宅で転倒したのを機に要介護3に。父親は他人が家を出入りするのを極端に嫌う人だったため、外部サービスは極力使わず、家族総出で在宅介護に追われたといいます。

――父親の介護は、亡くなった母親と3つ上の兄、1つ上の兄、そして私の4人で。兄も私も実家からほど近かったのが唯一の救いでした。きつかったですね、介護と仕事の両立は

父親の介護は2年ほどで終わりを迎えましたが、母親も亡くなった父親と同様に転倒・骨折を機に、要介護1の認定。実家でのひとり暮らしは、少々危なっかしい……そう考え、3兄弟交替で実家に寝泊まりするようになったといいます。それから2年ほど経ったころ、ふと母親の日々の行動に違和感を覚えます。

【要介護1と要介護3における「同居の主な介護者」の介護時間の構成割合】

■要介護1

ほとんど終日…11.8%、半日程度…8.9%、2~3時間程度…12.4%、必要なときに手を貸す程度…55.3%

■要介護3

ほとんど終日…31.9%、半日程度…21.9%、2~3時間程度…11.5%、必要なときに手を貸す程度…26.0%

出所:厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』

――もの忘れが増えたほか、「財布を盗まれた!」と近所に触れ回る。いつも置いてある場所にあるのに、そのことを思い出せないんです。忘れてしまったことを「興味がないから」などとごまかしたり、あることないことを平気で語ったり

医師の診断は認知症の初期症状。それから2年ほど経つと認知症の症状も進行し、。いよいよ在宅での介護が難しくなってきたといいます。そこで介護施設への入居を検討。施設はすぐに決まったものの、月10万円ほど、月14万円だった母の年金だけでは補えない……仕方なく、3兄弟で負担することにしたといいます。

親の介護から完全開放…その後に襲う「後悔の念」

認知症の母親が介護施設に入居したことで、肉体的・精神的な介護負担からは解放された山本さん。しかし月3万~4万円の金銭的な負担は、よりきつかったといいます。

――むこう(妻)の親にも仕送りをしているうえ、まだ住宅ローンが残っていました。月13万円の返済。自分たちの老後を見据えても不十分だし、月3万円の出費だって痛い状況だったんです

金銭的な負担に押しつぶされそうになった4年。浩一さんは65歳になり、月16万円の年金をもらいながら、月収22万円で契約社員を続けています。2人の兄はそろそろ年金生活に……正直、ぎりぎりのタイミングで母親は亡くなったのです。それで思わずこぼれたのが、冒頭の「ホッとしている」という言葉でした。

――本心でした。「解放された!」「もうお金を払わなくていいんだ!」と。でも母が亡くなるのを待ち望んでいた……そんな心のありように気づき、自分で自分が怖くなりました

また同じように、後悔の念に苛まされることも。

――最後の最後に、母を裏切ってしまったという気持ちでいっぱいで。きちんと母親に感謝を伝えることができませんでした……

【「子から親へ」伝えたいこと】

・親への感謝や愛…89%

・親への心配…60%

・親への願い…51%

・自らのこれから…36%

・自らのこれまでと現状…26%

※出所:オヤシル株式会社『家族で話したいこと・聞きたいことに関する調査』

※「親に伝えたいことがある」と回答した65%に対し質問。数値は伝えたいという意向度「まあそう思う」「とてもそう思う」の合計

いずれ多くの人が直面する「親の介護」。その負担は大きく、親が亡くなった際に「ホッとした」と感じることは珍しいことではありません。余裕のない介護生活のなかでも、きちんと親への想いを伝えることができれば、後悔せずにいられるかもしれません。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』

オヤシル株式会社『家族で話したいこと・聞きたいことに関する調査』

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