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気力も体力も限界です…60歳、日本の高齢サラリーマンを襲う<事実上の戦力外通告>である定年退職制度。その後、「やりがいのある職」に就いている人がやっていること

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月29日 8時15分

気力も体力も限界です…60歳、日本の高齢サラリーマンを襲う<事実上の戦力外通告>である定年退職制度。その後、「やりがいのある職」に就いている人がやっていること

(※写真はイメージです/PIXTA)

60歳を過ぎてからの再雇用で悪条件に甘んじてしまうことがないように、事前に定年退職後のキャリアについて考え、準備を始めることが大切です。大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)では、定年後に後悔しないためのセカンド・キャリア戦略の考え方について解説しています。本記事では一部を抜粋・再編集し、を解説します。

自身のキャリアの棚卸し、自己分析をし、60歳以降の方向性を決定

60歳以降、定年退職後、そのまま雇用延長を選ぶのか、別の会社に転職するのか、はたまた起業や開店をするのか、その選択、準備を開始する適齢期が55歳だからです。

まあ、ホントはもっと早くてもいいのですが、タイミング的には役職定年となるターゲット年齢の55歳くらいがちょうどいいと思います。

役職定年というのは、「後進に道を譲れ」という戦力外通告に等しいのですから、プロ・アスリートの「自由契約」同様、宮仕えもここまでという意味に等しいのではないでしょうか。「ラインオフ」「ポストオフ」と呼ばれるくらいですから。

ただ、年収もピークを迎えているために、その年収の高さから、なかなか転職先も見つからないので、役職手当がなくなってもそれなりの報酬が約束されているなら、定年まで残るのが得策ということになります。

問題は、定年後の再雇用のタイミングです。60歳以上は、年収は良くて3割減、半減は普通で、新人社員並みや以下、時給1200円程度まで引き下げられます。しかも、週5日勤務で副業禁止が一般的なのではないでしょうか。

しかも業務の内容が「これまでと同じ」というのは、人によっては「やりがい搾取」と感じてしまうでしょう。

そこで、他の選択肢がなかったり、まったく準備してこなかったりしたために、そんな悪い条件を甘受することのないよう、会社と交渉するとか、他の企業にもっとましな条件で転職するとかの準備を、55歳からスタートさせてほしいのです。

キャリア戦略を確定するために

まず、やってほしいのは、あなたのキャリアの棚卸しです。

具体的には、自分を客観視できるように、自分用の職務経歴書を3ページ以上でつくってみましょう。

次に、「もっともやる気に満ちて仕事をしていた時」、逆に「もっともやる気を失っていた時」を思い出して、それぞれ、誰とどこで、どんな仕事をしていた時か。

そういう気持ちになったエピソード、その時に大切にしていたことをそれぞれ比較することによって、あなたのモチベーション・リソースや傾向、逆にモチベーションを落とす時の背景や傾向を客観的に自己分析してみましょう。

その次は、職務経歴書や「やる気の比較表」などを振り返りつつ、

1, 得意なこと 2, 褒められたことのあること 3, 好きなこと

を、できるだけ多くリストアップしてください。この1~3 があなたの「強み」であり、60歳以降の人生を切り拓く武器となりますので、最重要マターと言ってもいいでしょう。絶対的強みとか絶対優位ほどのレベルではなく、比較的強いレベルで考えるのがコツです。

1~3 が思い浮かばない場合は、4, として「できること」や「比較的できたこと」で代替してください。

さて、ここまではあなたの「過去」、あなたがどう進んできたかの振り返りでした。そして、現在の立ち位置まで来たわけですが、次は「どこに向かって進むのか?」です。

「仮のゴール」を定める

これまでは、ある意味、会社の指示や命令、辞令に従ってそのレールの上を進めばよかったはずです。

しかし、事実上の戦力外通告、自由契約後ですから、これから「どこに向かって進むのか」は、あなた自身が決めなくてはなりません。

その時の足元を照らしてくれるのが、先の1, 得意なこと、2, 褒められたことのあること、3, 好きなこと、になります。

この1~3 のいずれかがあなたの「強み」だとすれば、それをどういう領域や分野(戦略ドメイン)で発揮したいかを決めれば、あなたのこれからのキャリア戦略の完成です。転職するのか、自身で起業するのかといったことはその次に決めればいいことであって、まずは、キャリア戦略の確定からスタートしましょう。

人間は「仮」であれば決められる

正直、「歳定年後の人生設計をしましょう」とセカンド・キャリア研修やこうしたビジネス書で促されても、明確なアイデアがあるケースのほうが稀に違いありません。

仕事や家族のことで忙殺されていて、自身の定年後のことなどゆっくり考える時間など取れなかったという弁も多いようですが、その本質は結構、「会社人生だったために、自分のこととなると、思考停止になってしまう」ということだったりするのです。

その周辺には「別に、定年後にこれといってやりたいことなどない」「この歳になって、リスクなど冒おかしたくない」「もう、気力も体力も限界……」「ちょっと、ゆっくりしてから考えたい……」と漂流しているような人も散見されます。

しかしながら、かつてそう漠然と何か思っても何もせずに定年を迎え、何となく流れで再雇用を選んでしまった諸先輩は、〝代半ばに、もう少し定年後について計画して行動しておけばよかった〟と後悔しているのです。

別に本人は漂流したかったわけでも、学生時代のようにモラトリアムを楽しみたかったわけでもなく、要は、いろいろな選択肢がありすぎて、決め切れなかったというのが正直なところでしょう。

一方、同じような場面で、漂流を回避できた人の共通点の一つに、「仮のゴール」を設定していたということがあります。

「仮」というのは意外に大切で、人間は「仮」であれば決められるのです。これは意思決定のためのテクニックかもしれません。

職場でも、よくあるでしょう。「とりあえず~」というアレです。「仮」が逆に決断を促すのです。歳まで働くのか、歳からは遊びたいのかも、「仮」なら決められるのです。

大塚 寿 エマメイコーポレーション代表取締役

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