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半年で100社からの「お祈りメール」、1日も早く逃げ出したい…就活で「地獄を見る人」と「理想の未来を掴む人」の決定的な差

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月12日 16時15分

半年で100社からの「お祈りメール」、1日も早く逃げ出したい…就活で「地獄を見る人」と「理想の未来を掴む人」の決定的な差

(写真はイメージです/PIXTA)

就職活動でなかなか内定が出ず、焦りや不安を感じている人は少なくないはずです。「自分は本当に社会で通用するのだろうか」「このままではどこにも就職できないのではないか」……そんなネガティブな感情に囚われ、本来の力を発揮できずにいるかもしれません。本稿では、土谷愛氏の著書『適職はどこにある?』(大和出版)を一部抜粋・再編集し、自分らしい未来を切り拓くための具体的なステップを解説していきます。

半年で100社落ち…地獄の日々

流されるように、わたしの就活が始まりました。

さほど興味があるわけでもないのに、ただ「名前を知っている企業」というだけの理由で、有名なメーカーや商社の選考をなんとなく受ける日々。「どこどこにエントリーしてる」と口にするだけで(ベツに受かってないのに)、なんだか自分がすごく優秀な人間になったような錯覚すら覚えていました。それでも内心では「社会に出たくない」と思っているので、自分は入社してなにがしたいか、なにができるかなんて考えることも放棄し、ただただ思考停止状態。

自己分析らしきものといえば、古本屋で適当に買った就活対策本の文章例をつぎはぎした「志望理由」を作り、ただエントリーシートの空欄を埋めるためだけに、なんとなくウケそうなエピソードをひねり出しただけ。

そんなわたしの話には当然なんの一貫性も魅力もなく、プロの面接官にはあっさり見透かされていたのでしょう。同級生たちがどんどん選考が進んでいく一方で、同じ大学に通っているはずのわたしは書類からバンバン落ちまくっていました。

焦ったわたしは、とにかく量!と言わんばかりに、ほぼ手当たり次第にいろいろな会社にエントリーをするも、

「誠に残念ながら、今回は〜〜」

「貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます」

と、いわゆる「お祈りメール」という名の不採用通知が激増しただけでした。

こうして半年ほどの就職活動で、ゆうに100社は落っこちました。来る日も来る日もお祈りされ続けていると、まるで「お前は社会に必要ない人間だ」と言われているような気になります。だけど、誰かにこんなボロボロな書類を添削してもらう勇気も、面接の練習をお願いする勇気もない。

苦しくて、ただひたすらに「1日も早く逃げ出したい」と、そればかり考えるようになっていました。

現実から逃げるように終えた就活の結果

ただ、漫然といろいろな会社の説明会を覗くうちに、こんなわたしにも興味が持てる業界がポツポツと出てきました。それは、広告業界と出版業界です。学生時代のわたしは、放課後はずっと図書館に通いつめるほど本を読むのが好きで、音楽を聴いていても歌詞ばかり読んでいるような人間だったので、「言葉の力で人を動かす仕事」に惹かれたのだと思います。

しかしあろうことか、ここで胸を高鳴らせるわたしを強く引き止めたのは、「自分は無能だからどうせ無理」という、「自分」に対する負の思い込みでした。

「そもそも広告業界や出版業界に内定が出るのは、トップレベルの大学の学生が9割だろうな。わたしなんか受けるだけ無駄だよね……」うだうだ悩んだ挙句、結局、1社もエントリーすらしないまま、憧れの業界をあきらめてしまったのです。「憧れの会社に落とされる」という現実を受け止めるのが怖いがあまり「自分から受けない」という、なんとも情けない選択でした。

就活を始めてから半年が経過し、不採用になった会社は100社超え。周りの友達が続々と内定を獲得して就活を終える中、わたしにはまだ1つも内定がありませんでした。

「ヤバい。もうどこでもいいから内定をもらわないと……」そこで、とにかく採用人数が多かったり、あまり知名度がなくてライバルが少なさそうな小規模の会社や地方の会社に絞って、ただただロボットのように、大量エントリーを続けたのでした。

そうして季節が秋に差し掛かったころ、なんとか地方の会社から営業職の内定を獲得しました。同級生は誰も知らない、地元でお酒を販売する小さな会社です。

これはあとから知ったことですが、「そもそも採用の募集をかけてもほとんど応募がこないので、応募すればだいたいの人が内定する」なんて事情があったよう。確かに、この会社の面接で主に聞かれたことといえば、「お酒、好きなの?」「ウチの会社に通える範囲に住んでる?」「車で営業するので普通免許ありが採用条件だけど、入社までに取れる?」など、実務に関することばかり。

逆に「なぜウチじゃないとダメなのか」とか「10年後のキャリアプランは?」など、就活中のわたしがずっとろくに答えられなかった「理想の未来」に関する質問をされなかったことで、なんとか切り抜けたに過ぎませんでした。

なにはともあれ、喉から手が出るほど欲しかった「内定」という2文字をメールの中に確認したとき、喜びというより安堵の感情で、床にへたりこみました。その1社から内定をもらうや否や、「本当にやりたい仕事かどうか」なんて深く考えることもなく、わたしは逃げるように就職活動を終了。

こうして「社会地獄」「自分無能」という思い込み二大巨頭を握りしめ、ブレーキばかり踏み続けたわたしの就活は散々たる結果に終わりました。

「理想の未来」が決して叶わない人の特徴

この苦しかった期間を振り返り、今だから思うこと。それは、もしあのとき「思い込み」を書き換える努力をしていれば、きっと本来の「理想の未来」に近づけたはず……、ということです。

わたしは、自分がまだ社会に出て働いてもいないのに「社会に出て働くこと=地獄のようにつらいこと」と、「仕事」に対してネガティブな思い込みばかりを持っていました。でも、もしこのとき「社会に出て働くこと=人に貢献できて楽しいこと(もしくは自由に使えるお金を稼げるうれしいこと、など)」のようなポジティブな思い込みに書き換えていたら、どうなったでしょうか?

言わずもがな、選考に臨む熱量も、行動量も、祈られ続けたときのしんどさだって大きく変わったはず。

そして、就活とロクに向き合ってもいなかったのに「わたしは無能だから勝てない」とハナから決めつけていたことも、すごくもったいないことでした。冷静に考えると、仮に学生時代に評価されなかったからといって、この先なにをやっても一生「できない奴」確定!ということではないからです。

実際、今をときめく成功者のインタビューなどを見ていても、「実は学校では劣等生だった」なんてエピソードが笑い話のように出てきますからね。今思えば、当時のわたしは完全に「努力をサボるための言い訳」として、劣等感を使っていたにすぎません。もし「こんな自分でも、少しでもその会社で役に立てることはなにか」を真剣に探していたら、なにかのかけらが見つかったかもしれない。もしくは「今できないなら、これからできるようになろう」と、劣等感をうまく使ってこれからの頑張り方を考えることもできたはずです。

そもそも「地獄のような社会で働くこと」も、「できない自分でい続けること」も、それらがわたしにとって「理想の未来」だったわけじゃありません。もしできるなら「楽しく働く大人」になりたかったし、「誰かの役に立てる自分」になりたかった。そっちが本当の「理想の未来」だったはずなんです。

本当はそっちをめざしたいのに「社会は地獄なんだから楽しく働けるわけがない」「わたしは無能だから希望の仕事には就けない」というネガティブな思い込みによって、行動にブレーキをかけてしまっていたら、理想の未来なんて叶わないのも当然のこと。

つまり、「理想の未来」を描けない・描いても叶わない人は、ブレーキになる「思い込み」をめいっぱい踏んでしまっているということです。

土谷 愛

mideal inc.

代表取締役社長

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