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金が足りない、すまん、貸してくれ!〈年金月22万円・79歳父〉がまさかの懇請。〈45歳長男〉が思わず二度聞きする「驚愕の老人ホーム請求額」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月25日 5時15分

金が足りない、すまん、貸してくれ!〈年金月22万円・79歳父〉がまさかの懇請。〈45歳長男〉が思わず二度聞きする「驚愕の老人ホーム請求額」

(※写真はイメージです/PIXTA)

2024年12月の消費者物価、全国コアCPIは前年比で3.0%上昇。1年4ヵ月ぶりの高水準を記録しました。終わりの見えないインフレに、「当初のシミュレーションが大幅に狂った!」という場面に遭遇した、という人も多いのでは。それは高齢者の住まいの選択肢として存在感が増している「老人ホーム」でも。

折り合いのよくなかった父自ら「老人ホームに入る」と決断

池田直樹さん(仮名・45歳)。5年前に母が亡くなり、以来、実家には父・誠さん(仮名・79歳)だけが住んでいました。誠さんとの関係は「正直、よいとはいえない」のだとか。子どものころ、厳格だった父は何かと手を挙げることもあり、そんな父に猛反発……そんなしこりが、40代になった今でも残っているといいます。

そんな父が老人ホームに入居したのは、さかのぼること3年ほど前のこと。母(誠さんの妻)が亡くなり、ひとりで暮らしてきましたが、家事力のない誠さんは毎日四苦八苦。健康で元気であれば、そんな苦労も楽しみに変えることができたかもしれませんが、70代も後半になるとそんな気持ちにはなれません。限界を感じ、ひとり暮らしを放棄したという顛末です。

介護を必要としない誠さんが選んだのは、サービス付き高齢者向け住宅、いわゆる「サ高住」。自立した高齢者から住むことのできるバリアフリー賃貸住宅で、安否確認や生活相談のサービスが提供されます。自宅同様の自由な生活を送りながら、必要なサポートを受けることができると、近年、施設数も増加傾向。国土交通省の資料によると、202年12月末時点で全国に8,257件(285,267戸)に達しています。

入居者の介護度比率は、自立(健康)な人が8.6%。要支援が12.8%、要介護1が21.8%、要介護2が19.9%。自立している人、または介護度の軽い人が6割を占めますが、4割は要介護3以上で日常生活で常に介助を必要としている人。施設によって受け入れる幅は異なり、状況やニーズに合わせて選ぶことができます。

誠さんがこだわったのは「個室であること」「居室は家具付き」「居室に風呂がついていること」「夜間有人であること」「終身利用可で、看取り・ターミナルケアに対応していること」「駅チカ・交通アクセス良好であること」の6点。ポータルサイトでこれらの条件で絞り込むと、5件の候補がヒットしたため、すべて見学をして決定したといいます。

初期費用は50万円、月額費用は17万円。月々18万円、手取りにすると15万円強の年金を受け取っている誠さん。雑費も含めると、月々5万円ほど貯蓄を取り崩せばいい。費用的にもバッチリだったといいます。

――老人ホームに入るといったときは耳を疑いました。個室とはいえ、共同生活なんてできるような人ではないので。まあ、折り合いが悪い父とはいえ、最近は何かと心配していたので、ちょうどよかったです

あの父が子どもに頭を下げるなんて…プライドを捨てるしかない「老人ホーム費用の値上げ」

本当に人と生活できるのか……そんな心配があったものの、老人ホームでの暮らしは楽しい様子。そんな父にすっかりと胸をなで下ろしていました。

ところがそんな状況が変わったのが、つい最近のこと。誠さんから珍しく電話。そこで開口一番、「お金が足りない」と悲鳴。そして「すまないがお金を貸してほしい」と頼んできたのです。

まずは「子どもに頭を下げるなんて」と驚いた直樹さん。そのうえで、「なぜお金が足りないのか」と訝しく思ったといいます。理由を聞くと、この物価高のなか、ホームの月額費用も値上げ。このままではお金が足りなくなる。だから援助してほしい……というものでした。

確かに、ホームの月額費用は17万円。金銭的に無理のないホームを選んだ印象がありました。

――で、今は月々いくらなのさ

――月22万5,000円

思わず「えっ⁉」と二度聞きしてしまったという直樹さん。3年前と比べて5万円以上も高くなっています。実は入居後、毎年15%ほど値上げ。光熱費、食費、人件費、あらゆるものの値段が上昇。価格据え置きではとても施設を運営できず、ぜひとも協力を……ホームからの説明です。入居時から月5万円以上も費用が膨らみ、当初のシミュレーションではお金が底をついてしまう。そんな恐れから直樹さんに頭を下げることにしたというのです。

TRデータテクノロジーによると、2023年8月時点で月額費用の値上げを行った法人は全体の26%に達し、管理費の平均値上げ額は7,570円(値上げ率は21.5%)、食費は4,810円(10.1%)となっています。

誠さんは直樹さんに値上げ分の月5.5万円分の面倒をみてくれないかといいます。住宅ローンの返済を抱え、これからは子どもの教育費も増えていくでしょう。そんなタイミングで、思いもしなかった父親からの懇請。断れば、誠さんはホームを退去せざるを得なくなり、別の心配が増えるでしょう。難しい判断のためすぐには回答できず、とりあえず、家族会議を開くことになったといいます。

[参考資料]

国土交通省 第8回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料『サービス付き高齢者向け住宅に関する現状と施策の動向』

株式会社TRデータテクノロジー『有料老人ホーム等の月額管理費・食費改定の現状調査』

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