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小学校受験は高級車一台分?小学校受験にまつわる〈カネの話〉は意味がないと言い切れるワケ【令和の小学校受験】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月25日 10時15分

小学校受験は高級車一台分?小学校受験にまつわる〈カネの話〉は意味がないと言い切れるワケ【令和の小学校受験】

(※写真はイメージです/PIXTA)

中学校受験に比べて受験者数が少なく、合格基準も明確には見えないため、まだまだヴェールに包まれている「小学校受験」。そんな世界の本質や、経験者としてのリアルな声をSNSで発信しているのが「狼侍」さんです。「小学校受験なんて一般家庭には縁がない」「高級車一台分の費用が必須」といった誤解や噂が飛び交うなか、令和の小学校受験の実情はどんなものなのでしょうか? 1月23日に初の著書『小学校受験は戦略が9割』(新潮社)を上梓した狼侍さんに3回にわたってお話を伺いました。

「御三家」は受験産業が作り出した“信仰”

――中学校受験に関する記事で「御三家はもう古い。次に注目すべき学校はココ!」といった話題や記事をよく目にします。小学校受験においては、そういったランキングや話題性にあまり左右されることなく、本当にその学校の方針に基づいて選べばいい、ということでしょうか?

狼侍さん(以下、狼侍):本質的にはそこだと思います。実は私も中学受験における「御三家」という概念があまり好きではなくて。あれは完全に受験産業が作り出したものだと思っています。それが宗教というか信仰のようになってしまっている。バレンタインデーのチョコレートがメーカー主導で広まったようなものに近い感覚です。

――確かにマーケティングに近い印象もありますね。

狼侍:だから、それに振り回されるのは本当にどうなのかなと思います。それに、今や御三家という概念自体が偏差値で語られる時代でもなくなってきていますよね。むしろ崩壊していると言ってもいいくらいです。それに、いくらでも面白い切り口で、例えば「湾岸系注目の学校はココだ!」のように、作ることはできますが、本質から外れています。小学校受験には偏差値の概念がないため、教育の本質に基づいて選ぶべきだと考えています。

私も著書で私立小学校を分類したマップを掲載していますが、分類するとしたら、学校の設立の歴史や蓄積された教育方針の違いで分けるくらいですね。ただ、それもあくまで一例であって、学力や偏差値で分けるわけではありません。

「ランク付けはしない」「年収に関する話はしない」ワケ

――狼侍さんが小学校受験の情報を発信する際、気を付けていることは何ですか? 

狼侍:ランク付けをしないことは徹底しています。また、「フリー(縁故なし)合格」という言葉も使わないようにしています。注目校や「穴場」という表現も、倍率やデータ的な文脈で語ることはありますが、ランク付けに関わるような発信は避けています。

あとは、お金や年収に関する話題は基本的に発信しません。家庭の経済事情は千差万別ですし、実家からの支援がある場合も多いので、「年収がいくらだから」という話には意味がないと思っています。それに、SNSでお金の話題が盛り上がるのは注目を集めたい一部の人たちが発信しているだけだったりします。

――確かに、お金の話題はセンセーショナルになりがちです。

狼侍:「小学校受験」と聞いて、「高級車一台分と言われるほど高額な費用がかかる」などをイメージされている方も多いと思いますが、「小学校受験には何百万かかる」といったステレオタイプな情報発信はしないようにしています。実際、目指す学校によって費用のかかり方は全然違いますし、それをひとくくりに語るのは本質を見失う原因になります。

「令和の小学校受験」で覚えておいてほしいこと

――まだまだヴェールに包まれている小学校受験だからこそ、根拠のない噂や受験産業が作り出した考えに煽られて不安になり、振り回されてしまうのかもしれないですね。

狼侍:危機感として感じているのが、『小学校受験は戦略が9割』というタイトルを作っておきながら、なんですが、この「戦略」のような言葉が独り歩きして、「お受験ゲーム」のようになってしまうことです。タイトルと矛盾している部分もあるかもしれませんが、本来の意図はそこではありません。小学校受験は育児の延長線上にあるものであって、親が自分の判断で進めていくものだという意識が9割です。

ただ、現状では中学受験と同じように、小学校受験もどんどん低年齢化が進んでいて、受験産業が囲い込みを始めているという危機感はあります。子どもの数が減っていく中で、受験産業や学校側も必死になるでしょうし、親も不安を煽られてしまう状況がこれからさらに加速すると思います。しかし、逆に言えば、今は学校を選べる「買い手市場」ともいえる状況です。だからこそ、親が学校をしっかり選び、本質を忘れないでほしいという思いがあります。

――小学校受験を考える親御さんに向けてメッセージをお願いします。

狼侍:小学校受験はあくまで育児の延長線上にあるものだということを忘れてはいけません。発達段階を無視して無理に取り組ませるのは、子供にとっても負担が大きいだけで、結果的に良いことにはつながりません。例えば、今できないことを焦ってやらせるのではなく、半年後や1年後には自然にできるようになることを信じて待つ姿勢が大切です。

また、偏差値や周囲の噂に惑わされず、何が本当に自分たちの子供に合っているのかを見極めることが必要です。特別な家庭でないと受験できないということはありませんし、正しい情報を取捨選択すれば、小学校受験はもっと身近なものになると思います。

そういう意味で、今回私がお話したことも一つの見解、一つの考え方に過ぎませんので、これがすべてではないです。もちろん、100%共感してくれる方がいれば嬉しいですけど、50%くらいに感じる方もいるかもしれません。そこは人それぞれだと思いますので、取捨選択しながら、役立ちそうな部分だけでも活用していただければありがたいですね。

THE GOLD ONLINE編集部

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