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使い捨てなんてまっぴらだ…「初任給引き上げ」「早期退職募集」に不満。早大卒・大手企業勤務で月収41万円の32歳ハイスぺサラリーマン、自信満々に転職活動も“お祈りメール”に撃沈。意外な敗因【FPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月10日 10時45分

使い捨てなんてまっぴらだ…「初任給引き上げ」「早期退職募集」に不満。早大卒・大手企業勤務で月収41万円の32歳ハイスぺサラリーマン、自信満々に転職活動も“お祈りメール”に撃沈。意外な敗因【FPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

総務省の調査によると、2023年の転職希望者は1,000万人を突破し、企業は早期退職を募るなど、労働市場は大きく変化しています。しかし、高まる転職意欲とは裏腹に、転職成功率は必ずしも高くないようです。本記事では、Aさんの事例とともに人手不足と転職の最新事情について、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。

転職希望者1,000万人時代!

転職が当たり前のような時代になってきていますが、転職希望者は2023年に初めて1,000万人を超えました。特に正規従業員の転職希望が急増しており、2020年以降は非正規従業員の転職者数を上回っています。

転職後に賃金が増えた人は転職者全体の35%とされていますが、実際に転職に踏み切る人は横ばい。なかなか容易な状況ではないようです。

深刻な人手不足だが…「早期退職の募集」が急増するワケ

大企業に勤務する32歳で月収41万円のAさんも、かねてより転職を考えている1人。大学新卒で採用された勤め先で、当時は親をはじめ周りからも「大企業だし、一生安泰だね」といわれ、自分も定年まで勤めきるつもりで入社しました。ですが、近年は社内で早期退職の募集が始まったこともあり、同じ会社に在籍する少し上の世代の人たちがおかれている様子をみて、自分のキャリア形成に不安を感じます。「自分自身もこの会社に定年まで勤めるのは難しいのではないか? それなら若いうちに」と転職サイトなどをときどき覗くようになりました。

東京商工リサーチ※2によると、2024年に「早期・希望退職募集」した上場企業は57社(前年41社)で、前年から39.0%増加したと発表しています。募集人員は1万9人(同3,161人)と3倍に急増。2021年の1万5,892人以来、3年ぶりに1万人を超えています。

上場企業の早期・希望退職募集が増えた背景には経営の悪化などがあるのか、と考えてしまいますが、そうでもなさそうです。黒字が34社(構成比59.6%)、赤字が23社(同40.3%)で、黒字が約6割を占めています。また、黒字企業の募集人数は8,141人で、全体の約8割(同81.3%)を占め、赤字企業の募集人数は1,868人となっています。

深刻な人手不足だが…「早期退職」を増やすワケ

背景には、新卒社員の大幅な初任給引き上げもあるのではないか、と考えます。「大和ハウス工業」は新卒初任給を一律10万円引き上げることを発表し、大卒社員の初任給は35万円になる見通しとしています。ですが、かつて同社は2008年から早期退職優遇制度を導入。2021年度には対象者を勤続15年以上から勤続10年以上の社員(45~54歳)に広げており、その割合は全社員の25%にあたる約4,300人規模になる、と報じられ話題になりました。

このように、早期退職制度により社員年齢構成の見直しを行い、初任給引き上げで優秀な若手社員を確保したいと考える大手企業は少なくありません。

Aさんは、会社が若手社員の採用に力を入れる一方で、中高年層の待遇改善に消極的な姿勢を見せたことを不満に思いました。将来、自分も同様に扱われるのではないかと不安になり、「自分は使い捨てにされている。せっかく努力してきたのに、そんな扱いはまっぴらごめんだ」と転職を決意しました。

大企業勤務のハイスぺサラリーマンが転職に失敗…意外な原因

さて、Aさんはその後、ある企業の面接を受けます。Aさんは早大卒で、これまで10年以上勤務してきた会社でもしっかりとキャリアを積み、社内で表彰されたこともあります。自信満々で最終面接まで終えたAさんですが、なんと届いたのは「不採用」の通知。「お祈りメール」を受けとり、大きなショックを受けます。

「なんで俺が不採用なんだよ!」どうしても納得のいかないAさんは、同じ大学出身で大企業の人事部に勤める友人に相談しました。

すると友人からは「お前、大学時代からSNSやってたよな。それじゃないかな」とまさかの指摘を受けます。

人材募集のために、SNSで発信を行う企業は増えてきましたが、就職・転職希望者の発信するSNSも企業側はチェックするケースは増えています。面接だけの短時間では、入社希望者の本質はなかなか見抜くことはできません。「面接では本音で話したのか?」「どんな考え方を持っている人間なのか?」といったことを知るために普段使っているSNSをチェックすることは当たり前のようになってきました。

・SNSでの情報発信のマナー

・情報リテラシーの有無

・採用後のトラブル防止

など、入社希望者のSNSをチェックする企業側の目的はさまざまです。

SNSは諸刃の剣

「マナーやモラルのない発言や写真がないか」「どんな人たちと交流があるか」「経歴に嘘はないか」など、過去の投稿も含めて見られることはいまの時代覚悟しないといけません。仕事で知った情報を流すのはもちろんNGですが、会社やお店の悪口、日常生活などの愚痴などもよい印象は与えません。

ですが、SNSは上手に使うことができれば自身の強みをアピールできるチャンスの場でもあります。「怖いから」「面倒だから」と、SNSをまったくやらないのも就職や転職活動では不利となる時代になってきました。

60代、70代でも働く人が増えてきました。これからの生涯の働き方についていま一度考え、自身のSNSの利用の仕方なども振り返ってみましょう。

〈参考〉

※1 総務省「直近の転職者及び転職等希望者の動向について」

https://www.stat.go.jp/info/kenkyu/roudou/r5/pdf/21siryou4.pdf

※2 東京商工リサーチ「2024年の「早期・希望退職」 3年ぶり1万人超 募集社数57社、募集人数は前年の3倍に急増」

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200844_1527.html

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表

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