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これ以上金は払えない、自分でなんとかしてくれ…年収490万円・54歳父が苦渋の決断。進学を望む我が子に「ノー」を突きつけた切実事情

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月31日 14時0分

これ以上金は払えない、自分でなんとかしてくれ…年収490万円・54歳父が苦渋の決断。進学を望む我が子に「ノー」を突きつけた切実事情

子どもが生まれたら教育資金の準備を始める必要があります。どれぐらい用意すべきかという金額感については、「大学進学まで」を想定するケースが多いのではないでしょうか。しかし、子どもがその先の就学を希望する可能性も少なくありません。詳しく見ていきましょう。

大学に通う息子からの「まさかの電話」に仰天

地方都市の中小企業で働く小山正雄さん(仮名・54歳)は、年収490万円のサラリーマン。共働きの妻は年収280万円ほど。世帯年収770万円の家庭です。

長男は大学4年生、次女は高校2年生。長男は昔から成績優秀で、近所でも評判でした。

「俺はたいして頭が良くないのに、なんでか勉強ができるんだよ。自慢の息子だから、なんでもしてやりたいんだ」

よく周囲にそう語っていたのでした。

東京の私立大学に進学が決まったため、長男はアパートでひとり暮らしをすることに。4年間の学費は入学金も含めて400万円ほど。さらに、毎月生活費の仕送りとして8万円。時折「勉強が忙しくてあまりバイトに入れなかった」と連絡がくれば、追加で送金もしていました。

そうした費用をすべて合わせると、4年間のトータルは800万円以上になる予想。学費の準備は息子・娘それぞれのためにコツコツしてきたものの、想像を超える負担でした。

小山さん夫婦は家計をなんとかやりくりし、自分たちのために使うお金はほとんどない状態。それでも、「あの子にはちゃんと勉強して良い会社に就職してほしいからね」と夫婦で話し合っていました。

息子は無事に内定をもらい、小山さん夫婦は大喜び。下の娘は地元の私立大学志望で、長男が卒業した後に入学するので、あと少し頑張ればなんとかなる……そんな算段でした。

息子から1本の電話が入ったのは、そんなある日のことでした。

「ゼミで勉強してることをもっと突き詰めたくて。やっぱり就職はやめて院の方に進もうと思う。そういうわけで、よろしく」

なんてことのないように言ってくる息子に、小山さんは仰天。確かに「お前のためにお金を絞り出している」と伝えたことはありません。教育資金の準備は親の務めだと思い、わざわざ言わなかったのです。

思い起こせば、学費や仕送りについて感謝を伝えられたこともありません。自分たちが苦労して学費や仕送りを工面してきたことがまったく伝わっていなかったことに、そのとき気づいたのです。

いずれにしても、これ以上の支払いは不可能と判断しました。下の娘の進学もそうですが、自分たちの老後資金も考えなければならない年代です。

小山さんは、自分たちの家計のこと、大学院の費用まで支払うつもりはないことを伝えました。そのうえで、「アルバイトや奨学金でなんとかするか、そもそも、そうした苦労をしてでも大学院に進んで勉強したいのか、きちんと考えてみたほうがいい……」そう静かに伝え、電話を切ったそうです。

大学進学までの費用では足りないことも…教育費のリアル

子育ての中でも一番大きな割合を占めるのが教育費。実際にどれぐらいかかるのでしょうか。

教育資金の目安について、文部科学省の「令和3年度子供の学習費用調査」などを基にした日本政策金融公庫のシミュレーションを見ると、幼稚園から大学まですべて公立の場合で822.5万円。すべて私立の場合は2307.5万円となっています。

実際には、高校までは公立を選ぶ人が多いでしょう。一方、大学は7割以上が私立に進学すると言われており、入学費用や授業料の準備は必須です。

また、文系より理系のほうが学費は高額になるので、子どもの進みたい道によって差があることや、ひとり暮らしが必要であれば、さらに仕送りも必要だということも念頭に置いておかなければなりません。

さらに、その続きがあるケースがあります。大学院への進学です。

文部科学省「令和5年度学校基本調査」によると、大学(学部)卒業者に占める就職者の割合は75.9%で、進学率は12.52%、さらに修士課程を終えた人の就職者の割合は77.4%、進学率は10.1%となっています。

つまり、大学を卒業した人のうち1割強が、さらなる修学のため修士課程へ。そこからさらに1割程度の人が博士課程にも進むということがわかります。

では、修士課程に進んだ場合、いくらぐらい費用がかかるのでしょうか。文部科学省の令和5年度「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」に基づいたデータが以下になります。

【私立大学大学院 修士課程 初年度費用】 ・授業料:79万8,465円 ・入学料:20万1,752円 ・施設設備費:7万5,589円 ・実験実習料・その他:5万8,784円  合計:113万4,590円

このように、初年度には113万円ほどの費用がかかります。2年目は入学金がないとして単純計算すると、2年間で206万7,430円かかることになります。

ひとり暮らしを継続して支援するのであれば、その費用も追加に。さらに博士課程に進学となれば、その分の費用も必要になるわけです。

小山さんの例でもそうですが、親としてどこまでしてあげるべきなのかは悩むところでしょう。しかし「子どものため」「親の責任」といって無理に負担を続ければ、自分たちの家計が成り立たなくなります。

「理系に通うかもしれないから」「大学院まで通うかもしれないから」そんな風に考えれば、準備する金額はいくらでも大きくなってしまいます。しかし、住宅ローンなどの各種支払い、自分たちの老後資金など、さまざまなところにお金は必要ですから、どこかで線を引き、冷静な判断をすることも必要だといえそうです。

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