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移住なんてするんじゃなかった…念願の田舎暮らしを実現した68歳夫婦の後悔。穏やかな余生を送るはずが、わずか3年で東京に舞い戻ったワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月30日 8時45分

移住なんてするんじゃなかった…念願の田舎暮らしを実現した68歳夫婦の後悔。穏やかな余生を送るはずが、わずか3年で東京に舞い戻ったワケ

都会暮らしにストレスを感じ、田舎のゆったりとした雰囲気を羨ましく思う人は少なくないでしょう。しかし、憧れだけで移住を実行してしまうと残念な結果になることもあるようです。詳しく見ていきましょう。

地方に移住して仕事をしたい…リアルな実情

都会は便利だけどストレスが多すぎる。自然は少ないし空気も汚い。年を取ったら田舎でゆっくり暮らすのもいいな……。こんな風に考えたことがあるという人もいるのではないでしょうか。

コロナ禍でリモートワークが広まったことで、田舎暮らしを具体的に思い描いたという人もいるでしょう。職種によってはパソコンとネット環境さえあればどこでも仕事ができる、会社に行かずに働くことが可能な時代になりつつあることは確かです。

JOB総研が20代~50代の男女を対象に行った「2023年地方移住の意識調査」によれば、地方移住ワークに「興味がある派」は全体の59.8%。半数以上が度合いの差はあれど、興味があると回答しています。

興味がある理由についての上位回答は、「首都圏よりも居住費が安い」が最も多く61.1%、これに「転職をせずに地方への引っ越しができる」55.0%、「自然の中で生活ができる」41.0%が続きます。

もう1つ、株式会社ドリームプランニングが2024年に行ったアンケート調査(500名対象)では、「フルリモートで働くなら、田舎が良いか、都会が良いか」という質問に対して、「田舎が良い」と答えた人が3.0%、「都会が良い」と答えた人が21.8%、「どちらとも言えない」と答えた人が8.6%。圧倒的に「田舎が良い」という回答の方が多くなっています。

とはいえ、いざ移住を実行するとなればハードルが高いもの。だからこそ「老後は田舎暮らし」が憧れのように語られるのでしょう。

現役時代に果たせなかった田舎暮らしを定年退職を機に実行したものの、思わぬ結果が待っていたというケースもあります。

ストレス満載の現役時代「いつかは田舎暮らししたい」

吉岡正さん(仮名・68歳)は長年勤めた会社を退職して数年。年金月21万円で夫婦で暮らしていましたが、妻の佳子さん(仮名・68歳)と共に生活を一新しようと考えていました。

もともと2人は関東近郊育ち。縁あって結婚し、東京の片隅で仕事も子育てもしてきました。吉岡さんは現役時代、往復2時間以上満員電車に揺られて通勤する日々。仕事のストレスも強く、「逆方面に乗って、このまま海や山の方へ行ってしまいたい……」そう思うことも少なくありませんでしたが、実行することはなく職場に向かう毎日でした。

佳子さんも子育てをしながら仕事をするという、あまりに忙しい毎日。心の癒しにマンションのベランダで、プランターで野菜を育てるのを楽しみにしていました。

夫婦共に自然好き。時折田舎に旅行に行って、ハイキングをしたり温かい現地の人々と交流するのも楽しみにしていました。

年月は経ち、子どもは独立し完全に手を離れました。定年をして仕事で縛られることもなくなったことで、いよいよ田舎暮らしを実行することにすることに。

ネットなどでリサーチした結果、移住者受け入れの実績もある、信州地方の村に移住することを決定しました。

念願の移住も「もう無理、東京に帰りたい」の悲劇

夢の田舎暮らしを実現し、夫婦で楽しい余生を送る……そのはずでした。しかし、実際には3年もたたずにその暮らしは終了することに。

一番の理由は人間関係です。「田舎はゆったりした雰囲気が流れているし、住んでいる人も優しく歓迎してくれる」そんな思い込みがありましたが、実際に感じたのは疎外感でした。

移住者歓迎と村の役場は盛り立てようとしていましたが、住人側は「普通に受け入れる」という感覚で、当然ながら特別対応はありません。実際には昔からの固いコミュニティが出来上がっており、その中に入り込むのは想像以上に困難でした。

自治会に参加した際には、つい「東京ではこうだった」と話をしてしまうことも。それを「なんだか感じが悪いよね」と取る人もおり、一層距離が出来ていきました。

広い庭で家庭菜園と思っていましたが、実際には管理が大変でほんの少ししか活用できません。当然ながら「ちょっとコンビニに行こう」などといった、都会にあるような便利さもありません。わかっていたことでも、想像と現実では感じ方が違い、じわじわとストレスになっていきました。

あんなに離れたいと思っていた都会に戻りたい……。2人がそう思うのに時間はかかりませんでした。しかし、快適に暮らすための室内のリフォーム代、田舎暮らしでは絶対に必要だった1人1台の車もムダになってしまいます。

夫婦が暮らしていたマンションはすでに売却済みですが、調べてみたところ、同じエリアや広さで同価格帯で再度購入することは困難でした。

しかし「それでもいいから」と、移住からおよそ3年後に東京へ戻ることを決断。とりあえずアパートで暮らしながら、老後の計画を立て直すことにしたとのこと。

「勝手に田舎を美化しすぎていた……私たちがいけなかった」

移住には十分すぎるほどのリサーチが欠かせない

吉岡さんのケースのように、理想と現実のギャップを埋められず後悔するケースは少なくないといいます。老後になると、新しい環境に馴染むのが一層難しいという実情もあります。

特に危険なのは、リサーチ不足のうえ現地に行かずに勝手なイメージで移住を決めてしまうこと。候補地にはきちんと足を運び、現状を把握することも大切です。東京であれば「ふるさと回帰支援センター」があるので、相談に行くのもよいでしょう。

きちんと段階を踏んで進めれば、理想の田舎暮らしが叶う可能性が高まります。十分すぎるほど準備をしたうえで実行に移すのがよさそうです。

【参考】 JOB総研「2023年地方移住の意識調査」 https://jobsoken.jp/info/20230213/ 株式会社ドリームプランニング「住むなら田舎or都会どっちがいい?【アンケート結果発表】」 https://uruhome.net/house-city-or-countryside/

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