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“まさかの幸運”で老後資産5,000万円を確保した60歳会社員、有頂天で長年勤めた会社を退職。自由とお金を手に入れたが…わずか5年後、ジリ貧老後へ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月1日 8時45分

“まさかの幸運”で老後資産5,000万円を確保した60歳会社員、有頂天で長年勤めた会社を退職。自由とお金を手に入れたが…わずか5年後、ジリ貧老後へ

思いもかけないお金が手に入り、「どう考えても老後資金が不足することはない」という状態になったら……。夢のようなシチュエーションですが、苦労せず得たお金だからと価値を軽んじてしまうと、危機的状況に陥ってしまうこともあるようです。見ていきましょう。

保有資産の平均値・中央値は?

老後にどれぐらい持っていれば、人それぞれとはわかっていても目安が欲しいもの。「老後2,000万円問題」が話題になって以降は、2,000万円ぐらいをベースに考えている人もいるかもしれません。

世の中の人がどれぐらい資産を持っているのか気になる人も多いでしょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、金融資産を保有している世帯の資産額の平均値及び中央値は以下の通りです。

〈金融資産を保有している世帯の資産額・平均値/全体〉

・単身世帯:1,492万円 ・2人以上世帯:1,758万円

〈金融資産を保有している世帯の資産額・中央値/全体〉

・単身世帯:500万円 ・2人以上世帯:715万円

※資産額には預貯金のほか株式や投資信託、保険などの金融商品も含む

さらに、世帯主の世帯主の年齢別で見てみましょう。

〈金融資産を保有している世帯の資産額・平均値/世帯主の年代別〉

20歳代:403万 30歳代:856万円 40歳代:1,236万円 50歳代:1,611万円 60歳代:2,588万円 70歳代:2,188万円  

〈金融資産を保有している世帯の資産額・中央値/世帯主の年代別〉

20歳代:171万 30歳代:337万円 40歳代:500万円 50歳代:745万円 60歳代:1,200万円 70歳代:1,100万円

※資産額には預貯金のほか株式や投資信託、保険などの金融商品も含む

平均値は著しく大きな数字があると引っ張られて高くなるため、中央値も併せて見ることが必要です。定年前後の60歳代を見ると、平均値で2,588万円、中央値でも1,200万円という結果になっています。

こうしたデータを見て「これより多い」「少ない」と一喜一憂する必要はないでしょう。住宅や車のローンを抱えていれば、たとえ上記の資産が多くても実質的にはマイナスだったりするからです。

また、いくらお金を持っていても、結局はその人の使い方次第です。特に苦労せずに手にしたお金には要注意。例えばこんなケースです。

「65歳まで働かなきゃ」が一転、60歳で余裕の退職

田中和男さん(仮名・60歳)は念願の定年退職を果たし、身も心もはればれとしていました。大学を卒業してからここまでよく働き続けた、これで自由だ―――。最終出社日、同僚に挨拶を終えると、颯爽と帰路につきました。

田中さんは決して器用なタイプではなく、営業の成績は常に中ぐらい。ストレスにも弱いタイプで、「仕事が楽しい」と思ったことはほとんどありませんでした。

コツコツ働き、58歳時には年収520万円、貯金は1,800万円、ローンはなし。少ない貯蓄ではありませんでしたが、退職金制度のない会社であることが大きな不安でした。

「独り身だし、誰も助けてはくれない。嫌だけど65歳まで働くしかない」

そう思っていたのですが、まさかのことが起きたのです。

それは若い時に大喧嘩をして以来、絶縁状態にあった父からの相続です。母はすでに死去しており、田中さんは一人っ子。父に資産があることも知らなかったのですが、父は亡くなる前に、自分宛の遺言書をきちんと残していたのでした。

手続きにかかる諸経費、税金を差し引いても3,000万円弱が転がり込んできた田中さん。突然老後への不安はすべて消え去りました。

「ありえない幸運だ。65歳まで働く必要なんてない、60歳できっぱり辞めよう」

こうして、晴れて60歳で退職。少し早く訪れた老後を悠々自適に過ごせるはずでした。しかし、お金を手に入れた田中さんに変化が現れたのです。

十分すぎるほどの老後資金があったのに…5年後、危機的状況へ

遺産と自分の貯金で5,000万円ほどの資産を持ちながらの自由な人生。時間もお金もあるのだから、これまでしんどい思いをしながら働いてきた自分に少しのご褒美をあげよう……始まりはそんな感じでした。

手始めに、賃貸マンションも家賃月8万5,000円の1Kから18万円の1LDKへ。長年乗っていた車を買い替えて憧れの高級車に。休みが取れずに行くことができなかったヨーロッパ各国への旅行も楽しみました。

収入が一切ないので、使った分そのまま減っていく通帳残高。しかし、それまで持ったことのないような大金、元々なかったお金が簡単に手に入ったことで、田中さんの「ご褒美」は止まらなくなりました。

とどめを刺したのは、「どれだけお金がかかるんだろう」と以前は一度も行くことがなかったキャバクラ。すっかりはまりこんでしまった田中さんは、遺産だけではなく、自分が苦労したお金まで使い込むようになりました。

その結果、65歳になるころには貯金は500万円を切るほどに激減。年金は月あたり13万円弱。家賃の支払いすらできない金額です。

ようやく冷静になった田中さんでしたが、使ってしまったお金は戻ってきません。

「あんなお金、もらわないほうがよかったのかもしれない」

そう悔やんでいるとか。

苦労をせず得たお金は浪費しがち?…どう使うかが肝心

突然大金を得て、人格が変わってしまう……こうしたケースはめずらしくありません。宝くじで1億円を当てた人が必ず幸せになるわけではないという話もあるように、お金がたくさんあるから安心、幸せになるのではなく、どう使うかで結果が変わるのでしょう。

また、長年働いた自分へのご褒美自体はまったく問題ありませんが、その範囲を決めておかないと、歯止めがきかなくなることも。長い老後のことを忘れることなく、適度に楽しむ程度にしておくべきでしょう。

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