〈手取り月18万円〉東京中央区・築45年のマンションに住む「32歳2児のシングルマザー」。生活苦でも都会のど真ん中にこだわる切実理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月1日 14時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
2023年の日本国内の婚姻件数は約47万件。一方で離婚数は約17万件。毎年、毎年、多くのシングルマザーが誕生しています。その暮らしは厳しい場合が多いようですが、わざわざ物価の高い東京に出てくるシングルマザーも。そこには切実な理由がありました。
経済的に依存する夫に三行半…子を連れ上京
加藤愛彩さん(仮名・32歳)。東京中央区で、6歳と5歳の子どもたちと3人で暮らすシングルマザー。元々は、地方で暮らしていましたが、離婚を機に上京してきたのだとか。なぜ、地方での暮らしを捨て、東京へ?
――田舎特有の生きづらさみたいなものがあって。私が住んでいたところは、近隣との距離が近くて、みんなおせっかい。それが離婚して、シングルマザーとなった身にはツラかったんです。元の旦那とも、できるだけ離れたい、できれば住んでいる場所を知られたくない、という思いもありました
3歳年上の元夫は、会社でのトラブルをきっかけに退職。その後、働かず、子育てもせず、ただ加藤さんに依存するようになったとか。「父親のいない子にしたくない」と離婚は躊躇したといいますが、「あんな父親がいるほうが、子どもにはよくないんじゃない?」という友人からのアドバイスにハッとして離婚する決心をしたといいます。
【男女別の離婚理由】
■女性の離婚理由
1位「性格が合わない」38.0%
2位「生活費を渡さない」28.9%
3位「精神的に虐待する」26.1%
4位「暴力を振るう」18.5%
5位「異性関係」12.9%
■男性の離婚理由
1位「性格が合わない」59.9%
2位「精神的に虐待する」21.4%
3位「その他」21.3%
4位「異性関係」12.0%
5位「浪費する」11.5%
※出所:裁判所『令和5年司法統計年報』
離婚話が進んでいる間も元夫は加藤さんに金銭を要求。そんな関係を完全に断ち切るためにも、そして都会のほうがシングルマザーにとっては何かと都合がいいと考え、上京することを決意しました。
都会の真ん中で生きるシングルマザー…生活は厳しい
東京はシングルマザーをはじめ、子育て世帯の支援が充実していて助かっているといいますが、それでもシングルマザーに対しての風当たりは強いと感じることも。
――やはり、経済的にはひとり親は厳しいですよね。そんなことを吐露すると、わざわざ物価の高い都会で暮らさなくても物価の安い地方に行けば、といわれることも。地方は地方で大変なんですけどね
地方だと、子どもたちを預けられるところも少ないし、仕事も少ない。また加藤さんは子どもたちを大学まで行かせたいといいますが、地方では選択肢が少ない。万一、進学のために上京となると下宿代まで仕送りしてあげられる自信がない……先々を見越して、上京するほうがメリットがあると判断したといいます。
それでも、シングルマザーの家計はいつも火の車。現在、契約社員として働いているという加藤さんの月収は23万円。手取りにすると18万円ほど。ほかにひとり親に対する給付金を月5万円ほど受け取っています。現在の住まいは、築45年のマンションで、広さは1DK、家賃は月9万円ほど。家賃を抑えるために、公営団地への入居も検討しているといいますが、職場と保育所を考えると立地がネックで躊躇しています。
――今は生活が厳しいですが、会社から正社員にならないか、という誘いを受けていて。下の子が小学校にあがるタイミングでまだ正社員になれそうなら、なりたいと思っています。そうしたら、今よりも生活は安定するはず。子どもたちには、片親という負い目を感じてほしくないので、頑張っていきます
都会の真ん中でたくましく生きる加藤さん。ただシングルマザーの置かれて状況は厳しいものがあります。厚生労働省が2023年に行った調査によると、養育費の取り決めを行っていない母子世帯は46.7%と約半数。取り決めをしていない最も大きな理由は、「相手と関わりたくない」が34.5%、「相手に支払う意思がないと思った」が15.3%、「相手に支払う能力がないと思った」が14.7%と続きます。さらに養育費の取り決めを行ったとしても、「現在も受け取っている」はわずか28.1%。シングルマザーが生活苦に陥る要因のひとつになっています。
未払いの養育費に対しては、法的手段を講じることが重要です。また最近の法改正により、養育費の取り決めがない場合でも一定額を請求できる制度の導入が検討。養育費の未払い問題が改善方向に向かうことが期待されています。
[参考資料]
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