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ちゃんと葬式をあげればよかった…〈年金月10万円〉〈貯金100万円以下〉80歳母が死去。安いからと「家族葬」に決めたが、思わず二度見する「葬儀費用」に52歳息子、絶句

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月4日 5時15分

ちゃんと葬式をあげればよかった…〈年金月10万円〉〈貯金100万円以下〉80歳母が死去。安いからと「家族葬」に決めたが、思わず二度見する「葬儀費用」に52歳息子、絶句

(※写真はイメージです/PIXTA)

いつか多くの人が「親の死」に直面します。そして多くの人が初めて「喪主」を務めることになるでしょう。しかし葬儀なんてわからないことだらけ。しかも親の死を前に冷静ではいられず、ついつい、葬儀社任せになってしまうことも珍しくありません。

52歳男性・80歳の母が亡くなり、初めての喪主

石川哲也さん(仮名・52歳)。80歳になる母親が亡くなりました。母子世帯の一人っ子だったという石川さん。近い身内を看取ったのは初めてのこと。初めてのことばかりでどうしたらいいのかわかりませんでしたが、病院が葬儀社を教えてくれて連絡。病院での安置は通常1時間程度とされ、「ずいぶんとせかされるなあ」という印象。

あれよこれよといううちに準備は整い、母の遺体は自宅へ。自宅では祭壇が設置され、まるでベルトコンベアに乗せられているかのように、葬儀社との打合せがスタートします。

株式会社エス・エム・エスが60歳以上の親を持つ男女を対象に行った『「親の終活に関する意識調査(2024年』によると、「親と生前話しておきたいこと」のトップは「介護の希望」で37.2%。続いて「葬儀」で35.9%、「延命治療」で34.1%と続きます。一方で「親の終活についての会話状況」については、「すでに十分に話せている」はわずか8.9%。一方で「話したこともないし、今後も話すつもりはない」が29.%と3割弱を占めます。

やはり元気で生きているうちに「病気になったらどうする?」「介護が必要になったら?」「死んだら?」などとは、話を切り出しにくいもの。しかしそうやって聞いておかないと、万一のときに困ったことになります。石川さんの場合も、万一のときのことをきちんと話しておらず、「母ちゃん、どうしてほしかったんだろう……」と考え込む始末だったといいます。

それでも、いつまでも決めないわけにはいきません。何よりも気になるのは葬儀費用。初めてのことで、いくらかかるものなのか、見当すらつきません。ただ「母ちゃん、派手なことは嫌いだったから、地味な葬儀のほうがいいんじゃないかな」と思い立った石川さん。そこで、最近テレビCMで目にすることも多い「家族葬」にすることにしたといいます。

葬儀社におまかせ…後日、想定以上の葬儀代に仰天

家族や親族、親しい友人を中心に行う小規模な葬儀形式である家族葬。参列者は限られ、10人から30人程度。その分、コストを抑えることができるといわれています。

――お金もないし、こぢんまりとやろう。そのほうが母ちゃんも喜ぶと思うから

石川さんの母親は、年金が月10万円ほど。最近は入院費がかさみ、貯金を取り崩し、今、口座に入っているのは100万円以下だといいます。そのため葬儀にかける費用はできるだけ小さくするのが正解のように思えました。そうと決まれば、あとは親しい人だけに声をかけるだけ。石川さんは初めての喪主を務めましたが、葬儀社から尋ねられたことを決断すること以外に特にすることもなく、その分、母親との思い出にひたることができたといいます。

滞ることなく葬儀を終わらせることができた石川さん。葬儀後、葬儀社から請求書が送付されてきました。そこで石川さん、思っていた以上の金額に思わず請求書を二度見したといいます。

――えっ、120万円もかかったの?

明細をみる限り、怪しいところはありません。ただ葬儀社からいわれてもよくわからないので、「はいはい、いいですね」「はい、それで構わないですよ」と聞き流していたことは否めません。その結果、祭壇や遺影写真はグレードアップされ、生花も追加。飲食接待費用も、久々に親戚が集まるのだからとグレードをあげていました。結果、想定以上に費用は膨れ上がっていたのです。

――母親を亡くしたばかりですよ。それなのに、一つひとつ葬儀のことを決めていくなんて……そんな冷静でいられますか?

家族葬のメリットのひとつは、費用が安いこと。株式会社鎌倉新書が行った『第6回お葬式に関する全国調査(2024年)』によると、コロナ禍を境に、家族葬の割合が一般層を上回り、葬儀の種類では家族葬がトップで50.0%。一般葬は30.1%でした。またその平均費用は家族葬が105.7万円に対し、一般葬が161.3万円。また最頻価格は家族葬が60万円~80万円未満に対し、一般葬が120万円~140万円未満です。

確かに家族葬のほうが安いものの、参列人数で考えると、「家族葬は割高」と感じる人も。また家族葬の基本プランは斎場の使用料が含まれていない場合もあり、追加料金として請求。人気の斎場だと「えっ、こんなに高いの?」ということも珍しくありません。また故人の搬送にかかる費用やお布施なども基本料金に含まれていないことがあり、請求書の段階で初めて追加料金だと知るケースも。

さらに家族葬は一般葬に比べて費用が抑えられることが多いものの、香典が少ないため、結果的に家族の負担が大きくなることがあります。参列者は20名ほどだった石川さんの母親の葬儀。香典返しの手間を考えて、香典は受け取らないことにしました。その結果、母親が残した貯金以上の費用がかかり、オーバーした分は石川さんが負担するしかなくなったのです。

――これなら、コスト的にもちゃんと葬式をあげたほうがよかったじゃん

そう思ったところで、後の祭り。もちろん、母親をきちんと送り出したことに後悔はないものの、すべて葬儀社におまかせしたのはまずかったと反省しています。

一般的に家族葬は満足度の高い葬儀スタイルといわれていますが、後悔する人がゼロ、というわけではないようです。

[関連資料]

株式会社エス・エム・エス『親の終活に関する意識調査(2024年』

株式会社鎌倉新書『第6回お葬式に関する全国調査(2024年)』

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