転職なんてするんじゃなかった…60歳から心機一転、新天地で働き始めた営業マンの後悔。わずか11ヵ月で失意の退職→老後危機へ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月6日 12時30分
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高年齢者雇用安定法の改正や年金の支給開始年齢の引き上げで、少なくとも65歳まで働くことが一般的になりました。しかし、60歳を過ぎて継続雇用になると、それまでと同じ条件で働くのは難しくなることがほとんど。「それなら転職したほうが……」そう考える人もいるかもしれませんが、うまくいくとは限らないようです。
「あと5年ここで働くのはキツイ」加藤さんの深刻な悩み
加藤正利さん(仮名・当時59歳)は、地方の中小企業に勤めるサラリーマン。年収は720万円、妻は専業主婦。娘と息子が1人ずついますが、すでに独立済みです。
営業マンとして働いていた加藤さんは、長年働いていた会社に愛着があったものの、翌年に控えた60歳からの継続雇用に密かな悩みを抱えていました。
営業成績を管理するために部下に厳しい態度を取らざるを得ないことも多く、一部の部下からは疎まれている気配を感じていた加藤さん。
60歳以降は役職がなくなり、部下だった社員が上司になるのが通例。しかも、給料は今の6割程度に減る見込みです。
貯蓄は1,800万円あり、退職金は2,000万円の見込みで、住宅ローンの返済が70歳過ぎまで続きます。65歳まで働けば老後はなんとかなるだろうと考えていましたが、あと5年、不遇の環境で働くことが憂鬱でした。
しかし、そんな加藤さんに思わぬ転機が。長く付き合いのあった営業先の担当者から「もしよかったら、うちに来て仕事をしませんか?」と声を掛けられたのです。
話によれば、経験豊富で社員の業務管理をできる人材を求めていたとのこと。収入も現在よりは下がりますが、継続雇用で残るよりは高い金額を提示されました。
加藤さんにとっては願ってもない機会。現役時代の最後、新しい環境で心機一転頑張る方がずっと楽しそうだ。そう思い、長く勤めた会社を後にしました。
しかし、この前向きな気持ちはそう長くは続かなかったのです。
転職しなければよかった…すぐに後悔したワケ
職場が変われば事態が好転すると思い込んでいた加藤さんですが、実際はそうではありませんでした。
前の会社で培った経験があるし、もともとこの会社とは長く付き合ってきたのだから大丈夫だろう。それは甘い考えだったと言わざるをえませんでした。新しい職場で一から人間関係を構築し、会社独自のルールを覚え、結果を出していくということは想像以上に難しかったのです。
長い経験を買われて転職したこともあり、受け入れる側の会社の目も厳しいものでした。新卒からずっと同じ会社で働き転職経験のなかった加藤さんは、その厳しさを認識できていなかったのでした。
「前の会社に残っていればよかった」と、すぐに後悔するようになった加藤さんは、結局11ヵ月という短い期間で自ら退職することに。
その後、再就職をしようとハローワークにも行きましたが、どこも条件はがくっと悪くなります。「また失敗したら」という気持ちが出てしまっているのか、面接もうまくいきません。そうこうしているうちに、1年近くの時が流れていきました。
働かないでいるうちに、恐ろしいスピードで貯蓄は減っていきます。加藤さんの家の支出さは、住宅ローンの返済も含めてだいたい月30万円ほど。それに、健康保険や年金保険料などの支払い、突発的な支出もあるため、年間で400万円以上が出ていく計算です。
安泰だと思っていた老後も赤信号に。妻からのプレッシャーで家にも居場所がなく、「完全に判断を誤った、転職なんてしなければ」と後悔しきりだといいます。
60代以降の再就職は慎重に
高年齢者雇用安定法の改正や年金の支給開始年齢の引き上げで、少なくとも65歳まで働くことが一般的になりました。実際には70代まで働く人もめずらしくない時代ですが、働く条件がずっと同じかと言えばそうではありません。
2021年に実施されたパーソル総合研究所の調査によれば、定年後の再雇用では年収が下がった人が約9割。金額は平均44.3%減少するという結果になっています。
さらに約5割の人が、年収が半分以下になっているといいます。さらに、それまであった役職も外され、疎外感を感じることも少なくないようです。
だからといって、安易に別の会社に転職をと考えるのも危険です。一方で、加藤さんのように「新しい職場に行けば道が開ける」と思っても、そううまくいくとは限らないからです。
もちろん転職がうまくいき活躍できる人もいるでしょう。とはいえ、一度退職すればよほどでない限り元の会社に戻れることはありませんから、後悔することのないよう、とにかく慎重に行動したほうがよさそうです。
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