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悔しすぎます。年金選択ミスで年間20万4,000円の損失… 72歳男性が後悔した〈1枚の申請書〉の存在とは?【CFPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年2月12日 10時15分

悔しすぎます。年金選択ミスで年間20万4,000円の損失… 72歳男性が後悔した〈1枚の申請書〉の存在とは?【CFPの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

現在、年金の受給開始年齢は原則として65歳です。年金を受け取るには、日本年金機構から送られてくる封書に基づいて手続きを行う必要がありますが、中には気をつけなければならない点もあります。今回は、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、年金受給手続きに関する注意点について解説します。

老齢基礎年金と老齢厚生年金

老齢年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金に分けられます。そして老齢厚生年金に関しては特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢(65歳)に達した人に日本年金機構から「年金請求書(事前送付用)」が届きます。

また、老齢基礎年金の受給開始年齢(65歳)に到達する3ヶ月前にも、同じように「年金請求書(事前送付用)」が日本年金機構から届きます。

1人1年金の例外

現在の年金制度では、支給事由が異なる2つ以上の年金を受けられるときは、原則としていずれかの一つを選択しなければなりません。支給事由が異なる年金の組み合わせとしては、障害基礎年金と老齢厚生年金や、老齢厚生年金と遺族厚生年金などが挙げられます。

障害基礎年金を受け取っていた太一さんの大きな失態

太一さん(72歳)は、小さい頃から聴覚に障害があり、20歳から障害基礎年金を受け取っていました。障害年金等級は1級だったため、その年の老齢基礎年金満額×1.25倍を受け取っていたのです。

太一さんは障害者雇用で採用されたため、昇給は望めなかったものの、会社の給与に加えて障害基礎年金を受け取れていたため、非常に助かったといいます。太一さんは結婚していたものの子どもがいなかったため、子の加算額はありません。

20歳前の障害が原因で受け取る障害基礎年金は所得制限(約470万円)があるものの、定年までそれを超えることはなく、そのことを加味しても助かったと言えるでしょう。

定年後は再雇用として65歳まで働いていました。

65歳からの年金受給手続き

太一さんが65歳の誕生日の3ヶ月前に、日本年金機構から「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」という封書が届きました。太一さんは必要事項を記入し、必要書類をそろえたうえで、年金事務所で請求手続きを行いました。

そして、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ることになったのです。

知らなかった「年金受給選択申請書」の存在

太一さんは、これまでは障害基礎年金を受給していましたが、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金になるのは当たり前と思っていました。そのため、障害基礎年金よりも老齢基礎年金の額が少なくなったことについて残念に感じていたのです。

しかし、障害基礎年金と老齢厚生年金は支給事由が異なるため、併用が可能なのです。そしてそのためには、「年金受給選択申請書」にて老齢基礎年金か障害基礎年金かどちらを選び、提出する必要があります。

そんなことは全く知らなかった太一さん。確かに日本年金機構のサイトで調べるとそのように掲載されています。年金請求手続きのために年金事務所に行ったときには、「年金受給選択申請書」については全く触れられなかったため、急いで年金事務所に問い合わせてみました。

すると、さかのぼっての請求はできないけれど、「年金受給選択申請書」を提出し、手続きを行った翌月分から障害基礎年金に変更できるとのことで、すぐに手続きを行ったのでした。

65歳以降も障害基礎年金を受け取り、老齢厚生年金と併給受給していれば、障害基礎年金部分は非課税で受け取れるため、源泉徴収される金額も少なくなります。しかも受け取れる障害基礎年金額は老齢基礎年金の1.25倍です(2024年だと102万円)。老齢基礎年金と20万4,000円の差です。気付かなかった7年間の損失は今後のことを考えるとまだ少ないほうかもしれません。

太一さんはもっと年金制度の内容について知っておくべきだったと後悔しています。

年金受給に関しては、本人の年金制度への加入期間やその間の収入額、また配偶者の状況などさまざまな条件で受給額が異なるだけでなく、必要な手続きも異なります。

年金請求書(事前送付用)だけでいいのか、それともほかに必要な書類があるのかを事前に確認しておくことが大切です。

サイトを見ただけでは分からない場合は、事前に年金事務所や街角の年金相談センターなどで相談してみることをおすすめします。

新井智美

トータルマネーコンサルタント

CFP

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