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これは親孝行なんだよ…36歳“出戻り息子”が放った「戦慄のひと言」。年金月23万円から小遣い月5万円を笑顔で渡す「母の献身」と「父の憂鬱」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2026年2月14日 10時15分

これは親孝行なんだよ…36歳“出戻り息子”が放った「戦慄のひと言」。年金月23万円から小遣い月5万円を笑顔で渡す「母の献身」と「父の憂鬱」

地方都市で暮らす高齢夫婦のもとに、37歳の息子が「立て直し」を理由に帰省。息子を溺愛し献身的に支える母と、老後資金の目減りに不安を募らせる父の間に溝が生じます。期限も役割も決めない同居が、家計と将来を脅かす現実――。事例とともに見ていきましょう。

「出戻り息子」が実家に帰還…喜ぶ母、黙り込む父

地方都市で暮らすCさん(74歳・仮名)は妻(71歳)と2人、静かに暮らしてきました。そこに突然加わったのが、36歳になる一人息子です。

息子は大学卒業後、「東京で働く」といって実家を出ました。それ以来、転職を繰り返していたようですが、10ヵ月前「体調を崩した、しばらく実家で立て直したい」と帰ってきたのです。

Cさんにとって、それは想定外の出来事。一方で、妻の反応はまるで違いました。

「東京でよく頑張ってきたね。帰ってきてくれてうれしいよ!」

もともと息子を溺愛していた妻。一人っ子ということもあり、息子が家を出ていった時の消沈ぶりを、Cさんはまだ覚えています。

10数年ぶりの息子の帰還に、妻の毎日は一変しました。朝は息子の好みに合わせた食事を用意し、果物は皮をむいて出す。洗濯も掃除も「あなたはいいのよ」とすべて引き受けます。

「パートを辞めて数年、生きがいがなかったところに息子が帰ってきて、愛情を全開で注いでいる感じなんですよ。息子は風貌が学生の時からあまり変わっていない童顔なのも、妻が甘やかしてしまう一因なのかもしれません」

その息子は家事を手伝うこともなく、ゲームをしたり、ふらっと外出したり。Cさんが「そろそろ働いたらどうだ」と促しても、「まだ体調が戻りきってないんだ、もうちょっと待ってよ」と、はぐらされる日々でした。

「ずっとここにいようかな」背筋の凍るひと言

Cさん夫婦の資産は、預貯金約2,600万円。年金収入は夫婦で月23万円。2人なら細く長く暮らせる計算でした。

しかし、息子が戻ってきてからというもの、食費は一気に倍以上に。光熱費も上昇。さらに妻は「お金が必要でしょう」と、毎月5万円のおこづかいを息子に渡していました。

「息子に聞くと、貯金もほとんどないっていうんですよ。それで40歳近い息子に年金から小遣いを出してるんです。正直、恐ろしい事態ですよ。私がやめろといっても、妻がこっそり渡してしまうんです」

危機感を募らせるCさんの一方で、妻は「今は大変な時期なの。親なんだから支えなきゃ」と息子をかばいます。

そんな母の献身を当然のように受け入れ、ついには息子から、こんな言葉まで飛び出しました。

「俺がここにいるだけで親孝行なんだよね、母さんにとっては。ずっとここにいようかな?」

――冗談めかした口調でしたが、Cさんの背筋は凍りました。このまま息子が定職に就かず、実家に居続けたらどうなるのか。老後資金が目減りし、介護や医療が必要になったとき、支え合う余力は残っているのか。

「このままじゃ共倒れですよ」

Cさんは肩を落とします。

親離れ・子離れができない人が1割…支えることだけが愛情ではない

Cさんの家庭には、出戻り息子を無条件で歓迎する母と、この先に不安を抱える父という、深いすれ違いがあります。ですが、これは特別な家庭の話ではありません。

ネットエイジア株式会社の「『おとなの親子』の生活調査2025」(70歳以上の親がいる40~69歳男女2,000名対象)によると、「親離れができていないと感じたことがある」と答えた人は9.9%、「親が子離れできていないと感じたことがある」と答えた人は9.7%でした。

多くの家庭では親離れ・子離れができている一方、約1割はその境界があいまいなままであることがうかがえます。

事情があって子どもが実家に戻ること自体は、決して悪いことではありません。問題は、期限も役割分担も決めないまま、ズルズルと同居が続いてしまうことです。

・いつまで同居するのか ・生活費はどこまで親が負担するのか ・働く意思と具体的な計画はあるのか

これらを話し合わず、「かわいそうだから」「今は仕方ない」で流してしまえば、老後の家計は確実に蝕まれていきます。親の年金や貯蓄は無限ではなく、やがては8050問題――高齢の親が中高年の子を支え続け、共倒れに陥る社会問題へとつながりかねません。

支え続けることだけが愛情とは限りません。自立を促す距離感も、親にできる大切な選択のひとつです。「子どもは何歳になっても子どもだから、守らなきゃ」……そんな親の愛情が、自らの老後を削っていないか、いま一度、立ち止まって考える必要があるでしょう。

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