ドローン最前線!誰でもプロ並みの飛行と撮影が楽しめる「DJI SPARK」の実力
&GP / 2017年5月28日 19時0分
ドローン最前線!誰でもプロ並みの飛行と撮影が楽しめる「DJI SPARK」の実力
誰もが気軽に飛ばせるドローンを目指して進化させ続けているDJIから、新たに「DJI SPARK」が発表された。同社の歴代モデルの中では最小で最軽量。だが、その小さな機体には、気軽に飛ばせて、しかもプロのような空撮を可能にする機能が凝縮されている。そんなDJI SPARKの実力を見ていこう。
▲焦点距離25mm/F2.6のレンズで、1200万画素の静止画、1080p/30fpsの動画が撮影できるドローン。2軸のジンバルで、ブレを最小限まで抑制。GPS/GLONASSほか多彩なセンサーで、高い飛行安定性を備える。最大50km/h、飛行時間は約16分。本体サイズ143×143×55mm/重量300g
もしもこんなドローンがあればなぁ……。そんなドローンを、次から次へとリリースしているのがコンシューマー向けドローンで、圧倒的なシェアを誇るDJIだ。そんなDJIから新たに、まるで猛獣使いのように、自分の手のひらだけでドローンを自在に動かせる「DJI SPARK」が発売されようとしている。
まずは機体を手のひらに乗せて電源をON。機首を数秒間、ジッと見つめると、プロペラが回りはじめて、フワッと離陸する。そのままホバリングさせ、同じ場所にとどまっている。そうしたら、猛獣だと思っていたドローンが、よくしつけられたペットのように動いてくれる。手のひらを機首に向けて、左右上下に動かすと、その手のひらの動きに追従して、機体の位置を変えてくれるのだ。
両手でフレームを作るようなジェスチャーをすると、ドローンが少しだけ後方に移動して、カシャッっと写真を撮ってくれる。DJI SPARKが搭載するカメラは、ブレを軽減するジンバルに支えられているし、F2.6と明るいレンズ。1200万画素の精細な写真が撮れるのだ。
撮影が済んだら機体に近づいて、その下に手を入れれば、手のひらにソッと着陸してくれる。この一連の動きを見ていると、本当にドローンが生き物のように見えてくる。
■アプリを使えば、よりプロっぽい映像が撮れる!
手のひらのジェスチャーで撮れるのは、シンプルなセルフィだけ。もしかすると、そんなシンプルな撮影は、すぐに飽きてしまうかも。でも心配することなかれ! もっとプロ級の映像を、誰もが簡単に撮れるのがDJI SPARKだ。
そんな撮影を可能にするのが、スマートフォン用の専用アプリ「DJI Go 4」のクイックショット。クイックショットを使うと、被写体を捉えて真上に上昇しながら(ロケット)、機体を斜め上に上昇させながら(ドローニー)、または被写体を中心に周囲を旋回しながら(サークル)、さらに周囲を旋回して上昇しながら(ヘリックス)、それぞれ動画を撮ってくれるのだ。
・「ロケット」は、被写体の真上を垂直に上昇しながら動画を撮影
・「ドローニー」は、被写体を捉えながら、後方斜め上に上昇しながら撮影
・「サークル」は、被写体の周囲を、円を描きながら旋回して撮影
・「ヘリックス」は、被写体を中心に、円を描きながら上昇しつつの撮影
それだけではない。被写体を追いかけながら前進または後退しながら撮影することも、並走しながら撮影し続けることもできる。
▲被写体の動くスピードに合わせて、後退または前進しながら撮影できる
▲被写体と並走しながら、撮り続ける
搭載するF2.6の明るいレンズを生かして、よりアーティスティックな写真にも対応する。被写体の周囲をボカシた撮影が可能だというのだ。これまでは、空撮というだけで満足していたが、今後は、より芸術性の高い写真や動画が撮れる。
▲35ミリ判換算で焦点距離25mm、F2.6の広角で明るいレンズを搭載する
▲被写体の周辺をボカシた、アーティスティックな撮影にも対応する
■初心者が不安にならないようにする対策もバッチリ!
DJI SPARKは、パッと見が小さいから、エントリーモデルだと思うだろう。だが、実は本格派。スマートフォンでの操作なら100m離れた場所まで、さらに別売の送信機を使えば半径2kmまで操作できる。
コンパクトな機体の中には、安定した飛行と精細な映像撮影のために必要な機構が詰まっている
▲本体サイズは143×143×55mmで重量300gと軽量コンパクト
▲機首には3次元認識システムと2軸ジンバルに支えられたカメラを配置。カメラはチルトでき、前方から垂直真下の撮影が可能
▲コンパクトだが強力なモーターを4基搭載
▲最高時速は50km
▲1480mAhのバッテリーを採用し、飛行時間は約16分
▲GPS/GLONASSに対応するほか、より精緻に位置を把握するためにセンサーカメラなどを搭載
▲別売の専用送信機を利用すれば、2km離れた場所でもコントロールできる
そんな本格的なドローンを飛ばすことに不安になることも多い。そんな中で、一番不安に感じるのが、もし制御不能になって、とんでもない場所へと勝手に飛んでいったらどうしよう……ってこと。
DJI SPARKには、自動帰還モードや障害物を自動回避してくれる機能を備えている。アプリを数タップすれば、離陸した場所へと障害を避けながら戻ってきてくれるのだ。もし自分のスマートフォンなどと接続が切れたり、バッテリーが残り少なくなったりすれば、自ら「あ、そろそろ戻った方がいいな」と判断して、帰ってきてくれるわけだ。
▲障害物を察知すると、自動で回避しながら飛行する
ホビー向けとは思えないほどの高性能なDJI SPARK。だがホビー向けだからこそ、誰もが安全に飛ばせるようなスペックが求められるとも言える。そんな誰もが、気軽にセルフィ撮影できたり、ダイナミックな空撮を楽しめたりするDJI DJI SPARKは、また一歩、ホビー向けドローンの可能性を広げたといえる。
1つ残念なのは、機体重量が200gを超えていること。安全に飛ばせるとはいえ、いわゆる「ドローン規制」には引っかかるので、飛行場所や申請等に気をつけて飛ばす必要がある。今後は、高い飛行性能を保持したまま、よりコンパクトで自由に飛ばせるドローンを開発してくれるだろう。
>> DJI「SPARK」
(取材・文/河原塚英信)
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