【VW 新型up! 試乗】小さなボディに楽しさと安心感、そして使いやすさを凝縮!
&GP / 2017年6月3日 11時0分
【VW 新型up! 試乗】小さなボディに楽しさと安心感、そして使いやすさを凝縮!
VW(フォルクスワーゲン)のラインナップの中で、最小モデルとなるのが「up!(アップ)」。今回のマイナーチェンジで全長が65mm伸びて3610mmとなりましたが、街中で使いやすいサイズ感はそのまま。
同社の看板モデルである「ゴルフ」が、以前に比べるとずいぶんサイズアップした今、かつてのゴルフの思想を受け継いでいるのは、もしかしたらこのup!なのではないかと思える、ちょうど良いサイズです。街乗りを中心にした試乗で感じた、その使い勝手のほどをお伝えしましょう。
外観だけを見ていると、モデルチェンジでどこが変わったのか分からないほど、イメージは従来モデルそのままですが、ヘッドライトにLEDのポジションランプが追加されていたり、ドアミラーにウインカーが内蔵されていたりと、細かい部分がブラッシュアップされています。
内装に目を向けると「やや若者向けかな」と感じられた従来モデルとは異なり、少し落ち着いた雰囲気にイメチェンされています。とはいえ、ボディカラーに合わせたドット加工が施されるダッシュボードやシートカラーなど、ポップな印象は変わりません。
今回のモデルチェンジで大きく変更されたのは、ナビゲーションやオーディオなどをコントロールするインフォテイメントシステム。“Composition Phone”と名付けられた同システムは、本体に5インチのカラーディスプレイを搭載していますが、ナビゲーションなどの表示は、基本的にBluetooth接続したスマートフォンで行う仕組みです。
up!オリジナルの「maps+more」というスマホアプリは“NAVITIME”と連携していて、地図情報などは常に最新。据え置きナビの地図更新作業をわずらわしいと感じるスマホ世代にとっては、合理的なシステムといえます。クレードルで固定したスマホを車体側のボタンで操作できるので、小さなスマホ画面をタッチする面倒がありません。
ただし、専用のクレードルではスマホを横向きにしか設置できないので、縦画面での表示に慣れている人には、ちょっと違和感があるかもしれません。
パワーユニットは、1リッターの3気筒自然吸気エンジン。組み合わせる変速システムは、5速のASG(Automatisiertes Schaltgetriebe)です。ドイツ語で“自動変速のマニュアルミッション”を意味するこのギヤボックス、MT車が主流のヨーロッパでは多く採用されているタイプで、通常のトルコン式ATに比べてダイレクトなシフトフィールが味わえるのがポイント。MT車のようにクルマを操っている感覚が強いのと、システム自体が軽量なこと、そして、伝達効率が高いので実用燃費が良いのがメリットです。実際、up!の燃費は22km/Lと、ガソリンエンジン車としてはなかなか良好です。
ただし従来モデルでは、その変速フィーリングがややダイレクト過ぎるきらいがありましたが、今回のモデルチェンジで、そうした感覚はだいぶマイルドになりました。その分、MT車でいうところの、クラッチを切って半クラッチで繋いでいる時間が長くなったようにも感じますが、メーカーが推奨するように、ギヤが切り替わるタイミングで、MT車よろしくアクセルペダルを軽く戻してやると、シフトショックはさらにやわらいで、スムーズに変速していきます。
このASG、自動で変速するドライブモードと、ドライバーが手動で変速するマニュアルモードとを選べるのですが、乗っていて楽しいのは、断然、マニュアルモードの方。コンパクトでキビキビ走る車体をより積極的にコントロールしている感覚を味わえます。それでいて、停車時にクラッチを切ったり、シフトを1速に戻したりする操作は不要なので、気軽に運転できます。登り坂で停車した際に自動でブレーキをかけ、発進する際にクルマが後ずさりしないようにしてくれるヒルホルダー機能も、地味ですがありがたい装備ですね。
エンジンも最高出力は、75馬力と決して高くはありませんが、5速ASGを駆使して上まで回すと、なかなか気持ち良く吹け上がってくれます。ビックリするほど速くはないのですが、車体が4ドアでも950kgと軽量なので、かなりキビキビ走れます。また、最小回転半径が4.6mと小さいこともあって、クルクル曲がっていける感覚が楽しい! 短いフロントとリアのオーバーハングと相まって、狭い路地や奥まった駐車場の出し入れも楽に行えそうです。
コーナーリング時のしっかりとした剛性感は、さすがはドイツ車! 足回りのゴツゴツとした硬さは皆無ですが、荷重をかけたり、路面の継ぎ目を越えたりしても、フワフワしてしまうことはありません。エントリーモデルとはいえ、そこはVW車らしいところですね。
コンパクトで軽量な車体を活かし、操る楽しさと安心感を両立。それでいて、現行ゴルフよりも高い1495mmという全高を活かし、ゆとりある居住性を確保。ラゲッジスペースも251Lと必要にして十分で、リアシートを倒せば最大959Lという広大なスペースが出現するなど、使い勝手も良好です。
それでいて価格は、158万7000円~(2ドアモデル)とリーズナブル。小さいけれど運転していて楽しく、安心感あるモデルに乗りたいと考えている方は、輸入車だからと構えることなく、選択肢のひとつに入れられることをオススメします。
<SPECIFICATIONS>
☆high up!(4ドア)
ボディサイズ:L3610×W1650×H1495mm
車重:950kg
駆動方式:FF
エンジン:999cc 直列3気筒 DOHC
トランスミッション:5速ASG
最高出力:75馬力/6200回転
最大トルク:9.7kg-m/3000~4300回転
価格:193万8000円
(文/増谷茂樹 写真/&GP編集部)
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