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Apple Watchが秘める可能性――チャレンジが日々の運動をもっと楽しくする

&GP / 2017年8月2日 7時0分

Apple Watchが秘める可能性――チャレンジが日々の運動をもっと楽しくする

Apple Watchが秘める可能性――チャレンジが日々の運動をもっと楽しくする

"健康的な生活”を実現するために具体的に何をすべきか――この問いの答えは、きっと人それぞれ異なるのでしょう。しかし、すぐに答えが思いつかない人も少なからずいるのではないでしょうか。

そんなとき、iPhoneの「ヘルスケア」アプリを起動してみてください。画面には「アクティビティ」「マインドフルネス」「栄養」「睡眠」という4つのジャンルが表示されます。この中に、自身の健康的な生活を実現するヒントが必ず隠れています。

本記事ではまず、「アクティビティ」の項目に焦点を絞り、運動管理における「Apple Watch」の活用法と、watchOS 4での進化点を中心とした最新事情についてご紹介しましょう。

■Apple Watchのおさらい

「Apple Watch」はiPhoneとペアリングして使用するデバイスです。サイズは38mmと42mmモデルの2種類があり、ケースやバンドの豊富な組み合わせを選択できるのが特徴です。ケースにはSeries 1と2がありますが、後者のみGPSや防水、Felicaをサポートしています。

Apple Watchの「アクティビティ」アプリでは、日々の活動量を測定できます。同アプリのゴールは、3つのリングを完成させること。運動することで線が伸びていき、目標値を達成すると線が一周してリングが完成するという仕組みです。このデータがiPhoneの「アクティビティ」や「ヘルスケア」アプリに蓄積されていきます。

リングの種類は3つ。運動時の消費カロリーを表す「ムーブ」(赤)、運動時間を表す「エクササイズ」(緑)、立っていた頻度を表す「スタンド」(青)。

減量や体重維持を目的とするならば「ムーブ」で消費カロリーの記録管理が行えます。日々の運動不足解消や、もう少し歩くことを心がけるなら「エクササイズ」が必要運動時間の目安になります。事務作業が多く、座っていることが多い職業ならば「スタンド」のアラートが役立ちます。

なお、ランニングやスイミングなど特定の運動をする場合には「ワーウアウト」アプリを利用します。同アプリで測定したデータは、自動的にアクティビティと連携して記録される仕組み。また、「Nike+ Run Club」など、サードパーティ製にもアクティビティと連携できるアプリも増えてきています。

 

■モチベーションを維持する仕組み

運動を継続的に続けるには、日々のやる気を維持することが重要です。Apple Watchには、使用者のモチベーションを維持する仕組みがいくつも詰まっています。

例えば、1週間リングを完成させ続けるなど一定の記録を達成した場合には、それを証明するバッジが獲得できます。また、「アースデイチャレンジ」や「国立公園チャレンジ」など、特定の記念日に開催されるチャレンジもあります。

現状、日本限定のチャレンジは開催されていないようですが、そのうち「お正月太りを防ぐために1週間ウォーキングチャレンジ」とかが出てくれば面白いですね。

また、100日、365日、500日、1000日分ムーブを達成する貰えるバッジなど、長期的な課題もあります。

友だちとアクティビティの記録を競える機能もあります。「アクティビティ」アプリの「シェア」で設定を行えば、友だちや恋人、家族の運動量がリアルタイムに共有可能。パーソナルトレーナーと共有して、自身の活動量を報告するなんて使い方もできます。また、「Challenges」というアプリでは、チームで課題にチャレンジ可能。複数人で楽しめば、達成率も上がること間違いありません。

さらに、秋になって「watchOS 4」が登場すると、「スマートコーチング」機能が追加されます。例えば、夕方になると「1日の終わりが近づいていますよ。あと8分歩けばリングが完成しますよ」といったように、利用者の進捗状況に合わせた提案が通知されるわけです。

従来はシンプルに進捗状況が通知されるだけでした。「~しましょう」というアドバイスが来るようになれば、目標達成の意識も保ちやすくなるでしょう。

■watchOS 4では水泳でも使いやすくなる

「走るのは苦手だけど、泳ぐなら大丈夫」という人もいるのではないでしょうか。Apple Watch Series 2は防水性能を備えているので、プールや海で泳ぐ際にも利用できます(日本では、使用できるプールが限られているので、使用前に要確認)。

ワークアウトを開始して水中で泳ぎ出せば、自動的に「ウォーターロック」が掛かります。これにより、水がディスプレイに反応することによる誤作動が防がれます。ロックを解除するには、デジタルクラウンをくるくる回せばOKです。サウンドが出て、スピーカー部の水を排出します。

watchOS 4では、水泳のワークアウト検出がパワーアップします。例えば、プールの端で10秒以上休むと、そこで休憩をしたことが記録されます。そこまでの泳ぎが1セットであると認識され、泳法、距離、タイム、スクロール数、ラップタイムなどを確認できるのです。

ちなみに、Appleでは独自のプールを用意し、そこで泳ぎのレベルの異なる多くの人を対象に、さまざまな泳法や温度でデータを測定しています。こうした研究により、シーンを問わず安定した精度でカロリーを検出できるわけです。

 

■HIITの測定や複数ワークアウトの連続測定に対応

watchOS 4では、「ワークアウト」アプリのUIも改良されます。まず、「ランニング」や「ウォーキング」のメニューを選択する画面は、アイコンを利用した見やすい表示に変わります。

また、高強度インターバルトレーニング(HIIT:High-Intensity Interval Training)の測定にも対応しました。スポーツの競技者や、ジムに通ってブートキャンプのようなエクササイズをする人も、Apple Watch上のワークアウトを選択する際に悩まなくなりそうですね。

トライアスロンのトレーニングのように、複数のワークアウトを連続して行う場合にも、スワイプとタップ操作だけでスムーズに移行可能になります。複数のワークアウトを連続で行った場合も、サマリーでそれぞれの内訳を確認できます。

筆者もランニングとサイクリングを連続で行うことが多いので、配信が楽しみです。

■ジムで測定したデータを持ち帰ることが可能に

従来、ジムのマシンで有酸素運動を行う場合には、Apple Watchに表示されるデータと、マシンに表示される結果にギャップがありました。また、マシンで測定したデータは個人で持ち帰って管理しづらいという課題も存在しました。

しかし、watchOS 4で追加される「GymKit(ジムキット)」によって、フィットネスマシンとの連携が可能になります。Apple Watchをマシンに近づけると、NFCを利用して、Bluetooth経由での接続が実現します。2段階の接続により、不要な自動接続が防がれる仕組みです。

Apple Watchからは心拍数、身長、体重などのデータが提供され、フィットネスマシンの画面に表示されます。また、フィットネスマシンからは、トレーニングの強度などが送られます。例えば、トレッドミルならランニングのペースや傾斜などのデータが共有されます。

消費カロリーの計算はApple Watch側で実行され、マシン側に共有され、表示されます。Apple Watchの画面を確認しなくても、フィットネスマシンの画面で全ての情報を確認できます。

接続が解除されると、マシン側のデータは全て削除されるので、個人情報が漏れる心配はありません。また、測定データはApple WatchからiPhoneに持ち帰り、「ヘルスケア」アプリ上で管理することができます。

ちなみに、機器については「テクノジム」「ライフ・フィットネス」「シュウィン」など、世界シェアトップクラスの7メーカーとパートナーシップが結ばれており、その他のメーカーとも順次交渉されていく模様。詳細については未だ明らかになっていません。

 

■テニスのサーブや野球のスイング分析にも

実はApple Watchをスポーツ用具と連動させることもできます。例えば「Zepp Tennis」では、テニスのサーブを分析できるアプリ。ラケットのグリップ部にセンサーを装着して使用します。11月頃には、センサー内蔵のラケットも登場する予定です。

検出できる項目は、サーブの回数、平均速度、平均の回転数、ラケットの真ん中に当たった回数など。watchOS 4では、センサーとApple Watchが直接データをやりとりできるので、iPhoneはカバンに入れたままで大丈夫です。

スポーツ競技ではなかなか客観的なデータが録りづらいものですが、こうしたデバイスを活用すれば、普段とは少し違うトレーニングも実現しそうですね。

 

■トレーナーがApple Watchを利用する事例

トレーナー側がApple Watchを使うという試みもあります。「PRAMA」というシステムでは、トレーナーがApple Watchを活用して、部屋の照明や音楽などを管理できます。

例えば、参加者は部屋の壁や床に配置されたマークを、ボールや足で触れていきます。反応や敏捷性を高めるドリルです。参加者はチェストストラップをApple Watchに接続して、データを連携できます。

また、トレーナーはApple Watchを用いて、部屋のシステムをコントロールするので、指導に集中しやすくなります。

PRAMAとApple Watchの連携はまだ開発段階で、今後正式版のリリースが検討されています。PRAMAは既に世界の70箇所で展開しており、日本でも渋谷の「ティップ.クロス TOKYO」というジムに導入されています。

* * *

「昔は運動していたけれど、最近はめっきりやらなくなった」、「最近お腹周りの脂肪が気になりだした」「とにかく運動するきっかけが欲しい」――そんな人は、試しにApple Watchを身に着けてみてはいかがでしょうか。

まずはゲーム感覚でリングを完成させていればOK。きっと、少しずつ活動的な習慣が身に付いていき、生活自体が変わっていくでしょう。

 

(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

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