[Gear Maniax #038] SUREFIREらしい無骨さがカッコいいヘッドライト
&GP / 2017年8月12日 21時0分
[Gear Maniax #038] SUREFIREらしい無骨さがカッコいいヘッドライト
SUREFIREから新型のヘッドライト、HS2-MV、MINIMUSが発売になりました。SUREFIREの人気ヘッドライトシリーズの最新作ということになります。型番から分かる通り、光学システムに今年一押しのマックスビジョン搭載、さらに操作性にも改善が施されています。
使用電池は例によってCR123A×1本で、従来と変わりません。バッテリーキャップはねじ式で、脱落防止のためのゴムバンドで本体とつながれています。個人的にはこれは嬉しいポイント。ガレ場などで小さなパーツを落とすとただでさえ苦労しますが、ヘッドランプの電池交換の最中ということになれば死活問題。落失の可能性は小さい方が良いに決まっています。バッテリーキャップはコインで回せるように溝が切られていますが、普段はその必要はないかな。寒冷地で氷雪にまみれた場合などは有効かもしれません。ロックアウトはできませんが、タクティカルライトではないのでそれほど必要はないかと思います。
光学系はマックスビジョン。MINIMUSシリーズは手の込んだ光学レンズが売りのひとつではありました。雰囲気は変わったものの、マックスビジョンの配光はヘッドライトにも良い感じです。
光量アップの恩恵もあり、以前よりも中距離まで有効に感じられます。その代わり、左右に広がっていた配光は損なわれていますので、これを惜しむ方はいるかもしれませんね。いずれにせよ、手元から10m以上先までストレスを感じないよくできた配光です。もちろん、遠距離照射を切り捨てたからこその良さでもあります。
MINIMUSシリーズのもうひとつの売りが、ダイヤル式の13階調光。ダイヤルの回転に応じて、ジリジリと明るさが変化します。旧モデルの無段階調光から設定が変わったのかな。中華系を含め、無段階調光で良いはずのシステムが無段階ではないパターンが増えているようにも思います。
通常装着では右側にダイヤルがくるので、多数派である右利きの方を意識していると思われます。もちろん、逆に装着してもほとんど変わらないデザインなので、操作性を損なわずに付け替えられるかとは思います。ダイヤルの操作方向(上回しか下回し)は変わってしまいますけどね。ダイヤルはどこかでストップすることなく回り続けます。
従来はダイヤルによる無段階調光を絞り続けていくとOFFになりましたが、HS2-MVではクリックスイッチが搭載されています。電子式のストロークのないスイッチですが、ONにするときはフォワードクリッキーっぽく、OFFにするときはリバースクリッキーっぽく動作します。ちょっとした違いですが、SUREFIREの頑固なこだわりを感じる部分です。
さらに、ダイヤル操作によるショートカットが用意されています。右手で操作する場合、ダイヤルを勢いよく下に回すと、MAXの300ルーメンにジャンプ。逆に上に回すと、5ルーメンモードにジャンプできます。回転の速度で使い分けられ、非常に便利な機能です。また、どの明るさでも、点灯中にボタンスイッチを5秒以上長押しするとその明るさでSOSモードに入ります。SOSモードに一旦入ると、明るさの調整はできません。調光できても不便はない気もしますけどね。
ヘッドライト本体は樹脂製の台座にホールドされます。適度なテンションのため、照射の向きを自由に変えられます。本体もほぼ円筒形のため、走ったりしても勝手に角度が変わってしまう可能性は低いでしょう。ボディ左側のローレット部分は本体と一体形成で空回りすることがないので、ここをつまんで本体角度を調整するような形になります。左手は本体角度の調整、右手は明るさの調整と覚えておけば混乱は少ないかと。
台座の裏側にはフィット感を高めるスポンジパッド。この部分はベルクロで固定されています。別パーツのヘルメットアダプターもベルクロ仕様ですので、バリバリ剥がして付け替えれば、ヘルメットと普通の頭の両方で活用できるようになっています。ただ、MINIMUSの付属品はかなりコロコロ変わります。現時点ではヘルメットアダプターと赤色フィルターが付属していますが、あるとき突然付属しなかったり、別のものが付属したりするかもしれません。
コンパクトではあるものの、中国系メーカーであれば18650が入っていそうなボデイサイズです。これを良いととるか、悪いととるかは人によって別れるところ。しかし、手袋を装着していても扱いやすいダイヤル式調光や、ボディの傾きを調整しやすいことなど確実に良さはあります。サイズ競争や明るさ競争に参加せず、必要な機能を煮詰めてくる、これぞまさにSUREFIREのヘッドライト、と言える鉄板アイテム。ぜひお試しください。
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(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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