【VW ゴルフ オールトラック試乗】ワゴンとSUVの価値を兼備した魅力的な選択肢
&GP / 2017年8月27日 19時0分
【VW ゴルフ オールトラック試乗】ワゴンとSUVの価値を兼備した魅力的な選択肢
先頃マイナーチェンジされ、精悍さを増したデザインや、安全装備が充実するなど、より魅力の高まったVW(フォルクスワーゲン)「ゴルフ」シリーズ。
今回は、ステーションワゴン版の「ゴルフ ヴァリアント」をベースに、SUVテイストをプラスしたクロスオーバーモデル「ゴルフ オールトラック 4モーション」をドライブすることができました。ベースモデルとの比較を交え、その印象をお伝えしたいと思います。
ゴルフ オールトラックは、ゴルフ ヴァリアントをベースに車高を上げて、“4モーション”と呼ばれるフルタイム4WDシステムを搭載。その名のとおり、雪道や悪路などすべての道を走れるようにしたクロスオーバーモデルです。電子制御ユニットで4輪にかかる駆動力を適正に制御し、低負荷時には前輪だけにトルクを配分する一方、シーンによっては後輪だけにほぼ100%の駆動力を割り当てることも可能。地面から車体までの高さは、ヴァリアントよりも25mm高められています。
ホイールアーチにはブラックのモールが追加され、ルックスのアウトドアテイストがアップ。ベースとなったヴァリアントのデザインは、スタンダードでまとまりが良いのですが、昨今のSUV流行りの中では、見た目の押し出しがもう少し欲しいと思う人も多いのではないでしょうか。そんな人にとってオールロードは、うれしい選択肢ではないかと思います。
ドライバーズシートに腰を下ろすと、SUVに比べて着座位置がだいぶ低く、ヴァリアントと大きな差は感じません。SUVのような腰高感が苦手な人には、しっくりくるポジションでしょう。
目前のメーター部には、12.3インチ大型ディスプレイによってフルデジタル化されたメータークラスター“アクティブ インフォ ディスプレイ”をオプションで選べます。メーターのサイズなどは好みに合わせて切り替え可能で、中央部にナビゲーションマップを表示することもできます。この位置にナビ画面を表示させると、視線の移動量が少なくて済むので、これはなかなかありがたい装備。一度慣れてしまうと、センターコンソールのモニターに視線を移動させるのが億劫に感じられるくらいなので、人間とは贅沢なものです。
ナビゲーションやオーディオをコントロールするインフォテイメントシステムも革新され、タッチスクリーンに触れることなく、画面の前で手をスワイプさせることでコントロールが可能に。“ジェスチャーコントロール”と呼ばれるこのシステムで、メニューページの切り替えや、ラジオの放送局や再生曲の切り替えなどが行えます。タッチ操作は画面に触れる操作そのものより、アイコンの位置を確認するための視線移動がわずらわしく感じられる部分なので、それが省略できるのは安全性にも寄与しそうです。
アクセルを踏み込むと、ヴァリアントの1.4リッターモデルとは明らかに異なる加速感を味わえます。オールトラックに搭載される1.8リッターターボは180馬力。ヴァリアントの1.4リッターターボは140馬力なので、その差は明らか。
組み合わせられるトランスミッションは、ヴァリアントの7速DSGに対し、湿式マルチプレートクラッチを採用した6速DSGで、スムーズで滑らかな加速にひと役買っています。
エンジンやシフトプログラム、ステアリングなどの特性を、シーンに合わせて変更できる“ドライビングプロファイル”機能には、オールトラック専用のモードを用意。「エコ」「スポーツ」「カスタム」の3種類に加え、「オフロード」モードも選択できます。
これは、雪道や未舗装路など、滑りやすい路面を想定したモードで、アクセルの特性を変更するだけでなく、ABSの特性もホイールロックのインターバルを制動距離が短くなるように変更。また、速度が30km/h以下で急な坂を下る場合、車速が一定になるよう4輪のブレーキを自動制御する機能も搭載しています。今回は、オフロード走行は試していませんが、一般道においても、低速域でより緻密なアクセルワークが可能となるオフロードモードの特性の一端を感じることができました。
通常時で605L、リアシートを倒せば1620Lにまで拡大できる広いラゲッジスペースは、ヴァリアントと同様。リアシートのセンターアームレストだけを倒し、長い荷物を積み込むといったアレンジも可能です。このスペースを活かし、キャンプ道具を満載して未舗装のラフロードを駆け抜け、いざキャンプ場へ…といった使い方がしっくりきそうです。
今回のマイナーチェンジでは、渋滞時に前走車に追従してくれる“トラフィックアシスト”や、レーンキープアシストシステム“レーンアシスト”、そして、歩行者検知機能を備えたエマージェンシーブレーキシステム“フロント アシスト”などが追加され、安全・安心機能もさらに充実した新型オールトラック。その359万9000円というプライスタグは、1.4Lエンジンを積むFF仕様の「ヴァリアント TSI ハイライン」と比べて20万円アップ。同じく1.4リッター+FF仕様の「ヴァリアント TSI Rライン」とは同価格になります。1.8リッターエンジンにフルタイム4WD、そして、専用の装備類を考慮すると、オールトラックはかなり買い得感の高いモデルといえそうです(ただし、燃費はヴァリアントの17.3km/Lに対して13.5km/Lとダウンしますが…)。
スタンダードでも高い完成度を誇るゴルフ ヴァリアントに、SUV的なデザインやオフロードでの優れた走破力といった付加価値を上乗せしたゴルフ オールトラック。個人的には、ゴルフの最新ラインナップの中で、かなり魅力的な選択肢だと感じました。
<SPECIFICATIONS>
☆オールトラック 4モーション
ボディサイズ:L4585×W1800×H1510mm
車重:1540kg
駆動方式:4WD
エンジン:1798cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6速DSG
最高出力:180馬力/4500~6200回転
最大トルク:28.6kg-m/1350~4500回転
価格:359万9000円
(文/増谷茂樹 写真/村田尚之)
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