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iPad Proビジネス活用の基本―iOS 10でもzipファイルが扱える方法

&GP / 2017年9月7日 7時0分

iPad Proビジネス活用の基本―iOS 10でもzipファイルが扱える方法

iPad Proビジネス活用の基本―iOS 10でもzipファイルが扱える方法

iPad Proをノートパソコン替わりに使いたいと思って購入した、あるいは購入を検討している――そんな人の多くは、ひとつの悩みに直面します。それは「どうやってファイル管理をすればよいのか」ということです。次のiOS 11では標準アプリとして、ファイル管理用アプリ「Files」が搭載され、この課題はスッキリ解消します。

しかし、中には「OSのメジャーアップデートはしばらく様子を見たい」という人もいるでしょう。あるいは「iOS 11の登場が待てない」という人もいるかもしれません。そこで、本記事ではサードパーティ製アプリを活用し、iOS 10のままでファイル管理を行うワザを紹介しておきます。

ちなみにiPhoneでも活用できるテクニックなので、iPad Proを使う予定がない人でも覚えておいて損はありません。

■そもそもzipファイルの管理は超重要

筆者は実際にiPad Proで原稿を書くことが多くあります。出張時もノートPCを持たず、iPad Proだけで済ませるなんてこともしばしば。スタミナはすごくあるので、慌てて電源を探すことはありません。LTEモデルならSIMを差せばどこでも通信可能。とにかくお利口なんです。

しかし、パソコンとして活用するにはひとつ課題がありました。それは膨大なファイルの管理です。筆者の場合、ライターという職業上、クライアントやメーカーから大量の資料・写真が送られてくることがありますし、反対に写真・原稿をセットで納品することもあります。zipファイルが使えないと仕事になりません。

使い始めた頃は「あれ? どうすれば良いんだ?」とiPad Pro相手に試行錯誤していました。

 

■「Dropbox」は相手側に拒否されることがある

大量のファイルを共有する手段として、一番手っ取り早いのは、クラウドストレージを活用する方法です。筆者は仕事の案件によっては「Dropbox」や「Googleドライブ」を使うことも多いので、まずはこれを試しました。

共有フォルダを作成することで、そもそも複数ファイルをまとめてひとつにしたzipファイルを作成しなくても、ファイルをお互いに共有できるからです。ファイル名の変更もできますし、テキスト・写真どちらも扱えます。普段から使い慣れていて、相手側にも支障がなければ一番シンプルな方法です。

▲特にDropboxで共有フォルダ内を作成しておけば、アップしたファイルを相手とリアルタイムに共有できて便利だ。設定方法については本記事では割愛

しかし、全てのケースで使えるわけではありません。取引先によっては「会社のセキュリティ上の問題でDropboxが許可されていないから使えない」というケースが意外と多く存在します。また、相手が「Dropboxの使い方が分からない」という場合もあるでしょう。そうなるともうお手上げです。

 

■「Documents 6」ならzipの作成が容易

そこで、筆者は現状「Documents 6」というアプリをインストールして使っています。このアプリを活用することで、zipファイルの作成・解凍が容易に行えるのです。複数の写真をまとめて、パスワード付きのオンラインストレージサービスで共有することも可能。反対に指定のURLからzipファイルをダウンロードして解凍もできます。

▲App Storeで「Documents 6」をインストール

▲「Documents 6」の使用イメージ

基本的な操作は、パソコンと同様。新規フォルダを作成したり、ファイルを移動させたりしましょう。特徴的なのは、ドラッグアンドドロップで操作ができること。複数ファイルを選択して一度に操作もできます。

▲ドラッグアンドドロップで操作可能

フォルダの操作は、各フォルダの右下にある[・・・]のアイコンをタップして表示される、メニューの一覧から行います。そこで「zip圧縮」を選択すればzipファイルが作成可能です。

▲[・・・]をタップし、一覧から「zip圧縮」を選択

このzipファイルを共有する場合、ブラウザで「firestorage」や「ギガファイル便」など、オンラインストレージのページを起動し、ファイルを選択するボタンをタップしましょう。

▲「firestorage」の画面例。アップロードしたいファイルを選択する手順で「Documents」が選択肢に表示された

あとは、作成されたURLをコピーしてメール等で共有すればOKです。

 

■zipファイルをダウンロードする場合

相手からURLが送られてきた場合には、ダウンロードできる場合とできない場合があるようです。筆者が検証した範囲では「firestorage」にアップロードされたファイルは「~.mcgi」という拡張子に変換されてしまい、DropboxやDocumentsでは上手くダウンロードできませんでした(2017年9月5日現在)。

▲ダウンロードできないパターン。拡張子が「~.mcgi」となっている。「firestorage」からダウンロードする際はこうなった(アップロードは問題ない)

一方、ギガファイル便にアップされたファイルは「~.zip」のままダウンロードできました。

▲ダウンロードできるパターン。「ファイル名.zip」が正しく表示されている。下部の「”Documents”で開く」をタップすればOK。「ギガファイル便」からダウンロードする際は、このように表示された

「”Documents”で開く」をタップすると、zipファイルがアプリ内に保存されます。zipファイルをタップすれば、そのまま解凍され、通常のファイルとして表示されます。

▲zipファイルはタップするだけで解凍される

相手から送られてきたzipファイルが上手くダウンロードできない場合には、”「ギガファイル便」などほかのオンラインストレージで送信しなおしてくれ~~”、とお願いするのが良いかもしれませんね。

 

■とは言え、本命の「iOS 11」が待ち遠しい理由

以上のように「Documents 6」を活用すれば、iPad Proでもファイルを管理できます。しかし、いまだに不便だと感じるのは、アプリ間での連携に限りがあるということです。例えば、ドラッグアンドドロップでファイルを移動できるといっても、それはDocumentsの中だけの話。やはり写真を補正して、ファイルにまとめて、メールに添付して、と流れるような操作が行いたくなります。

▲iOS 11ではアプリ間でのドラッグアンドドロップが可能に

そしてiOS 11では、ついにアプリ間のドラッグアンドドロップが可能になります。つまり、マルチタスキングで「写真」と「Files」を表示しておけば、2アプリ間で感覚的にファイルを共有できるということ。メールへの添付も同様に可能になります。やはりiPad Proをビジネス利用する場合、iOS 11へのアップデートは必須と言えますね。

繰り返しとなりますが、「Documents 6」を活用するテクニックはiPhoneでも応用可能(画面が小さいので操作はしづらいですが……)。出先でパソコンが無いけれど、zipファイルを作成したい場合などにも、ぜひ活用してみてください。

 

(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

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