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【スズキ スイフトスポーツ試乗】乗り味はドイツ車的。出色のコンパクトスポーツ

&GP / 2017年10月9日 20時0分

【スズキ スイフトスポーツ試乗】乗り味はドイツ車的。出色のコンパクトスポーツ

【スズキ スイフトスポーツ試乗】乗り味はドイツ車的。出色のコンパクトスポーツ

スズキのホッテストハッチ「スイフトスポーツ」がフルモデルチェンジを果たしました。「待ってました!」という方、多いのではないでしょうか!?

運転して楽しい趣味性と、クルマに興味がない人をも納得させる高い実用性。両者を絶妙にバランスさせ、なおかつリーズナブルな価格で提供されるスイフトスポーツ。若いエンスージアストやクルマ好き家庭人にとって、まさに“救世主”のようなクルマであります。

3世代目となる新しいスイフトスポーツは、ノーマルのスイフトより足を踏ん張らせた3ナンバーサイズになり、ボディは5ドアタイプのみ。エンジンは1.4リッター直4ターボ(140馬力/23.4kg-m)を搭載し、トランスミッションには、もちろん3ペダル式6速MTが用意され、一方、CVTは廃され、トルクコンバーター式の6速ATが新たに採用されました。

スズキ自慢のニュープラットフォーム“HEARTECT(ハーテクト)”をベースに、軽量・高剛性ボディを載せた3世代目スイフトスポーツ。ヒラリ、ヒラリと軽やかに舞う…というよりは、ガッシリ地面をつかんで、スタビリティ高く、ハイスピードで駆け抜ける…。そんな、ちょっとドイツ車風の乗り味になりました。

気になる価格は、MTモデルが183万6000円。AT車には190万6200円がプライスタグが付きます。ただし今の時代を考えると、ベースとなる車両本体価格にプラスし、車線逸脱抑制機能、ハイビームアシスト機能、アダプティブクルーズコントロール、フロントシートSRSサイドエアバッグなどをセットにした「セーフティパッケージ」の8万6400円分が上乗せされる、と考えておいた方がいいでしょうね。

それでも、フォルクスワーゲン「ポロ GTI」の327万9000円はもとより、トヨタ「ヴィッツ GRスポーツ」(208万7640円〜)、ホンダ「フィット RS ホンダセンシング」(205万0920円)などよりもリーズナブルな設定。これは見逃せませんね!

さっそく新型スイフトスポーツに乗ってみましょう。最初は“チャンピオンイエロー”にペイントされたATモデル。新しい“スイスポ”は、通常のスイフトと比べてトレッドが前後ともに30mm広げられました。グッと外側に出たタイヤをカバーするため、前後フェンダーも張り出して、いかにもスポーティモデルらしい、筋肉質なフォルム。

史上初の3ナンバー・スイスポは、これまた初のターボエンジンのアウトプットを受け止めるため、シャーシを強化する必要があった…のも事実ですが、グローバルモデルとして用意されていた、輸出用のワイドボディを国内に投入した、といういい方もできます。

ひるがえって考えると、スズキは日本市場を重んじて、5ナンバーサイズに収まるスイフトを国内専用車として作り続けているわけでもあります。メーカーによっては軽視されることもある日本市場をしっかり考慮しているあたり、さすがは大衆に寄り添ってクルマを作り続けてきた会社です。

余談ですが(!?)、新型スイフトスポーツは、トレッドが広がってハンドルの切れ角を大きくとれるようになった恩恵か、最小回転半径が、旧スイスポより小さい5.1mになっています。細かい市街路を行くことの多いオーナーには、うれしい改良ですね。

さて、新しいスイフトスポーツの運転席に座ると、目の前には、赤とシルバーの、スペシャルな専用メーターが並びます。ステアリングホイールやシフターには赤のステッチが施され、車内の各部に貼られた赤いパネルが、スポーツモデルであることを主張します。

走り始めれば“ブースタージェット”と名付けられたターボエンジンが、990kg(ATモデル、MT車は970kg)と1トンを切ったハッチボディをグイグイ引っ張ります。この直噴ターボの最高出力は、先代の1.6リッターNA(自然吸気)エンジンより4馬力アップの140馬力。しかも、1400回転低い5500回転で発生します。最大トルクは、7.1kg-m太い23.4kg-m。過給器付きエンジンらしく、わずか2500回転から最大トルクを得ることができます。

試しに静止状態からアクセルをベタ踏みしてみると、1速、そして2速でもホイールスピン! その後、目の覚めるような加速を見せます。なんでも、旧型CVT車より、0−100km/h加速で約25%(!)も速くなっているのだとか。

…といった数値もステキですが、トルコンATらしいリニアな加速感にドライバーのほおが緩みます。その気になれば、ステアリングホイール奥のパドルで、マニュアルシフトすることも可能。気になる燃費は、16.2km/L(JC08モード)。これは、旧CVTモデルより良好な数値です。

ところで、ニューモデルが“1.4リッターターボ+6AT”と聞いて、鋭い方は「ピン!」と来たのではないでしょうか。そうです。先日リリースされた新型「エスクード」のパワーパックと同じですね。6スピードのギヤ比も同一…とはいえ、ファイナルとトルクコンバーターの特性を変更し、さらにスポーティな走りを実現しています。

同じくチャンピオンイエローに塗られた6MT車に乗り変えると、やはり“手こぎ”のクルマはいいですね! 「アルトワークス」でもシフトまわりのチューニングに凝ったスズキですから、ホッテストモデルたるスイフトスポーツのギヤボックスにも、しっかり手が入れられました。

6枚のギヤは細かく切られ、シフトトラベルはショートストローク化。ギヤの入りをスムーズにする“シンクロクロナイザー”を、1速、2速はトリプルコーンケープとし、今回新たに、3速のそれをダブル化しました。シフトのたびに、スッ、スと入るギヤボックスは、スポーツモデルをドライブする醍醐味、のひとつ。スイスポにかけるスズキの本気度が分かります。

サスペンションは、前:マクファーソンストラット、後:トーションビームと、形式はノーマルスイフトと同じですが、ざっくり3割ほど硬くなっています。加えて、アンチロールバーが5割ほど強化されているので、ロールも少ない。運転していると、ハード寄りの足も持ちながら、路面からの入力を屈強なボディがガンガン跳ね返している感じで、コレが、冒頭で「ちょっとドイツ車っぽい」と書いた理由です。

ちなみに、タイヤサイズは先代と同じ195/45R17ながら、17インチの鍛造ホイールの重さは、ノーマルスイフトが履く16インチホイールと同等だといいます。以前のスイスポより、いわゆる“バネ下の重量”が軽くなっているんですね。スポーティな硬めの足と、路面への追従性アップの両立を図っているのです。

従来のリーズナブルな価格を維持しながら、より本格的なホットハッチに進化した3世代目スイフトスポーツ。これまでは、なんと購入する人の7割がMTを選ぶという希有なクルマでしたが、今回はトルコンATモデルのデキがいいので、AT比率が上がるかも? それも、MT車が減っての結果ではなく、新たにスイフトスポーツを求める新規ユーザーの数が増えて!? そんな勝手な予想を立てて悦に入りたくなるニューモデル。出色のデキです。

<SPECIFICATIONS>
☆スイフトスポーツ(6AT)
ボディサイズ:L3890×W1735×H1500mm
車重:990kg
駆動方式:FF
エンジン:1371cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:140馬力/5500回転
最大トルク:23.4kg-m/2500〜3500回転
価格:190万6200円

<SPECIFICATIONS>
☆スイフトスポーツ(6MT)
ボディサイズ:L3890×W1735×H1500mm
車重:970kg
駆動方式:FF
エンジン:1371cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:140馬力/5500回転
最大トルク:23.4kg-m/2500〜3500回転
価格:183万6000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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