2017年グッドデザイン賞発表!ベスト100で気になるプロダクト12選
&GP / 2017年10月13日 22時0分
2017年グッドデザイン賞発表!ベスト100で気になるプロダクト12選
10月4日、2017年のグッドデザイン賞が発表されました。1957年に通商産業省(現在の経済産業省)によって創設されたこの賞では、これまで約60年にわたり約4万4000件が優れたデザインとして選定されてきました。そして選定されたデザインには、誰もが見慣れたあの“Gマーク”を付けることが認められています。
今年も国内外1403件のデザインがグッドデザイン賞を受賞しました。それら数多くのデザインの中でも注目なのが、審査委員会から特に高く評価されたデザインに贈られる「グッドデザイン・ベスト100」です。
今年大きな話題となった「うんこ漢字ドリル」をはじめ、古墳をアイコンとして使った駅前広場「天理駅前広場コフフン」、ヤフーが銀座ソニービルに掲出した、東日本大震災の時に岩手県大船渡市で観測された最大津波16.7mの高さが分かる縦長広告「ちょうどこの高さ」など、コンセプトやグランドデザインなどの面からもデザイン性の高さが伺えるものばかりが選出されています。
とはいえ、&GPはモノメディア。やはりプロダクトが気になるところです。これまで&GPで紹介してきたプロダクトからも、いくつもベスト100に選出されています。それらを、あらためて振り返ってみたいと思います。プロダクトしても素晴らしいモノばかりなのですが、デザインという側面から見ても、どれも優れたモノばかりです。
■Samsung「Galaxy S8/S8+」
Android端末の中だけでなく、あらゆるスマホの中でも常に最先端を走り続けるGalaxyシリーズ。今年発売された「Galaxy S8/S8+」もやはりスマホ初となる機能が搭載されています。デザインという面ではやはり、側面がラウンドした“エッジディスプレイ”と、物理ボタンをなくしたことによる、プロダクトとしての“一体感”“塊感”がより極まった点ではないでしょうか。手に吸い付くように収まり、手に触れる機会の多いデバイスとしての完成度の高さは抜群です。
>> 虹彩認証にPC化! Samsung新モデル「Galaxy S8/S8+」はやはり最先端だ!
■ソニー「Xperia Touch」
Xperiaと付いているのでスマホ関連かと思いがちですが、この「Xperia Touch」は、ソニーが展開する“スマートプロダクト”の第2弾として商用化されたモデルです。超短焦点レンズと、液晶ディスプレイデバイス、小型レーザーエンジンにより、コンパクトかつ高機能を実現しています。超短焦点プロジェクターとしてもスゴいのですが、やはり注目は机や壁などに23インチで投影した場合に可能となる、投影した部分をタッチ操作できるということ。最大10点のマルチタッチに対応し、地図を投影させてスクロールや拡大縮小したり、鍵盤を投影させて演奏したりと、未来感あふれるデバイスになっています。プロダクトとしてのデザイン性の高さだけではなく、コミュニケーションツールとして新しい世界観をもたらした点が評価されたようです。
>> 投影した場所をタッチ操作!「Xperia Touch」は未来感あふれるデバイスです
■リコー「RICOH THETA V」
全天球カメラの先駆者である「RICOH THETA」の最新モデルです。初代モデルが発売された2013年とは異なり、いまや360度映像はVRコンテンツには欠かせない存在になりました。Facebookでも見掛けますよね。最新版である「RICOH THETA V」は、なんと4Kでの360度映像が撮影可能になり、さらに360度空間音声も録音できるようになりました。その臨場感ある映像が、こんな小さなプロダクトで撮影できるのかと驚くばかりです。
>> 360°カメラが4K対応に!まるっと音声まで撮れますよ
■富士フイルム「instax SQUARE SQ10」
初代チェキとなる「instax mini 10」が発売されたのは1998年は、デジカメもまだ黎明期で、さほど普及しておらず、ケータイにもカメラは付いていませんでした。手軽さや、それまでのインスタントカメラにはなかったカードサイズのフィルムなどがウケて、人気商品となった“チェキ”ですが、スマホ全盛期となり、誰もが気軽に写真を撮る時代となった今、アナログらしさを残しつつ、デジタルのいい部分も取り入れたチェキが誕生しました。それが「instax SQUARE SQ10」です。背面には液晶モニターを備え、モニターを見ながらの撮影や、撮影したものの中からプリントするものを選べるようになるなど、かなりデジタルライクになっています。さらにフィルムも、これまでの長方形から、ポラロイドフィルムと同じほぼ正方形に。サイズはポラロイドよりひと回り小さいですが、Instagramっぽいイメージです。デジタルだけどアナログ、長方形じゃなく正方形、まさに“今”が詰め込まれた現代のインスタントカメラではないでしょうか。
>> プリントする写真が選べる!インスタ時代の最新チェキ「instax SQUARE SQ10」
■Amazon.co.jp「Amazon Dash Button」
とにかくシンプル! そしてアナログ! ボタンを押せば注文完了、そのうち商品が届くという「Amazon Dash Button」。ネットショッピングサイトのプロダクトなのに、あえてアナログのボタンにしたところに、Amazonやっぱりわかってるなー、と思ってしまいます。ボタンしかないシンプル極まりないデザイン、小さくしすぎない手にしやすいサイズ、余計な機能は一切搭載していない、押すだけで商品が届くという買い物“体験”など、まさに生活を変えるデザインではないでしょうか。
>> 押すだけで商品が届く「Amazon Dash Button」って本当に必要?
■パナソニック「ジェットウォッシャードルツ」
2代目となる「ジェットウォッシャードルツ」。高圧の水流を当てることで、歯の隙間や歯周ポケットの汚れがおもしろいほど落ちてくれるオーラルケア製品ですが、初代と比べて変わった点は大きくふたつ。ひとつは独自の超音波水流技術の採用で、より歯垢除去力が高くなったこと。そしてもうひとつがデザイン。初代はいわゆる、洗面所によくありそうなデザインだったのですが、この2代目になり、白を基調としたシンプルで清潔感あるモノに変わりました。毎日使うモノだからこそ、そして常に洗面スペースにあるモノだからこそ、置いておきたくなるデザインになったのではないでしょうか。
>> キャンピングカーでも使える!新しい「ジェットウォッシャー ドルツ」で爽快キャンプ!
■バルミューダ「BALMUDA The Gohan」
家電にデザインという概念も持ち込んだバルミューダ。そんなメーカーが作った炊飯器は、釜を加熱して炊くのではなく、二重の釜の間に蒸気を発生させ、その熱で炊くという新たな方式でした。それにより、信じられないほど粒立ったモチモチのご飯が炊き上がり、また冷めても美味しいという日本人のDNAに訴えるようなご飯を実現しています。「BALMUDA The Gohan」で炊いたご飯は、主役にもなれるし、おかずを引き立つ名脇役にもなれる。一度は試してほしい新しい炊飯器です。
>> 土鍋派も大満足!バルミューダの炊飯器、美味しさの秘密は蒸気にアリ!
■バーミキュラ「バーミキュラ ライスポット」
鋳物ホーロー鍋としては、海外メーカー製に引けを取らない高い機能性で有名だったバーミキュラ。そんなバーミキュラが作り上げた炊飯器「バーミキュラ ライスポット」は、専用にデザインされた鋳物ホーロー鍋とIHヒーターのセットになっています。元々、鋳物ホーロー鍋で炊くご飯は美味しいと評判でしたが、それを付きっきりにならずに自動で炊飯でき、さらに炊飯だけでなく料理までできてしまう。これは炊飯器ではなく、調理器具といってもいい新しい家電です。おこげまで作れる鍋炊きを手軽に、そして無水調理から炒め物、蒸し料理までこなしてくれる。そんな多機能であることを思わせないデザインも新しい家電らしいと言えるのかもしれません。
>> パリパリおこげもお手の物!「バーミキュラ ライスポット」でいろんな料理を作ってみた
■トヨタ「C-HR」
存在感あるデザインで、街で見かけると思わず目で追ってしまうトヨタ「C-HR」。SUV車は近年人気ですが、アーバンSUVともいえる「C-HR」は、ハイブリッドモデルもラインナップしていて、燃費もイイ! SUVらしさやパワー感が欲しい人は、4輪駆動のターボモデルも用意されています。デザインを優先したモデルにありがちな室内空間の狭さはなく、居住性も◎。各所がシェイプされた複雑な面構成が生み出す、かつてないエクステリアは、さまざまな角度から眺めていたくなるデザインです。
>> 【トヨタ C-HR公道試乗】個性的ルックスで大人気!街乗りではハイブリッドが好印象
■倉敷製蠟「CARD CANDLE」
ロウソクは円柱形。そんなイメージを覆してくれる、厚さわずか3mmの四角いキャンドル。眺めているだけで落ち着く炎のゆらぎを手軽に楽しめるロウソクを生活の中に取り入れるにはもってこいのデザインです。板状なことから梱包効率、輸送効率が高く、さらにロウが垂れないなど、ロウソクらしからぬデザインは、見た目だけでなく製品としても優れています。真鍮製の台座=キャンドルベースやパッケージなど、トータルデザインでも高い評価を受けています。
>> 形を変えたらすごくオシャレ!厚さ3mmのカードキャンドル
■ヤマハ「Venova」
サックスやクラリネットなどを吹けるとカッコいい! でも楽器は高いし、難しそう…。そんな人でも、子どもの頃にリコーダーは吹いた経験があるのでは。この「Venova」は、サックスと同様の吹き心地がありながら、指使いはリコーダーに基づいているという、新たな楽器です。ボディはABS樹脂製で、軽くて丈夫。サックスやクラリネットと同じくリードを震わせて音を出すのですが、そのリードも樹脂製なので耐久性が高くメンテナンスしやすくなっています。まずはこの「Venova」で管楽器を始めてもいいし、「Venova」でいろいろ演奏できるようになるというのもいいかもしれませんね。
>> お手軽なのに本格的な吹奏感!新楽器「Venova」ってなんだ?
■ヤマト「テープノフセン」
通常の付箋と異なり、いわゆるテープ状になっていて、片面はすべて接着面になっている「テープノフセン」。もちろんビニールではなく紙なので、ボールペンでも鉛筆でも普通に書き込めます。この「テープノフセン」、実物は画像で見るだけでは伝わらない不思議な塊感があるんです。実際に使い勝手も良く、使いみちも多いのではないでしょうか。気になる人はぜひ一度手に取ってみてください。
* * *
グッドデザイン・ベスト100の中から、最も優れたデザインに贈られる大賞の発表は11月1日です。すでに大賞候補としてベスト100の中から7点が選出されています。今回紹介した12点の中からも、ヤマハ「Venova」とソニー「Xperia Touch」が入っています。ちなみに大賞は、審査委員だけでなく、GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F)で行われている大賞候補投票展示の来場者も投票できます(10月28日まで)。実際に見てみたい人は、ぜひ足を運んでみてください。
>> グッドデザイン賞
(文/&GP編集部)
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