4輪操舵で走りをさらにブラッシュアップ!ルノー新型「メガーヌ」が上陸
&GP / 2017年10月16日 21時0分
4輪操舵で走りをさらにブラッシュアップ!ルノー新型「メガーヌ」が上陸
ルノー「メガーヌ」といえば、一時期“市販FF車最速”の座に就いたこともあるスポーツイメージの強いクルマ。
そんなメガーヌが、新たに4WS(4輪操舵機構)を採用し、よりハイレベルなコーナーリングマシンとして生まれ変わりました。日本に導入されるのは、5ドアハッチバックの「GT」と「GTライン」、そして、ラゲッジスペースの広いステーションワゴン版「スポーツ・ツアラー GT」の3種類。いずれもスポーティな内容になっています。
新しいメガーヌに搭載されるパワートレインは、GTとスポーツ・ツアラーGTが205馬力を発揮する1.6リッターのターボ、GTラインは132馬力の1.2リッターターボで、いずれも7速のデュアルクラッチ式トランスミッション“EDC”が組み合わせられます。
GTとスポーツ・ツアラーGTのシャーシには、ルノー・スポールによるチューニングが施され、専用のスプリングとダンパー、アンチロールバー、ステアリングを装備。ブレーキディスクもGTラインより直径が30mm大きなものが装着され、制動力を向上させています。
特筆すべきは、この2グレードにはルノー・スポールが手掛けた“4コントロール”と呼ばれる4WSが搭載されていること。同システムは、60km/h以上では後輪に前輪と同じ方向に舵角を与えることで、コーナーリング時の安定性が向上。60km/h以下では後輪を前輪と逆の向きに操舵し、回転半径を小さくしてくれます。これにより、GT、スポーツ・ツアラーGTの最小回転半径は5.2mをマーク。4コントロール非搭載のGTラインが同5.6mですから、いかに小回りが効くかが分かります。
電子制御のアクチュエーターでタイロッドを動かすことで操舵される、リアタイヤの最大切れ角は2.7度。1秒間に100回の演算処理を経て舵角が決定されます。このシステムで新型メガーヌは、シャープで正確、それでいて安心感や快適性を損なわないハンドリングを実現したとのこと。また緊急時には、ステアリングの回転速度をシステムが判断し、後輪の舵角を大きくして車体の動きを安定させる機能も搭載しています。
近年、4WS搭載モデルといえば、BMWやレクサスといった高級車ブランドの一部に見られるくらいでした。その点、GTで334万円、スポーツ・ツアラーGTでも354万円という価格帯のモデルに搭載されるのは、画期的なこと。それだけルノーが、新しいメガーヌのハンドリングに力を入れてきた証といえるでしょう。
シーンに応じてアクセルやギヤチェンジ、4コントロールのマッピングやパワステの手応えなどを変えられる“ルノー マルチセンス”にも対応。快適さを優先し、リラックスしてドライブできる「コンフォート」、バランスの取れたスムーズな走りの「ニュートラル」、そして、走りの性能を存分に引き出せる「スポーツ」の3種類から選べます。GTとスポーツ・ツアラーGTでスポーツモードを選択すると、停止した状態から最大の加速力で発進させられる“ローンチコントロール”や、一度に複数段の変速が行える“マルチシフトダウン機能”なども利用可能。走行モードに応じてエンジン音が変化する“R-サウンド”にも対応しています。
新型メガーヌでは、運転支援機能もしっかりカバー。フロント/リアのふたつのカメラと12個のセンサーを装備し、車間距離警報や自動ブレーキ、車線逸脱警報、後側方車両検知警報などに対応しています。さらにGTとスポーツ・ツアラーGTには、センサーによって駐車可能なスペースを検出し、自動でステアリングを切ってくれる“イージーパーキングアシスト”機能も採用。縦列駐車にも対応しているので、街中での使い勝手も良さそうです。
このほかスポーツ・ツアラーGTでは、十分な荷室容量を確保。リアシート使用時でも580L、6:4分割式のリアシートをフルフラットにすれば1695Lもの広大な空間が出現します。ラゲッジスペースを上下/前後に分割するための2枚もボードも付属し、使い方や好みに応じて自由にレイアウトすることも可能です。
新たに4コントロールを採用することで、元々定評のあったハンドリングにさらに磨きをかけ、運転支援機能などのウィークポイントもカバーした新型メガーヌ。フランス車ファンだけでなく、日本車にしか乗ったことのない人にもアピールする魅力を備えた1台です。
(文/増谷茂樹)
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