15万円のソニー「Xperia Hello!」は、いかにAIスピーカーと住み分けるのか
&GP / 2017年10月17日 21時0分
15万円のソニー「Xperia Hello!」は、いかにAIスピーカーと住み分けるのか
ソニーモバイルコミュニケーションズは10月17日、「Xperia Hello! G1209」を発表しました。同機は卓上に設置できる大きさのコミュニケーションロボット。主に音声コマンドを用いて操作し、LINEを通じたメッセージ送受信などに対応します。発売は11月18日(土)で、市場想定価格は14万9880円(税別)です。
■「Xperia Agent」が新名称に
Xperia Hello!は、これまでは「Xperia Agent」として出展されていた製品です。今回の正式発表で、名称を改めました。主な機能として、LINEを通じたメッセージ送受信、家の見守り、スケジュール通知などの機能を搭載します。
▲「Xperia Hello!」。Helloという名前は、同機が能動的に挨拶をする機能をもっていることに由来
同機は、卓上に設置して用います。バッテリーは内蔵していますが、背面に電源ケーブルに接続して使用するのが基本。サイズは直径約111×高さ約216mm、質量は約1085gあります。カラーは「ゴールド」の1色のみ展開。
頭部は、縦長の目がふたつ表示された愛らしいデザインに。目を模したライトは、光方によってまばたきやウインクを表現。おでこ部分にはカメラがあり、ユーザーの顔を認識したり、テレビ電話を利用できます。そして、首回りにはスピーカーが搭載されています。
▲音声コマンドのトリガーワードは「Hi、Xperia(ハイ、エクスペリア)」。ディスプレイの中央に丸い円が表示されるので、そこでコマンドを話し掛けます
操作には、基本的に音声コマンドを用います。しかし、胸部には、ディスプレイが配置されており、Androidスマホと同様の操作が可能(Android 7.1を搭載)。
ただし、本体は人を認識してくるくる向きを変えるので、ゲームアプリをじっくり操作するのには不向き。あくまでも本体設定などをいじる際に使います。また、音声での通知を補うためにディスプレイに情報を表示できるのもメリットです。
基本的には、「Hello」アプリを常時オンにして使うことになります。通常時にはディスプレイは真っ黒になっていました。
■顔を識別してメッセージを届ける
主要な機能を見ていきましょう。
まず、「LINE」「Skype」「ビデオ伝言」アプリと連携できます。
例えば「おとうさんにメッセージ」と言えば、LINE でメッセージが遅れます。「おとうさんに電話」ならSkypeで通話・ビデオ通話、「おとうさんに伝言」ならビデオ伝言が可能です。なお、ここでいう「おとうさん」はユーザー登録の際にニックネームとして登録しておいた呼び方になります。
▲「Skype」経由でビデオ通話しているデモの様子
届いたメッセージや登録しておいた伝言が、他の人に伝えられてしまうと困りますよね。同機の頭にはカメラが付いていて、これでユーザー顔を認識。その人を認識した際に、メッセージを届ける仕組みになっています。例えば先ほどのメッセージは、「おとうさん」の顔を認識したときにしか通知されません。
こうしたユーザーの顔登録は最大10人まで可能。LINEとビデオが対象です。なお、顔認識の識別エンジンは、クラウドに情報をあげなくて済むように、組み込み型のエンジンを搭載しています。
■予定を覚えてコミュニケーションのきっかけに
イベントごとを覚えるのも特徴です。ユーザーの誕生日、入学式、卒業式、結婚記念日、七五三など、重要なライフイベントを記憶し、通知してくれます。例えば「今日はまなぶくんの誕生日です。メッセージを送りますか?」のように話しかけてきます。
予定の登録は声で直接行ってもOKですし、Googleカレンダーから追加することもできます。
▲天気予報も通知・表示可能
「ニュース」や「天気予報」「交通情報」「リマインダー」などの情報を提示してくれることもポイント。
▲音声で読み上げるだけでなく、胸部のディスプレイで、詳細情報を表示できるのが、AIスピーカーにはないメリットだ。気になったニュースはじっくり読み返せる
ニュースの読み上げについては、好みのカテゴリを設定しておくことで、通知するニュースが変わります。なお、ニュースや天気予報は共同通信より引用。
「~について教えて」という質問に対しても回答できます。情報はウィキペディアを参照する仕組みです。発表時のデモでは「松茸について教えて」という質問に、長々と答えていました。
▲「月について教えて」の回答。胸部のディスプレイに、関連する写真も表示されているのが分かる
■見守り機能はふたつ
見守り機能は主にふたつ。どちらもLINEの専用アカウントから操作します。外出先で親が使用するイメージです。
▲外出時はスマホからLINE経由で操作することになる
例えば「家族の様子を聞く」をタップすると、「15分前にまなぶくんを見かけました」のように教えてくれます。子どもは無事に帰宅したな、と現状を把握できるわけです。
また、「周りを撮影する」をタップすると、頭部のカメラを使って部屋のなかの写真を撮影できます。本体がぐるっと一周し、360度の写真を撮影。パノラマに合成されるわけではなく、細切れになった数枚の写真が順にタイムラインに流れてきます。
なお、壁際に置いておくと、3分の1くらい壁の写真が送られてきます。ソニー曰く、部屋の中央に置くのがおすすめとのこと。
■その他の特徴について
同機は人感センサーを搭載しており、周囲の状況を認識できます。人感センサーは前方にふたつ、後方にふたつ。約3m圏内に人が入ると認識します。また、7つのマイクでどの方向からの声も認識可能です。
▲Xperia Hello!の外観説明スライド
胴体と顔の部分のみ、動きます。顔の向きなどを変えるジェスチャーによって、「いかないでー」「ばんざーい」「すねる」「盛り上げる」など多彩な感情表現が可能。中心軸を生かした設計により、静音性に優れるほか、サーボへの負担も少なくなっている点も特徴です。
▲背面
背面はシンプルな設計になっています。NFCとマイクロUSBのTypeーC、DCジャックのみを配置。
▲底面
また、スイッチ類は底面に集めることで、シンプルな外観が保たれています。
■キャンペーンも実施中
Xperia Hello!は11月18日(土)発売で、市場想定価格は14万9880円+税。販路はソニーストアと家電量販店となります。
▲販売情報
10月17日〜18年1月14日まで、キャンペーンが実施され、スマートプロダクト購入者の中から、抽選100名に、最大1万円分のキャッシュバックがEdyギフトIDに付与されます。
▲キャンペーン情報など
また、開発者トークショーイベントを全国のソニーストアで実施される予定。製品を体験してみたいという人は、ぜひ足を運んでみてください。
(取材・文/井上 晃)
いのうえあきら/ライター
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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