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オモチャの未来を感じるIoT乾電池 「MaBeee」の使い方

&GP / 2017年10月28日 7時0分

オモチャの未来を感じるIoT乾電池 「MaBeee」の使い方

オモチャの未来を感じるIoT乾電池 「MaBeee」の使い方

私たちの身近にある乾電池が、日本のベンチャー企業によって、次世代型乾電池「MaBeee」へと進化を遂げた。乾電池にセンサーや通信機能が搭載され、ミニ四駆やプラレールなどの走行スピードを自在にコントロールできるという。実際に体験して制作秘話や今後の展開などを伺った。

■スマホで玩具の動きを制御できるのは楽しい

乾電池型IoT製品「MaBeee(マビー)」を開発したノバルス株式会社にお伺いして、実際に製品を試してみることに。今回、お話を聞かせてくれたのは、COO 兼 事業開発責任者の立山聡瑠(たてやま さとる)さん。

▲立山聡瑠さん。画期的な乾電池型IoT製品「MaBeee」の使い方や将来の展望などを熱く語ってくれた。全世界で乾電池は年間300億本くらい消費されているそうで、そのうちの1%を「MaBeee」に置き換えたいとのこと

――まずは「MaBeee」がどのような製品なのか教えてください

立山: IoT機器を搭載した「次世代型乾電池」です。玩具・ライトなどの電池と入れ替えることで、その製品の挙動をコントロールできるようになります。

――IoT(Internet of Things)ということは、通信機能を使って機器から情報を取得したり、機器そのものを制御できたりするわけですね。

立山:そうです。見た目は単三電池の形状ですが、この中にモジュール(基板)が入っています。ここに単4電池を入れることで、電力の強弱をスマホでコントロールできます。しかも単4電池を交換すれば繰り返し使えます。

▲単三電池サイズの「MaBeee」内部に、スマホと通信するBluetooth関連のチップが組み込まれている

今使っている機器の単三電池と差し替えるだけで、簡単に遠隔操作ができるようになるなど、IoT体験が気軽にできるというのだから驚きだ。そういえば自宅にも単三電池を使う機器がいくつかある。「あの機器に入れたら面白いんじゃないか」と、考えただけでワクワクを感じる商品だ。

■さっそく体験。単機能が「多機能」に!

さっそく電池式のランタンで試してみた。手順としては、ランタンの電池(単三)を「MaBeee」に交換。ライト専用アプリ「MaBeee ライト」を立ち上げるだけ。

アプリ画面には「明るさ」のバーが表示され、このバーの目盛りを左右に動かすことで照度を調整できる。ON/OFFで点灯させる機能しかなかったランタンだが、明るさを無段階に調整できるようになった。

▲「MaBeee ライト」の画面。シンプルで分かりやすい画面表示

▲5秒後に付けたり、5秒後に消したりできるなどタイマーを使ったON/ OFFも可能。アプリは音量で明滅の強弱をコントロールできる機能もあり、音楽と連動して点滅させるといった演出も可能だ

――「MaBeee」を開発するきっかけは?

立山:代表の岡部が主催して始めた、「ヤミ研ワールド・カフェ」という名のコミュニティがきっかけです。そこでは、多様な業種、経験を持つ人たちが集まって、自由な発想とワクワクするアイデアをスピーディーに形にする新しいものづくりに挑戦していました。

紆余曲折あるなかで「電車のおもちゃが、遊び手が意図した場所で停車できるもの」が作れたら面白い!というアイデアが生まれ、そこから「MaBeee」の開発に繋がりました。さらに「電池型にしたら世界が広がるよね」とひらめき、電車だけでなくミニ四駆などのスピード調節もできたら、という考えも生まれました。

――乗り物のスピードを自由にコントロールできるので、遊び方も新たに広がりそうですね。

立山:ミニ四駆の場合、急なコーナーがあるコースを作って走らせれば、トラックレーシングのような遊びもできます。さらに臨場感を持って楽しめるように、クルマ用の「MaBeee Racing」や電車用の「MaBeee Train」などの専用アプリも開発しました。

――わざわざクルマや電車などの専用アプリも作るなんて、こだわって作られていますね。しかもクルマのアプリ「MaBeee Racing」は、メーターの針が小刻みに震える演出まで用意されていて、こだわって作られているのが感じられます。

▲「MaBeee Racing」アプリでは、家庭用で有名なレースゲームの開発者が関わっているとのこと。メーター表示も本格的だ

▲「MaBeee Train」アプリでは、スマホの傾きで動くほか、画面内の操縦レバーを動かすことで、新幹線のおもちゃのスピードをコントロールできる。

――ほかの玩具で使っても、面白いことができそうですね。

立山:電池で動くぬいぐるみは、声をかけたときだけ動かせるようにもできます。子供が「おいで、おいで」と喋りかけたときに、ぬいぐるみが声に応じて近寄ってくる、というような遊びが可能です。同時に最大10本の「MaBeee」をひとつのスマホでコントロールできるので、大量のぬいぐるみを一斉に動かすことも可能です。

――これは面白いですね。まるで、「だるまさんが転んだ」で遊んでいるような感覚に近いです。

▲ぬいぐるみが掛け声ひとつで動くのが面白い。複数の人形が一斉に動きだしたら、ちょっとしたドッキリにも使えそうだ

――ON/OFFの制御ができるだけで、こんなに面白い使い方ができるんですね。

立山:タイマーのON/OFF制御を使って、電動歯ブラシの振動が終わるまで磨き続ける、といった「歯磨き教育」のようなこともできます。

■活用法のコンテストが開催され、驚きのアイデアが!

――まだまだ、これまでにはない活用法とかありそうですね。

立山:2017年9月に、「MaBeee祭」というイベントを開催して、さまざまな活用法のコンテストを行いました。

▲一次審査を通過した40名が、さまざまな活用法を見せてくれた

――大賞を受賞したのは、どのような作品ですか?

立山:PC用ゲーム「マインクラフト」と、実際のクリスマスツリーを連動させて同時に点灯させる、といった活用方法です。ゲーム会社の方が応募された作品で、「マインクラフト」好きのお子さんたちを驚かせ、喜ばせたかったというお父さんの愛情が詰まっています。

大賞「マインクラフトでクリスマスツリー点灯」

――ゲームとリアルが連動するというのは、面白いアイデアですね。

立山:ほかには、飛行船みたいな風船に「MaBeee」とプロペラを2個ずつ付けて空中の動きを制御できる、ドローンのような作品もありました。アプリで前進や旋回が可能です。ゆっくり(スロー)と進むため、「スローン」と名付けたら面白いのではないか、と審査員から提案があり、盛り上がりました。本体が軽量という製品の利点を、うまく生かした作品だと思います。

■受賞作品「空飛ぶMaBeee」

――なるほど。まだまだいろんな利用法がありそうですね。

立山:クリエイターのアイデア次第で使い方がどんどん広がって来るかと思います。Twitterの「#MaBeee祭」というハッシュタグで一部の作品を見られるようになっていますので、興味のある方はぜひ見てください。

* * *

今後の展開として、テレビのリモコンなどに装着してその利用状態をモニターできる「見守り電池」も発売予定とのこと。乾電池の新たな可能性を引き出している「MaBeee」シリーズが、どのように展開していくのか、今後に期待したい。

今回、実際に体感し、活用法や今後の展開を伺ったことで、乾電池の新たな可能性を感じることができた。電池を交換するだけで、これまでにない玩具の使い方ができるようになるのは素晴らしい。

気になったのは、コントロールモデルの希望小売価格が4980 円(税別)と少々高いこと。通信を行うBluetoothのチップが搭載されているため、値段が高くなってしまうのは仕方がないのだが……。玩具と組み合わせて利用するものだけに、もっと広く普及して買い求め安くなることを願いたい。

>> MaBeee

 

(取材・文/川村和弘)

かわむら かずひろ/フリーライター

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