【トヨタ ランクル プラド試乗】デザイン一新でより力強く!驚異の走破力に安全もプラス
&GP / 2017年11月18日 20時0分
【トヨタ ランクル プラド試乗】デザイン一新でより力強く!驚異の走破力に安全もプラス
トヨタの「ランドクルーザー プラド」がマイナーチェンジを受け、顔つきが変わりました。兄貴分たる「ランドクルーザー」にイメージを近づけた、センターに凹みを持つボンネット形状になり、ヘッドランプがLED化されました。加えて、トヨタの誇る安全機能“セーフティセンスP”も、全グレードに標準装備です!
エンジンは、これまでどおり2種類。2.8リッターの直4ディーゼルターボ(177馬力/45.9kg-m)と、2.7リッター直4のガソリン(163馬力/25.1kg-m)で、いずれも6速ATと組み合わされます。
価格は、ディーゼルが「TX(5人乗り)」の415万2600円から。ガソリンは、同じく「TX(5人乗り)」の353万8080円からとなります。最上級グレードの「TZ-G」は、3列のシートを備えた7人乗りのみですが、他のグレードは3列目シートを省いた5人乗りも用意され、7人乗り仕様より15万円ほどお安くなります。
■その道のプロが太鼓判を押すプラドの構造
「突然スキーに目覚めた」とか、「週末はカヌー三昧に」、はたまた、「荒野に分け入って冒険がしたい!」と一念発起。普通の乗用車や最近のSUVからプラドに乗り換えた人は、初めのうちは「なんとも古くさい運転感覚だな」と感じるかもしれません。ステアリングはなんだかダルで、上屋は時にユラユラし、路面の状態によってはお尻が左右に揺すられることも…。
これまでランクルファミリーを乗り継いできた方には「いわずもがな」ですが、実はそのフィールにこそ、プラドを購入する理由が隠されているのです。
昨今、名うてのオフローダー/SUVメーカーが、自社のクルマに次々と乗用車風のモノコックボディを採用する中、プラドは頑固にセパレートボディを守っています。強固なラダーフレームを骨格として、その上に5ドアボディを載せ、下には、フロント:ダブルウイッシュボーン、リア:リジッドのサスペンションを吊る。「クロカン4駆は、こうじゃなくっちゃ!」と、その道のプロが太鼓判を押す構造です。
例えば、岩場など極端な凹凸がある場面では、頑丈なラダーブレームが大事な“内蔵部分”を守ってくれます。左右の車輪をつないだリジッド式のリアサスペンションは、車体が左右に大きく傾く状況でも、しっかりと路面とのクリアランスを保ちつつ、強力なトラクションを伝え続けます。全くタフで、頼りがいのあるつくりです。ランクルファミリーが活躍している東南アジア、中東や北アフリカ、そして南米などでは、まだまだ、このシンプルで、打撃にも強いプラットフォームが求められているのです。
駆動方式は、トルセン式LSDを内蔵したセンターデフを持つ、いわゆるフルタイム4WD。通常は、前:後=4:6に駆動力を分配し、自然なコーナリング感覚を提供します。ちなみに、TZ-Gはリアにもトルセン式LSDが装備され、より確実なトラクション性能を実現しています。頼もしいですね。
さらに、本格派モデルらしく、プラドは副変速機を備えています。オンロード主体の日常では「H4」レンジに入れたまま。いざ、手強いオフロードを行く際には、センターコンソールのダイヤルを回して「L4」レンジにする。つまり、ギヤ比を低くして、力強くジリジリと進むことができます。どうしてもタイヤが滑ってしまう泥濘地などを行く時は、センターおよびリアのデフをロックすることも可能です。
こうした基本構造&機構を備えた上に、各種電子制御が搭載されます。例えば、副変速機切り替えダイヤルの上に設けられた“マルチテレインセレクト”ダイヤル。コレには「滑りやすい路面」、「土と石が混じった路面」、「岩石の多い路面」など、5種類の路面状況に応じた走行モードが用意されます。パワーの出方、トラクションコントロール、ブレーキなどの特性を状況に応じて変化させ、悪路での走破性を向上させる、いわばプロのノウハウが詰まった電子制御システムなのです。
冒頭で紹介したセーフティセンスPも、先進のテクノロジーです。主な機能としては、単眼カメラとミリ波レーダーで前方を監視し、他車や歩行者との衝突を、可能な限り回避したり(プリクラッシュセーフティシステム)、前走車との車間距離を保ちつつ走ったり(レーダークルーズコントロール ブレーキ制御付き)することができますし、車線からの逸脱を警告(レーンディパーチャーアラート)するほか、ヘッドランプのハイ/ロウを自動で切り替え(オートマチックハイビーム)てもくれます。運転支援、予防安全、そして衝突時の安全性を、セットで向上させてくれるわけです。
今回試乗したTZ-Gの運転席に「ヨイショ!」とよじ登ると、前方の視界が開けています。ボディサイズは、全長4825mm、全幅1885mm、全高1835mmと立派な体格ですが、意外と市街地でもなんとかなるものです。四角いボディで車両感覚がつかみやすい上、思いのほかステアリングが切れるので、むやみに切り返しを繰り返さないで済むのです。進むルートが限られる岩場で鍛えられたクルマだけのことはある!? と、想像を膨らませるのも楽しいかも。
フロントに積まれた2.8リッターのディーゼルターボは、最高出力177馬力、最大トルク45.9kg-mを発生。車重が2320kgもあるので、さすがに「機敏かつ軽快に走らせる」というわけにはいきませんが、必要十分以上の力強さでプラドをひっぱります。排ガス中の気になる微粒子は“DPR触媒”で絡め取り、NOx(窒素酸化物)は“尿素SCRシステム”で無害化する、クリーン化に配慮したディーゼルユニットです。
かつては、大流行していた三菱「パジェロ」との類似性を揶揄されることもあったプラドですが、代を重ね、今ではランクルの弟分として、たくましく成長しました。3列シートモデルなら、ファミリー向けのミニバンとは一線を画したピープルムーバーとしても活用できるランドクルーザー プラド。気持ちの上だけでも、荒野を目指してみてはいかがでしょう?
<SPECIFICATIONS>
☆TZ-G
ボディサイズ:L4825×W1855×H1835mm
車重:2320kg
駆動方式:4WD
エンジン:2754cc 直列4気筒 ディーゼル ターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:177馬力/3400回転
最大トルク:45.9kg-m/1600〜2400回転
価格:536万3280円
(文&写真/ダン・アオキ)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタ新型「カカドゥ」発表に反響多数! カクカクボディ&「旧型デザイン」に「カッコイイ」「これぞ」の声! 「Vアクティブテクノロジー」搭載の「豪プラド」が話題に
くるまのニュース / 2024年9月11日 20時10分
-
打倒ランクル!? 日産の新型「最大・最高級SUV」初公開! 全長5.3m超え&「400馬力オーバーのV6」搭載! 14年ぶり刷新の「パトロール」どう進化した?
くるまのニュース / 2024年9月6日 13時10分
-
令和に復活のトヨタ「ランクル70」を選ぶ意味は? 試乗で考えた
マイナビニュース / 2024年9月6日 11時30分
-
全長5m以上!「ランドクルーザー」より大きいトヨタ「最強SUV」が存在! “日本の威信”をかけた無敵の「“メガ”クルーザー」とは!
くるまのニュース / 2024年8月30日 22時10分
-
日本で普通に乗っても便利? トヨタ「ランクル70」に試乗!
マイナビニュース / 2024年8月29日 11時30分
ランキング
-
1効果的な腸活には「野菜よりお米」が欠かせない 日本人の遺伝子はご飯を食べるのに適している
東洋経済オンライン / 2024年9月21日 19時0分
-
2朝コレを飲んでブランチをとると「長寿遺伝子」が活性化する…簡単にできる「プチ断食」のやり方
プレジデントオンライン / 2024年9月21日 15時15分
-
3ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
4「赤ちゃん」の場面どうすんの? 実写化に賛否入り混じる話題作たち
マグミクス / 2024年9月21日 20時25分
-
5「絶対に無理」「何か菌がついているのでは」 学校や病院の「共用スリッパ」にSNSで“拒否反応”続出
オトナンサー / 2024年9月21日 22時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください