[Gear Maniax #057] MTBのナイトライドでヘルメットに「HC70」を装着して使ってみた
&GP / 2017年12月23日 21時0分
[Gear Maniax #057] MTBのナイトライドでヘルメットに「HC70」を装着して使ってみた
アカリセンターのHATTAです。先日行われた冬恒例のナイトライドで、NITECOREの電池別体型のヘッドランプ「HC70」を使用してきました。その感想と上手に使いこなすヒントをご紹介します。
「HC70」を最初に見たときから「これは使える!」と確信がありました。これまで多くのヘッドランプを見てきましたが、「明るさとランタイム」のバランスは永遠の課題と言っていいほど悩ましいものでした。それはヘッドランプに限った話ではないかもしれませんが、ヘッドランプはその性質上、「大き過ぎても、小さ過ぎても」不都合が発生します。例えば明るくしようとすると、強力なLEDを多灯する必要があり、ライトユニットは重くなります。また、それらのLEDに給電する充電池も大型になり、重量も増えます。逆に小さいと明るさもそして充電池も小型化されるので多くを求めることができなくなります。
それらの問題を解決するには「ライトユニットは小さくて軽く、バッテリーユニットは(それなりに)大きいもの」というのが理想な訳です。
「HC70」はライトユニットとバッテリーケースが別体式。しかもバッテリーケースは頭部への装着を最初から諦めています。バッテリーケースにはベルトクリップが付いていて、ベルトないしはその他の部位への装着が想定されています。そのため、ライトユニットは金属製ですが比較的軽く頭部への負荷は比較的少なくなります。
ちなみにヘルメットに装着するにあたっては、付属のヘッドバンドは使わずに直接ヘルメットのベンチレーターに紐を通して結束、固定しました。これまでタイラップやベルクロバンドなどさまざまなものを使用しましたが、何気に荷造り紐が一番安くてヘルメットを傷つけず、あらゆる形状を持ったヘルメットに対応できるように思えます。
バッテリーケースはバックパックの中に入れて携帯しようと思いましたが、不都合が発生しました。「HC70」のメインスイッチはバッテリーケース側にあります。ライトユニットにもモード切替とスタンバイモードにすることができるスイッチがありますが、ヘルメットに装着した状態では手探りでスイッチを探さなければならず、折角ちょうど良く設定したライトの角度がズレてしまう可能性があります。頻繁に調光することはないので、メインスイッチのON/OFFのみをスムーズに行うため、今回はショルダーストラップに装着しました。ちょうどバッテリーケースが入るスペースがあり、ケーブルをハイドレーション(水分補給用のホース)が通る部分に通すことですスマートに装備できました。
また「HC70」はUSBケーブルでバッテリーケースと繋がっています。バッテリーケースとのジョイント部にはケーブルが抜けることを防ぐためのロックがありません。USBケーブルという便利な規格ではありますが、専用のジョイントやロックがあるわけではないので抜けやすいのが問題です。基本的には、ケーブル側にある止水用のOリングがしっかりとバッテリーケースに隠れるくらい押し込めば簡単には抜けませんが、ある程度の負荷が掛かると抜ける可能性があります。バックパックに入れていた時はケーブルの取り回しを直そうと引っ張ったらライトが消えてしまいました。恐らくバックパック内の他の物に引っ掛かりケーブルが抜けたようです。よって、バッテリーケースは負荷が掛からない位置への装着が望ましいと思います。バックパックに入れる際もトップポケットなどに入れたほうが良いかなと思いました。
ライドの日は、里は寒くて仕方ありませんでしたが山の中は意外と暖かく楽しいライドができました。他の方にもモニターで付けてもらいましたが、もはやヘッドランプ1灯でナイトライドが出来るようになったことに皆驚いていました。長年やっているので「100ルーメンの頃が懐かしい~」というのは慣用句になっています。
NITECORE「HC70」、私も含めかなり良好な使い心地でした。最も評価すべきはランタイムの良さ。充電池は別売の18650を2本それぞれ装填しました。予備の充電池も持って行きましたが、トータル3時間のライドで一度も交換することはありませんでした。他のモニターの方がどの程度の明るさで使っていたか分かりませんが、私はHiモード550ルーメンだけで使っていました。体感的に明るさが落ちることは家に着くまでありませんでした。その後、充電器に掛けてみても4.1V程度でしたのでさほど電圧も落ちてはいませんでした。冬の屋外での使用なので筐体は冷やされていますが、それでも使用中にライトユニットを触っても人肌程度の暖かさしかありませんでした。つまり、それだけ効率的に点灯しているようです。4年ほど前であれば500ルーメンを超える連続点灯ではアッチッチな印象でしたので、これにはかなり驚きました。
配光は非常にオーソドックス。リフレクターは浅いのでさほど集光されませんが、中近距離で効果を発揮します。「人の目の届く範囲」を広く明るく照らせるのが良いと思いました。強いて言えば…我侭な話になりますが「明る過ぎ」ます(笑)。白くて明るいのはトレイルライドではあまり良い事ばかりではありません。搭載LEDはCREEのXM-L2で色温度的にはやや黄色味のある白ですが、トレイルでは全くそれが影響するようなことはありません。逆にその程度の色味の違いで性能の差異は感じられません。問題なのは白色で明るいと、路面の凹凸、特に根っこなどの陰影が分かり難いんです。今回はヘルメットの上から地面を照らしたので尚のこと根っこに影ができず、フラットだと油断して突っ込んでガッタガタ!というシーンが何回かありました。アスファルトなど凹凸の少ないロードであれば全く危惧する問題ではありませんが、トレイルで使用は色温度も配慮してくれると嬉しいなぁ~というのが意見です。セールス的に低色温度のLEDはルーメン数が上がらず嫌われる傾向にありますが、実際の使用ではとても役立つものであることを切に訴えたいです。
なので、こんなものを仕込んでみました。演出照明で使用されるLEEフィルターをサークルカッターで切ってはめ込みました。ノギスでレンズ径を測って、それよりも0.1ミリくらい大きめに切り出して表面張力で貼っているだけです。とにかく微妙なサイズ感なので何度か失敗しました。次回はこのフィルターを付けて走ってみたいと思います。どんな風に見えるか今から楽しみです!(NITECORE「HC70」アカリセンター価格:1万1200円)
>> 連載[Gear Maniax]
(文・写真/アカリセンター・HATTA)
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