高音質設計を突き詰めた3タイプのイヤホン&ヘッドホン12選【2017傑作品 GP AWARD】
&GP / 2017年12月25日 18時0分
高音質設計を突き詰めた3タイプのイヤホン&ヘッドホン12選【2017傑作品 GP AWARD】
ケーブルの一切ない完全分離型イヤホンが各社から発売され、新たなカテゴリーとして注目され始めた。一方、既存のイヤホンやヘッドホンも高音質技術を研ぎ澄ましている。それら音質を突き詰めた“極音モデル”を厳選した。
<完全ワイヤレス>
■ノイキャン機能搭載で雑踏の中でも高音質!
ソニー
「WF-1000X」(2万6510円)
ノイズキャンセリング機能を搭載し、環境音などを気にせず音楽に浸れる。同時に周囲の音を取り込む “外音取り込み” モードを用意。駅などでは音楽を聴きつつアナウンスを聞き漏らさないよう設定可能だ。連続音声再生時間は最大3時間。
イヤホン本体を2回分充電できる専用ケースが付属する。収納すれば充電され、本体をケースから取り出せば自動で電源が入り、端末にペアリングされて音楽が聴ける。
■ジョギングしてもブレずにフィット!
ボーズ
「SoundSport Free wireless headphones」(2万9160円)
しっかりとフィットする独自形状のイヤーチップが、耳の入り口をソフトに塞いで音響性能を高める。付属のウイングも装着をサポート。スポーツ利用時でも快適に音楽が聴ける。2時間でフル充電でき、約5 時間の使用が可能。防滴仕様。
■雨天でも気にせず音楽に浸れる防水仕様
JBL
「JBL FREE」(1万6070円)
5.8mm径のドライバーを採用し、JBLならではの良質なサウンドが堪能できる。最大で約4時間駆動し、専用ケースに収納すれば約20時間分を充電可能だ。IPX5の防水性を備えるほか、マイクを搭載し、ハンズフリー通話にも対応する。
■音楽も通話も快適な完全分離型の元祖の第2弾
EARIN
「EARIN M-2」(3万2180円)
スマホとbluetooth 接続すれば、音楽再生はもちろん通話にも対応する。人間工学に基づいたデザインにより耳穴にしっかりとフィットし、風切音の影響が少ない。付属の収納カプセルはバッテリーを内蔵し、充電器としての機能も果たす。
<イヤホン>
■1万ガウスを超える力でヌケ感の良い再生を実現
ベイヤーダイナミック
「XELENTO REMOTE」(12万円前後)
1テスラ(1万ガウス)を超える高い磁束密度のテスラテクノロジーを磁気回路に搭載し、ケーブルの芯線には高純度銀メッキ銅線を採用。解像感が高く抜け感のいい再生を実現している。イヤホンケーブルは着脱対応でカスタムも可能だ。
ケーブルはリモコン付きとリモコンなしの2 本のケーブルが同梱。端子は“MMCX”を採用し、他メーカーのケーブルに付け換えも可能だ。
■自分で好みの音質に変えられるカナル型イヤホン
ゼンハイザー
「IE 80 S」(4万円前後)
ハウジング部のネジを回すことで、音質の調整ができるカナル型イヤホン。強力なネオジウムマグネットを採用し、優れた音響精度と明瞭度を実現した。随所にステンレススチール製のパーツを使い、剛性とデザイン性を高めている。
■5つのドライバーを内蔵し贅沢なサウンドが広がる
Unique Melody
「MAVERICK Ⅱ UNM-4161」(16万5000円前後)
低音域や中音域、高音域用に、それぞれダイナミック型やバランスド・アーマチュア型のユニット5 基を搭載したハイブリッドタイプ。よりタイトでスピード感のある贅沢なサウンドが耳に広がる。ケーブルは着脱可能で2ピン端子を採用。
<ヘッドホン>
■大口径ドライバーの搭載など理想の音を徹底追求
オーディオテクニカ
「ATH-ADX5000」(25万7000円前後)
オープンエアーのダイナミック型ヘッドホン。大口径58mmの振動板と、それを支えるバッフルとを一体型にするなどパーツ数を削減。不要な音の歪みを極限まで抑える。アルミをベースとした特殊形状のハウジングも採用。音質を徹底追求した。
肌触りが良く耐久性と通気性に優れるイタリア製 “アルカンターラ” 地を、イヤパッドとヘッドバンドに採用。長時間快適に使用できる。
■「apt-X」に対応し、無線でも音がきれい
ウルトラゾーン
「Go Bluetooth」(2万3000円前後)
“S-Logic Basic” 技術で空間再現性や臨場感を高めた、40mm径ドライバーを搭載するBluetoot hヘッドホン。高音質で低遅延な伝送コーデック「apt-X」に対応。17時間の連続再生が可能だ。3.5mmヘッドホンジャックも備える。
■優雅な木製ハウジングが美音を再現する
デノン
「AH-D7200」(9万1000円前後)
密閉ダイナミック型ヘッドホン。φ50mmの振動板には軽量かつ剛性の高いナノファイバーを採用。フリーエッジ構造で低域の量感豊かなサウンドを実現する。ハウジングは美しく固有の振動が少ないアメリカン・ウォールナット製だ。
<Other Choice>
■周囲の音や声を聞きつつ音楽もしっかり楽しめる
アンビー
「サウンドイヤカフ」(5940円)
耳を塞がず、周囲の音も確認しながら音楽が聴ける。高感度ドライバーユニッ
トを内蔵して音質を追求しつつ、音漏れにも配慮。柔らかな装着感も特徴だ。
■まさに最高級のポータブルプレーヤー
Astell&Kern
「A&ultima SP1000」(50万円前後)
DACチップをデュアルで搭載したハイレゾ対応プレーヤー。384kHz/32 bitのネイティブ再生に対応する同シリーズのハイエンド機だ。
【識者の目_オーディオ・ビジュアル評論家・小原由夫さん】
ますます楽しみな完全ワイヤレス
17年の話題のひとつは、完全ワイヤレス型モデルの拡充だ。これまでは新進気鋭の
メーカーが市場をリードしてきたが、ここにきてソニーやBOSEなど大手や老舗ブランドが相次いで参入した。これにオーバーヘッド型ヘッドホンやネックバンド式イヤホン(あのシュアでさえ重い腰を上げた!)なども相まみえて、ワイヤレス市場は世界的にますます活況を呈することは間違いない。
ただし、Bluetoothの現在のコーデック規格には、音質面で未だ不満が残る。さらなる上位方式の制定や、aptX-HDなど高音質コーデックへ対応してくれることを望む。一方、内外のメーカーが今年提案した高級ヘッドホンが市場でどう受け入れられるかも気になる。オーディオテクニカ「ATH-ADX5000」やウルトラゾーン「EDITION15」など、持てる技術の粋を集め、贅沢な材料を駆使して作り上げられたモデルは、素晴らしいサウンドを奏でてくれる。内外からユニークな新規参入メーカーが相次いだことも喜びたい。
日本ではマザーオーディオ、韓国のAZLA、イギリスからはミッチェル&ジョンソンなどがそう。独創性に富んだモデルを輩出する新進メーカーの仲間入りも大いに歓迎したい。
●小原由夫さん
理工系大学を卒業後、測定器のエンジニアや雑誌編集者を経たのち、A&V評論家としての活動を開始する。専門誌から一般誌まで幅広く執筆する。近著に『ジェフ・ポーカロの(ほぼ)全仕事』がある。
(文/河原塚 英信 写真/松山勇樹)
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