"ちょっと○○"するだけで風景画像がさらに美しく ーiPhone撮影術② 風景編
&GP / 2017年12月27日 7時0分
"ちょっと○○"するだけで風景画像がさらに美しく ーiPhone撮影術② 風景編
街中や旅行先でいい景色に出合えたら、写真に収めておきたいところ。スマートフォンがあれば、サッと取り出してシャッターを切るだけで手軽に撮れるので便利です。でも、手軽に撮れたからといって、後々見返したら少しボケていたり、歪んでいたり、なんてことありますよね。そこで今回は、風景を撮影する際に失敗せずに良い写真を撮るテクニックを紹介します。
■ 風景編(昼)
【ポイント1】遠くからズームを使って
「今さらズーム機能?」と思っている方、いるのでは。でも、ズーム機能を使って遠くのものを寄りで撮る、という訳ではありません。そもそもiPhoneのカメラは、そのまま風景などを撮影すると、実は端が歪んでしまいます。まずこの写真を見てください。
お台場のレインボーブリッジと自由の女神像です。このニ大名物をズームを使わずに綺麗に1枚に納めたいと思ったら、自由の女神像の近くから撮影しなければなりません。しかしこれでは自由の女神が大きすぎて、バランスがよくない。また、よく見ると自由の女神像が斜めになっているのがわかりますか?
これはiPhoneのカメラが「広角レンズ」を使っているからなんです。広角レンズは広い範囲を撮影するときには便利ですが、写真の端が歪んで写ってしまいます。そんな時は、少し離れたところからズーム機能を使って撮影してみましょう。
▲ズーム機能を使って撮った写真
少し離れたところからズームを使用して撮影した写真です。違いがはっきり現れています。特に注目したいのが自由の女神像。ズーム機能を使わずに撮った写真は歪んでいますが、ズーム機能を使って撮影した写真は実物通りまっすぐです。
▲ズーム機能は画面をピンチアウト操作すればできます
レインボーブリッジと自由の女神像との距離感にも注目してください。ズーム機能を使わずに撮影した写真では、レインボーブリッジが小さく見えます。ですが、ズーム機能を使った写真では自由の女神像との間が少し詰まったように見えます。これはカメラがズームしたことで、遠くのレインボーブリッジも大きく写り、距離感が縮まったように見えているのです。ズームにすることで画像が粗くなってしまうのでは、と思われがちですが、多少のズームなら画質の劣化はほとんど気にならない程度です。
【ポイント2】縦・横を使い分ける
スマホカメラで写真を撮る際に、人物を撮るときは縦に、風景を撮るときは横に構えていませんか? 確かに横の方がその写真に多くの情報を載せられます。とはいえ、たとえ良い景色だとしても写したくないものもあったりしますよね。そこで風景でもあえて縦で撮影してみるのはいかがでしょうか。
▲横で撮影した写真
▲縦で撮影した写真
同じ場所からレインボーブリッジを背景に船を撮影した写真です。横で撮影した写真は、写っている範囲は広いのですが、桟橋や柱が一緒に写っています。一方、縦で撮影した写真は、写っている範囲は狭いのですが、そのおかげでレインボーブリッジの後ろに見える建物も入らず、船と橋、海、空しか写っていません。前回の人物編でも紹介しましたが、写したいメインの被写体を決めたら、他の要素はできるだけ少なくすることのも、良い写真を撮るテクニックです。
■ 風景編(夜)
次に紹介するのは夜の風景のテクニック。今の時期、街中で輝くイルミネーションを綺麗に撮りたいという人は多いのではないでしょうか?
【ポイント3】HDR機能を使いこなす
夕暮れの綺麗な景色を撮影しようとして、空が明るくなりすぎて雰囲気が台無しの写真しか撮れなかった、なんて経験ありませんか。もしくは逆光気味のシーンで影になっている部分が真っ暗になってしまった、なんてことも。 そんな時はHDR機能を使って撮影しましょう。
スマホのカメラアプリのオプションとして搭載されている「HDR(ハイダイナミックレンジ合成)機能」。露出レベルの異なる複数枚の写真を1枚に合成することで、暗い場所であっても効果的な撮影ができる機能です。HDR機能をオンにして撮影すれば、肉眼で見ているときの風景により近いイメージの写真を撮れます。
このHDR機能を使って撮影したお台場名物「ユニコーンガンダム」を見て見ましょう。
▲普通に撮影した写真
▲HDR機能を使って撮影した写真
2枚の写真で注目したいのが赤くライトアップされた部分の周りにある白い部分。HDR機能を使わずに撮影した写真では、赤い光によって若干見えにくくなっていますよね。これは、いわゆる「白飛び」と呼ばれる現象です。一方、HDR機能を使って撮影した写真は、ボディの白い部分もはっきり見えていますし、さらにライトアップしている部分もしっかりと模様が見えています。
この季節、冬にしか見られない街中のイルミネーションを撮る人は多いと思います。夜景とは違い、イルミネーションとなると撮影できる時期は1年の間でもごくわずか。そんな少ないチャンスだからこそ、自分の目で見た風景と同じ写真を残しておきたいですよね。
【ポイント4】あえてレンズを曇らせる
次はちょっと変わったテクニックをご紹介。先述したHDR機能を使えば夜景も綺麗に、はっきり写せます。ですが、夜景でもちょっとした工夫をすれば雰囲気が違う写真が撮れます。それがあえてレンズを曇らせること。早速写真を見て見ましょう。
▲普通に撮影した写真
▲レンズを曇らせて撮影した写真
上は普通に撮影した写真。下はカメラのレンズに息を吹きかけて曇らせて撮影した写真です。ライトの周りを注目してもらうとわかりますが、光が浮き上がって見えます。しかも、周りの背景が少し霧がかかっているように見えるので、光の浮きあがりがよりはっきりとわかります。少しレンズを曇らせるだけで、街中での撮影にもかかわらず、幻想的な世界にいるような写真になります。
今回紹介した写真は、前回の人物撮影編と同じく、加工など一切行っていません。ですが、「ちょっとズームにする」「ちょっとレンズを曇らせる」。このちょっとしたことで写真は何倍もよくなります。風景写真となると、生涯で一度しか訪れない場所での撮影もあるかもしれません。後から写真を見返して後悔しないように、今回紹介したテクニックを使って“良い写真”をバッチリ残しておきましょう!
(文/&GP編集部 野田博記 カメラ/田口陽介)
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