自宅にあるモノを使って、アイテムを綺麗に撮る－iPhone撮影術④ ブツ撮り編

スニーカーや腕時計など、新しい商品を購入したら記念に写真を撮りたくなりますよね。最近では着なくなった服や使わなくなったブランド品をネットで売る際に、自分で撮影して販売するなんてこともあるのでは。そんな時は、できるだけおしゃれに、カッコよく撮影したいところですよね。そこで今回は、アイテムを上手に撮影するテクニックを紹介します

モノを撮影する際、まず避けるのは薄暗い場所。撮影物がよく見えなくなるだけでなく、印象も悪くなってしまいます。室内で撮ると、想像以上に暗く写ることが多く、モノの正確な色を表現するのも難しくなります。特に夜は明るさが足りず、のっぺりした写真になりがち。清潔感がなくなり、せっかくの商品のイメージもダウン…なんてことも。モノを室内で撮影する場合は、柔らかい光で撮るのが最もおすすめです。窓から差し込む自然光の中で撮影すれば、実際の色に近い状態で写せます。

■ 洋服を撮る

【ポイント】俯瞰で撮影する

洋服などサイズが大きいものを撮影する時は、形を正確に伝えるため、撮影する角度にも注意が必要です。下の写真のように、斜めから撮影してしまうと手前が大きく写ってしまい、正確な形が伝わりません。特にスマホのカメラは景色を広く写せる広角レンズになっているので、斜めから撮ると手前が広がって写りやすいので注意しましょう。

▲光や角度を気にせずに撮影した写真。暗く、サイズ感が伝わりにくい

撮影するときは、椅子などに上がり、少しでも真上からズームを使って撮るのがベスト。撮影する前にしっかりとホコリや糸くずを取り、ボタンがある洋服はボタンを閉め形を整えます。また、置いて撮影すると全体的にシルエットが太く見えるので、特に腕の部分を少し折り込んで、細く見えるようにしましょう。

洋服全体に光が当たっていないと感じたら、レフ板を使うのがおすすめです。レフ板は写真を撮る際、被写体に効果的に光を当てたいときや影になっている部分を明るくしたいときに、光を反射させて被写体を照らすアイテムです。持っていなくても、上の写真のように椅子やテーブルに白いシーツをかけるだけでもレフ板代わりなり、光が届くようになります。

▲光を意識し、シーツをレフ板代わりに使って撮影した写真

■ スニーカーを撮る

【ポイント】 動きをつける

スニーカーをかっこよく、おしゃれに見せるには動きを出すことが重要です。ただ並べただけでは“つまらない写真”になってしまいます。例えば、購入時にスニーカーが入っていた箱と一緒に撮影するだけでも印象は変わります。さらに、靴の下に何か置いて角度を変えてみたり、壁に立てかけたりしてもいいかもしれません。動きを見せるだけで、“つまらない写真”から“おしゃれな写真”に変わります。

また、シューレースに特徴がある場合や、靴底が珍しいデザインのスニーカーなら、あえて片足だけ向きを変え、見せたい部分を際立たせて撮るのもおすすめです。

■ 腕時計を撮影する

【ポイント】余計な写り込みを減らす

▲ライトを使って撮影した写真

▲テーブルに置いてそのまま撮影した写真。文字盤が見えにくい

腕時計を撮影する際は、まずバンドを整えましょう。バンドがたるんでいるなら、間にモノを挟むなどして立体感を作ります。また、普通に撮影しただけでは文字盤やロゴが見えにくいことも。ライトを使い文字盤に光を当て、中のディティールも表現してください。撮影時は「洋服を撮る」でも紹介したレフ板を使ってみましょう。コピー用紙やカレンダーの裏面といった白く広い紙をレフ板の代わりにし、余計な写り込みが入らないようにすればより綺麗な写真を撮れます。

さらにおしゃれに見せたいという人は、時計の針（時針・分針・秒針）を「10時10分35秒」に合わせてみてはいかがでしょうか。「10時10分35秒」は「時計が最も綺麗に見える形」として、メーカーのカタログでも実際に採用されていることが多い時間です、ぜひ試してみてください。

特別の設備を使わなくても今回紹介したシーツやカレンダーのように、どの家庭にでもあるようなものを使えば、モノは綺麗に撮れます。他にもシルバーの腕時計を黒い布の下に置くだけで雰囲気の異なる写真が撮れたり、スニーカーを木のベンチに置くだけでも違った写真が撮れます。どんなモノを使えばより綺麗に、かっこよく、おしゃれに撮影できるか、色々試してみるのも面白いかもしれませんね。

（文／＆GP編集部　野田博記　カメラ／田口陽介）