なにこれ日本車?軽自動車の国が作った超個性派モデル6選
&GP / 2018年1月10日 21時0分
なにこれ日本車?軽自動車の国が作った超個性派モデル6選
道路運送車両法において規格(ボディサイズとエンジン排気量、定員、貨物積載量)が決められ、その代わりに税制面などで優遇されている軽自動車。現在は限られたサイズの中でパッケージングを工夫し、小型車に引けを取らない(それどころか小型車以上と言っても過言ではない)室内空間を実現したものが売れ筋です。
一方でこれまでの軽自動車の歴史を振り返ると、限られたスペースに遊び心をとことん盛り込んだモデルもいくつかありました。今回はそんな、「こんなコンセプトのクルマ、思いつかない」と感じる軽自動車をピックアップ!
■ダイハツ フェローバギィ(1970年) -実用性完全無視のバギーカー
長く“戦後最大の好景気”と言われていたいざなぎ景気の真っ只中に登場したフェローバギィ。日本人のレジャー志向が高まった時期とはいえ、FRPボディの2シーターオープンとして登場したバギーカーはかなり異色の存在だったはず。写真からも分かるようにボディにドアはなく、乗車時は金属製の鎖をかけて体が外に放り出されるのを防ぎます。
ベースとなっているのは貨物車であるハイゼットピックアップで、1968年に開催された第15回東京モーターショーに参考出品されたものが100台限定で発売されました。フルオープンのルーフにはビニール製のソフトトップを付けられましたが、クルマの性格を考えると雨なんか気にせずずぶ濡れのまま走るのが気持ちよさそうですね。
■ホンダ バモスホンダ(1970年) ―フルオープンの軽トラ&軽1BOX
1999年にデビューし現在でも製造されているホンダの軽1BOXといえばバモス。実はバモスは今も販売されているこのモデルが初代ではなく、’70年に同名が与えられた軽自動車がありました。それがバモスホンダです。
この企画のトップ画像でも紹介したように、バモスホンダはなんとフルオープンの軽トラック。ルックスはまるでゴルフ場にあるカートのようです。タイプは2人乗りと4人乗りがあり、4人乗りには幌がシート部のみにかかる軽トラタイプと、1BOXのように荷台まで幌をかけられるフルホロがありました。
中古車サイトを見ると2人乗りのバモスホンダはまだ数台流通しています。相場も約80万~120万円と手が出せないというものではありません。今後絶対に出てこない激レア軽自動車、チャレンジしてみます?
■スバル ヴィヴィオT-top(1993年) -ライバルに差を付けた軽4座オープン
1991年に登場したホンダビートが巻き起こした軽スポーツカーブーム。スズキはFRターボのカプチーノ、マツダはガルウイングを採用したAZ-1を投入し、軽ABCトリオと呼ばれたのを覚えている人も多いはず。そんなブームをダイハツやスバルが指をくわえて見ていたわけではありません。
スバルは1993年にハッチバックのヴィヴィオをベースに開発したタルガトップのヴィヴィオT-topを投入。ルーフこそ手動で開閉になりますが、リアガラスは電動開閉式でオープンエアを楽しみやすくしています。さらに、エマージェンシーとはいえ後部座席を配置しているのが大きな特徴。現在でも約30台ほどの中古車が流通。欲しい人はタルガトップや電動リアガラスの状態、パーツの流通状況を確認してみましょう。
■ホンダZ(1998年) -床下ミッドシップ+4WDのユニークな軽SUV
1998年10月に行われた軽自動車規格改正時に登場したホンダZは、ホンダが’90年代に展開したクリエイティブ・ムーバーシリーズ(オデッセイやステップワゴンなど)、Jムーバーシリーズ(H-RVなど)に続くKムーバーシリーズの第一弾となります。スタイルは、最近ではすっかり見かけなくなった3ドアのハッチバックのように見えますが、最低地上高を195mmに設定し、アプローチアングル40°、デパーチャアングル50°を実現。
何よりインパクトがあったのは、エンジンをミッドシップレイアウトとし、ビスカスカップリング式リアルタイム4WDを採用していること。しかも機関系をすべて床下に配置したことで室内長2360mmを実現。これは現在の軽ハイトワゴンでも達成できない数値です。
プラットフォームの共用化が進んだ現在ではこのようなクルマを作ることはまず不可能。中古車はまだ70台ほど流通しているので、興味ある人はチェックしてみてください。
■スズキ ツイン(2003年) -打倒スマート!? 全長2735mmのシティコミューター
2人乗りのシティコミューターであるスマートが日本の道を走るようになったのは1998年ごろ。全長わずか2560mmで600ccエンジンを搭載するマイクロカーが都会をトコトコと走る姿はとても愛らしく、ファッション感度の高い人を中心に支持されました。
そんな光景を軽自動車のトップメーカーであるスズキが黙って見ているわけにはいきません。2003年、2人乗りのツインをデビューさせます。全幅の関係でスマートが登録車になっていたのに対し(フェンダーの膨らみを少なくして軽自動車枠に収めたものもありました)、ツインは軽自動車枠になるので税金面で有利。さらにツインには軽自動車初となるハイブリッドモデルもラインナップされていました。
残念ながら販売面では振るわず約3年で絶版に。今となっては希少な2シーターモデルとなっています。
■スバル R1(2005年) -大人のためのゴージャスな軽クーペ
軽自動車は少しでも室内を広くするために、軽自動車枠いっぱいのサイズにするのがセオリーです。しかしR1はあえて全長を軽自動車枠より110mm短くした2ドアモデル。モチーフにしたのはスバルの名車、360でした。丸くて小さなボディに15インチタイヤを装着した姿は、まさにてんとう虫のよう。
乗車定員は4名ですが実質的には2人乗りで、前席の快適性が高められました。中でも本革とアルカンターラを贅沢に使ったレザー&アルカンターラセレクションが話題に。現在は160台ほどの中古車が流通していますが、そのうち約40台がレザー&アルカンターラセレクションになります。
(文/高橋 満<ブリッジマン>)
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