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激動の時代に一石を投じた名作カメラと、その直系モデル9選【殿堂入りヒットモノ大全】

&GP / 2018年1月24日 20時0分

写真

激動の時代に一石を投じた名作カメラと、その直系モデル9選【殿堂入りヒットモノ大全】

テクノロジーが目覚ましく進化し、次々と生まれてくる新しいカメラの中から“名作”を選ぶならば、新しいスタイルや使い方を生み出したり、逆に伝統を正統に継承していたりするモデルとなるだろう。歴史とテクノロジーの両面を鑑みながら、カメラマンの大浦タケシさんと選んだ。

カメラ史において、時代を変えるほどエポックメイキングなカメラというのが存在した。そして現在でもそれらの思想を受け継ぎ、作られているカメラがある。歴史的カメラとその直系モデルを殿堂入りとして紹介しよう。

■フィルムメーカー故にこだわって作り続けた中判フィルムカメラ

富士フイルム
「GF670 Professional(写真左)」
(実勢価格:約20万円前後~ ※2017年7月生産終了、市場在庫のみ)
サイズ:W178×H109×D64㎜(折りたたみ時)

【殿堂入りのポイント】

コンパクトに折りたためるフォールディングカメラ

デジタル全盛となった2009年に発売された中判カメラ。フォールディングタイプでレンズを収納すると文庫本ほどのサイズに。撮影フォーマットは6×7のほかスクエアの6×6が楽しめるのも特徴だ。同社最後のフィルムカメラか!?

 

■富士フイルムらしさが詰まった中判デジタルミラーレス

富士フイルム
「GFX 50S(写真右)」(80万4060円<ボディのみ>)
サイズ:W147.5×H94.2×D91.4㎜
センサーサイズ:中判(43.8×32.9㎜)
有効画素数:5140万画素

【殿堂入りのポイント】

ミラーレスを選択して中判ながら軽量コンパクト

富士フイルム初の中判デジタルカメラ。ミラーレスとしたことで、中判ながら軽量でコンパクトなボディに仕上がる。Xシリーズで評価の高いフィルムシミュレーション機能を搭載するとともに、高性能なレンズライナップも魅力

 

■最新かつ普遍のライカ、カメラ史のマイルストーンM型

ライカ
Leica M
「Monochrom(Typ246)」(113万4000円<ボディのみ>)
サイズ:W139.0×H80.0×D42.0㎜
センサーサイズ:35㎜フルサイズ(約23.9×35.8㎜)
有効画素数:2400万画素

【殿堂入りのポイント】

ライカだからできたモノクロ専用機

モノクロしか撮れないM型デジタル。その解像力の高さは多くのファンを引きつける。現在は二代目でMモノクローム( Typ246)と呼ばれる。イメージセンサーはベースとなったライカM-P( Typ240)と共通とせず、先代同様カラーフィルターを省略したモノクロ専用。モノトーンの深い階調再現性と鮮鋭度の極めて高い描写が持ち味

▼歴史的1台「Leica M3」

言わずと知れたキングオブカメラ。エピソードに事欠かず、語るべきところは多い。
中古市場でも未だ圧倒的な人気を誇るカメラ

 

■フルサイズミラーレスという、ひとつの完成形に到達

ソニー
「α7R III ILCE-7RM3」(39万9470円<ボディのみ>)
サイズ:約W126.9×H95.6×D73.7㎜
センサーサイズ:35mmフルサイズ(35.9×24.0㎜)
有効画素数:約4240万画素

【殿堂入りのポイント】

弱点を克服し完成度が上がった新世代

α7シリーズの最新モデル。4240万画素と高解像度でありながら最高10コマ/秒の高速連写性能と、優れた高感度特性を誇るミラーレスである。新AFシステムにより、ミラーレスのウィークポイントであった動体撮影時の被写体追従性も飛躍的に向上している。もちろんこれまでの小型軽量なボディはしっかりと継承されながらハイパフォーマンス

▼歴史的1台「Sony α7」

フルサイズデジタルカメラの概念をある意味打ち破ったミラーレス。コンパクトなボディは今見ても新鮮。現行モデルであることも驚き。

 

■写真のみならず動画に大きく踏み出したEOSムービー

キヤノン
「EOS 5D Mark IV」(42万390円<ボディのみ>)
サイズ:約150.7WxH116.4xD75.9㎜
センサーサイズ:35㎜フルサイズ(35.9×24.0㎜)
有効画素数:約3040万画素

【殿堂入りのポイント】

完成度が高いEOSのフルサイズ機

EOS 5Dシリーズ4世代目で、同シリーズの完成系と言えるモデル。有効3040万画素、コマ速7コマ/秒と現在のフルサイズの概念から言えば飛び抜けたスペックではないが、全点F8 対応の61点AF や3.2 インチ液晶モニター、GPS 搭載などその分堅実なつくりが目を引く。さらに4K30pの動画撮影にも対応し、全方位の撮影に対応

▼歴史的1台「EOS 5D Mark II」

デジタル一眼を使った本格的な映像制作はこのカメラから。フィルムライクな仕上がりと大きなボケで映像表現の幅を飛躍的に拡大させた。

 

■ミラーレスという名のカメラ革命を先導

パナソニック
「LUMIX G9 PRO」(予想実勢価格:21万円前後<ボディのみ>)
サイズ:約W136.9×H97.3×D91.6㎜
センサーサイズ:4/3型
有効画素数:2033万画素

【殿堂入りのポイント】

世代を重ねるごとに進む進化

8世代目となる“G” は、これまでミラーレスの弱点であった動体撮影能力を飛躍的に向上させ、20コマ/秒の高速連写機能と補正効果6.5段に進化した手ブレ補正機構を搭載する。兄貴分のGH5が動画撮影にも軸足を置くのに対し、本モデルは静止画撮影に重きを置く。初代G1と比べると、その飛躍的な進化にあらためて驚かされる

▼歴史的1台「LUMIX DMC-G1」

ミラーレス第1号機である。ここからレンズ交換式デジタルカメラは大きく枝分かれし、今や一眼レフと人気を二分するカメラとなった。

 

■唯我独尊のフォビオンセンサーこだわりの進化

シグマ
「sd Quattro H」(実勢価格:11万5000円前後<ボディのみ>)
サイズ:W147×H95.1×D90.8㎜
センサーサイズ:APS-H(26.7×17.9 ㎜)
有効画素数:3860万画素

【殿堂入りのポイント】

フォビオン史上初のAPS-Hサイズ

フォビオンセンサーを搭載するミラーレス。センサーサイズはフォビオン初のAPS-Hで、有効3860 万画素を実現。構造上カラーフィルターとローパスフィルターを必要としないため高精細な絵が得られる。もちろん色乗りのよさはフォビオンらしいところ。相変わらず扱いの難しいこともあるが、圧倒的な描写力に驚かされるはずだ

▼歴史的1台「SD9」

フォビオンセンサーを初めて搭載したデジタル一眼。シグマとしても初めてのデジタル一眼で、当時は驚きを持って迎え入れられた。

 

■アナログ操作にあった魅力をデジタルで再現

ニコン
「Df」(実勢価格:28万6000円前後<ボディのみ>)
サイズ:約W143.5×H110.0×D66.5㎜
センサーサイズ:35㎜フルサイズ(36.0×23.9 ㎜)
有効画素数:1625万画素

【殿堂入りのポイント】

カメラらしい操作、機能への偏愛

往年のフィルム一眼レフをオマージュする直線的フォルムのボディに、金属削り出しのメカニカルダイヤルを装備するデジタル一眼レフ。フルサイズセンサーは1625万画素と現在の尺度からすると一見物足りないが、生成した画像を見れば誰しもが納得できるもの。ストロボに加え動画機能も搭載されておらず男気なカメラに仕上がる

▼歴史的1台「Nikon F」

1960年代を中心に世界中のカメラマンから愛用され、日本のものづくりの凄さを知らしめる金字塔的存在のフィルム一眼レフカメラ。

 

■時代を超えたストリートカメラのサラブレッド

リコー
「GR II」(実勢価格:7万円前後)
サイズ:約W117.0xH62.8xD34.7㎜
センサーサイズ:23.7x15.7㎜
有効画素数:約1620万画素

【殿堂入りのポイント】

コアなファンを持つスナップシューター

デジタルとなって6世代目、APS-C サイズ相当のイメージセンサーを搭載するGRとしては2世代目となる。シャッターボタンを一気に全押しするとあらかじめ設定した距離にピントを合わすフルプレススナップ機能を搭載するなど、フィルム時代のGRのDNAをしっかりと引き継ぐ。スナップシューターとしてマニアックな人気を誇る

▼歴史的1台「GR1」

一世を風靡したコンパクトフィルムカメラ。贅肉を極限までそぎ落としたスリムなボディに、写りの良い単焦点レンズを搭載する。

【識者の目_カメラマン 大浦タケシさん】

カメラとして特筆するような技術的革新や、カメラの価値観のブレークスルー。プロや写真愛好家からの熱烈な支持や、カメラとしての話題性。いつの時代も殿堂入りするようなカメラたちは、こういった要素を持ち合わせている。だからこそ、カメラ史としても一人のカメラ好きとしても、その名を未来永劫残したいと思うのだ。

それは最新モデルでも同じで、過去に発売された歴史的モデルの技術や思想を引き継ぎながらも、時代に合わせた進化を遂げている。ここでは殿堂入りカメラとして、歴史的モデルと同一シリーズあるいはそれに準ずる現行モデルとの組み合わせにもこだわって選考した。選考にあたっては筆者の独断にならぬよう、編集部とも幾度かの話し合い慎重かつ冷静に選択した。

その結果、選ばれたカメラは新旧あわせて全16モデル。誰が見てもいずれも異論のないものとなったと自負している。殿堂入りカメラをあらためて見つめ直してみると、どれも強烈な個性を放ち、メーカーのカメラに対する熱い思いやこだわりがひしひしと伝わるものばかり。撮影する楽しさや、所有する満足感も極めて高いものだ。だからこそ、10年後も20年後も殿堂入りに相応しい銘機として語り継がれていることと確信している。

●カメラマン 大浦タケシさん
宮崎県都城市生まれ。雑誌カメラマン、デザイン企画会社を経て独立。専門誌、一般誌、ウェブを問わず、多方面で活躍中。最近ではドローンを使った撮影にも精力的に取り組んでいる。公益社団法人日本写真家協会会員

本記事の内容はGoodsPress2・3月合併号38-39ページに掲載されています

 

(取材・文/大浦タケシ)

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