過去モデルと比較!新型ドローン「Mavic Air」は、ここがすごい!
&GP / 2018年1月31日 7時30分
過去モデルと比較!新型ドローン「Mavic Air」は、ここがすごい!
誰もがドローンを飛ばす時代がジワジワと近づいている気がする。そんな風に思わせてくれたのが、DJIから発売された「Mavic Air」だ。DJIはコンシューマー向けドローンで、他メーカーを圧倒するシェアを誇る。Mavic Airはライバルを引き離す高性能で高画質な新モデル。4K高画質なカメラを搭載し、これまでよりも小さく、そして安全に飛べる。その「Mavic Air」の凄さを解き明かす。
■さらに小さく、さらに安全に飛ばせるドローンへと進化
Mavic Airは、指定した被写体を自動で追尾しながら撮影できるドローン。障害物を自動で回避するなど安全性も高く、より撮影に集中できる。搭載カメラは3軸ジンバルにより支えられ、機体の振動やブレを抑えて、滑らかで精細な4K映像が撮影できる。microSDメモリーカードのほか、8GBの内蔵ストレージへも動画や静止画データを記録可能だ。
Mavic Airの特徴を書き出してみると、一見、既存モデルと大きく変わることがないようにも思える。被写体を追尾して撮影したり、障害物を自動で回避して飛行したりするのは、1年半前に発売されたMavic Proにも搭載されていた。
だが、ドローンで重視すべきポイントは、飛行安全性、操作性、高画質撮影、そして一般ユーザーにとって最も大事なのが、機体の大きさ。もちろん安全性や操作性、搭載カメラで撮れる映像画質を犠牲にすれば、機体は小さくできる。
<DJIの「Mavic Air」「Mavic Pro」「Spark」の主要スペック比較>
Mavic ProやSparkなど、これまでのDJIのドローンは、高いレベルでの操作性と安全性を備えつつ、精細な4K映像でアーティスティックな映像が撮れるモデルを、徐々に機体サイズを小さくしながらリリースしてきたのだ。
Mavic Airもまた、前方/後方/下方に障害物検知センサーを搭載し、障害物を自動で回避しながら飛行できる。さらに搭載カメラは4K解像度での撮影が可能。3軸ジンバルにより、機体の挙動や振動に起因する映像ブレを効果的に抑えられる。
そうした高度な機能を備えた上で、折り畳んだ時のサイズが、Mavic Proの約半分で、Sparkよりも小さい点が注目すべきポイントなのだ。しかも重量はMavic Proから41%も軽量化されている。
▲機体前部に搭載された障害物検知センサーと、3軸ジンバルに支えられた4Kカメラ
■コントローラー無しでもジェスチャーで操作できる
Mavic Airを操作するのには2つの方法がある。最も手軽で簡単なのが、ジェスチャー。他にスマートフォンと専用コントローラーでの操作だ。
昨年リリースされたSparkにも搭載されていたジェスチャーによるコントロール。Mavic Airでは、さらに簡単に操作できるようになったという。機体を飛ばすと、ユーザーを検知して、常に機種とカメラをユーザーに向けてホバリングする。もちろん、ユーザーが歩いたり走ったりして移動すれば追尾する。
細かい操作も可能だ。手をかざして左右上下に動かせば、その手のひらの位置に合わせて、機体の位置を調整。機体を遠ざけたい時や近づけたい時には、スマートフォンのピンチイン/ピンチアウトと同じ感覚で、両手を広げたり縮めたりするだけだ。
写真を撮りたい時には「(人差し指と中指を立てる、あの)ピース」をするだけ。このジェスチャー機能によって、起動から飛行、自撮りまでできるというわけ。これさえあれば、コントローラーでのドローン操作に習熟していなくても、自撮りができてしまうのだ。
発表会では「スマートキャプチャー(ジェスチャー)機能」が実演された。この映像はMavic Airからの視点でユーザーを捉えたもの。これなら誰でも飛ばせそうだ!
■テレビ番組のドローン映像のような動画を誰もが撮れる
▲パノラマ写真の例
ドローン撮影の利点は、地上での撮影とは違う視点での映像が撮れること。スマートキャプチャー(ジェスチャー)機能を備えているため、ドローンでの自撮りのハードルが大幅に下がった。極言すれば、誰もがドローンで自撮りできるだろう。
だが、単に上空でホバリングさせ、静止画のような撮影をするだけでは、すぐに物足りなさを感じるはずだ。ドローン撮影の醍醐味は、上空からの動きのある撮影が撮れることにある。
これまでのドローンでは、そうしたダイナミックな映像を撮るには、ドローンに習熟する必要があった。映像を撮ることよりも、ドローンをコントロールすることに気を使わなければいけなかったのだ。
Mavic ProやSparkと同様に、Mavic Airには、ドローンを使った代表的な6つのダイナミックな自動撮影機能がプリインされている。それが、ロケット/ドローニー/サークル/ヘリックス(螺旋)/アステロイド(小惑星)/ブーメランの「クイックショット」機能。専用アプリを使って、数タップで多彩な撮影が可能だ。
「ロケット」は、真上に飛んでいきながら被写体を撮影。「ドローニー」は斜め上に飛行しながら遠ざかっていき、「サークル」は被写体の周囲を旋回しながら、「ヘリックス」は被写体の周囲を旋回しながら上昇していく撮り方だ。さらにMavic Airでは、「アステロイド」と「ブーメラン」という撮影方法が追加された。
もはや説明が難しいほどに複雑な撮影が、アプリを数タップするだけで可能に
ブーメランのような軌跡を描いて、被写体を撮影しながら飛行する
■買うべき最有力の本格撮影用ドローン
気軽に扱いたいユーザーから、本格的な撮影をしたいユーザーまで、本当に幅広い層に適したドローンだと思える。Mavic ProとSparkと、どれを購入しようか迷うだろう。だがサイズはSparkよりも小さく、搭載カメラの性能などはMavic Proと同等、それでいてMavic Proよりも手軽に撮れるスマートキャプチャー(ジェスチャー)機能を備えているMavic Airは、コストパフォーマンスがかなり高いと言えるだろう。
▲左が折りたたみ時のもので、右が展開した状態
とはいえ、Mavic Airの重さはまだ430gだ。この重さでは航空法に引っかかり、本当の意味では手軽にも気軽にも飛ばせるものではない。
DJIには、できればサイズ以外のスペックをそのまま、もしくはアップグレードした上で、一層のダウンサイジング(200g以下)をお願いしたい。本格コンシューマー用ドローンの市場を、これだけ独占しているのに、意欲的な新製品を定期的にリリースしているDJIであれば、1年後は難しくても、数年後には実現させられそうだ。Mavic Airは、そんな可能性を感じさせてくれるドローンなのだ。
▲より手軽に飛ばせる200g以下の本格ドローンのリリースが待ち遠しい!
(取材・文/河原塚英信)
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